箱の中 ホリーノベルズ

木原音瀬

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784883862924
ISBN 10 : 4883862925
フォーマット
出版社
発行年月
2006年03月
日本
追加情報
:
19cm,255p

内容詳細

BLノベルス界の巨匠、木原音瀬の力作長篇、第3弾。冤罪で入った刑務所雑居房で出会った2人。愛なのか、同情なのか。

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読書メーターレビュー

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  • エンブレムT さん

    少ない選択肢の中から見つけ出した唯一。それを愛と呼べるのか、私にはわからない。けれど、それを確かめる術さえ持たない男を不幸だとは思わない。諦めることの出来ない男を、可哀そうな人間なのだとは思えない。正しいことはいつか理解してもらえると信じて闘った末の、冤罪による受刑者。30歳にしてなにもかもを失ってしまった堂野。それが、誰にも顧みられずに生きてきた喜多川の人生で初めて執着した相手。そこにあるのは絶望と渇望。生きていくことの残酷さと、小さな小さな希望。私が涙を流しているのは『悲しいから』ではないと思う。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    誰からも愛されなかった喜多川が堂野を放っておけなくて感謝の言葉を初めて言われて無償でも自分に居てくれる人が居ると気づいてから気づかなかった自分の飢えを堂野だけに求める姿は真っ直ぐすぎて痛々しすぎます。束の間の出会いともはや交わらないであろう道に涙する堂野と「・・・神様」と呟き、堂野の写真を見て子供のように笑う喜多川の描写と哀しい予感に涙が流れました。「脆弱な詐欺師」では受験時の資金関係で家族に迷惑をかけ、人を介さないと父と母が会話ができ無い程の家庭内別居状態の現状と被り、卑怯ながらも軽蔑できなかったです。

  • えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同) さん

    【課題図書】人生の明暗なんてどこでどう変わるのか予測もつかない。痴漢行為で実刑判決を受けた堂野。最後まで無実を主張し戦った果ての刑務所入り。堂野にとってのムショ暮らしとは墜落の末に辿り着いたまさに奈落の底。どん底で出会ったのは子どものように真っ直ぐに気持ちを投げつけてくる喜多川。乱暴だがその邪心のなさに荒みかけた心を救われる。「脆弱な詐欺師」から探偵・大野視点で語られる喜多川がもうどうしようもないほど痛々しい、そして愛しいと思う。

  • マッコリ さん

    文庫版も出たのでようやく積読崩し。いつも小説を読むときは一気に最後まで読むんだけどなんとなくもったいなくて数日かけてゆっくり読んでしまった。堂野の普通で真面目だからこその辛さや葛藤、喜多川の怖いくらいのまっすぐさ。二人ともズル賢さがない分もどかしくて切ない。続きの短編が第三者目線で書かれているのがニクいわー。探偵・大江のまさに「脆弱な詐欺師」っぷりにちょっとホッとしてしまった。一息いれて喜多川と堂野の再会を覗いてみようっと。あとがきがわりのSSがなんだか一番BLっぽかったな。こちらの二人も気になる(笑)

  • このん さん

    電車の中で痴漢に間違われた堂野。身の潔白を主張したばかりに服役する事になる。認めたら罪を軽くする、っておかしいよ。服役中に出会ったのが喜多川。好意を寄せられてることを知りつつ、出所後は普通に結婚して子供にも恵まれる。『檻の外』へ。

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人物・団体紹介

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木原音瀬

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。『箱の中』『美しいこと』をはじめとするボーイズラブ作品を多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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