朝日新聞横浜総局取材班

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相模原障害者殺傷事件 朝日文庫

朝日新聞横浜総局取材班

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022620118
ISBN 10 : 4022620110
フォーマット
出版社
発行年月
2020年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
376p;15

内容詳細

「クラスのリーダー的存在」「明るく社交的」―。2020年1月から計17回にわたって行われた裁判での証言や供述調書、記者との面会や関係者への独自取材で浮かび上がった、植松聖死刑囚の生い立ちや人物像とは?45人の死傷者を出した平成最悪の事件の真相に迫る。

目次 : 第1章 起源(小学校時代の作文/ 「クラスでリーダー的存在」 ほか)/ 第2章 面会(2017年2月28日(津久井警察署)/ 2018年10月4日(横浜拘置支所) ほか)/ 第3章 裁判(2020年1月8日 第1回公判/ 2020年1月10日 第2回公判 ほか)/ 第4章 判決(2020年3月2日(横浜拘置支所)/ 2020年3月11日(横浜拘置支所) ほか)/ 巻末資料(被告人質問の一問一答(抜粋)/ 判決)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • いっち さん

    相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件について。被告はその障害者施設の元職員だった。被告が衆議院議長にあてた手紙が載っている。手紙にある一文「私の目標は重度障害者の方が家庭内での生活、および社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です」に、否定できなかった。むしろ良いと思った。意思疎通できない重度障害者の保護者が同意したら、安楽死にできる。その権利はあってもいいと思った。しかし、被告がやったのは、障害者の殺人。保護者に同意を取ったわけでも、安楽死でもない。目標と手段が合っていない。

  • gtn さん

    「かっこよくなりたくて事件を起こした。かっこいいことがこの世で一番価値があるので」と取材記者に述べる植松。「正義」の下、自分の手で世の中を変えたかった男に、被害者家族がいくら怒りや苦悩をぶつけても甲斐ない。彼の妄信の形成過程を想像するに、幼い頃、障害者の同級生に優しかったのは、対象が少数だったからだろう。それが施設職員となり、対象が多数となった時、労りの存在から脅威の存在へと変化したのではないか。臆病者である。

  • イトノコ さん

    相模原事件を事件までの概要、面会、裁判、判決の4部構成で振り返る。/雨宮処凛「相模原事件・裁判傍聴記 」を直前に読んだので、真新しい感想はなし。しかしこの2冊を読む間に何度も「時間と金」という言葉を見た。植松被告は「時間と金を奪うものは存在してはならない」「そうした存在に愛情や幸せを感じるのは間違い」と説く。同様の生産性・効率至上主義は今の世間全体にある。しかし、時間と金は何かを得るためのものであり、人生の価値とはそれらの隙間にあるものではないか?そろそろ時間と金以外の価値観を創出すべき時ではなかろうか。

  • ゲオルギオ・ハーン さん

    タイトルにある通り『相模原障害者施設殺傷事件』を取り扱った本で、植松死刑囚との面会でメモした内容を中心に時系列でまとめている。取材班の太田次長は「どこにでもいる青年」と理解を示しているが、個人的にはやはり自分の価値観だけで他人を殺して良い、周囲の出来事を全て自分に都合が良く解釈して妄想を固めていったあたりに異常性を感じました。彼のことを気遣って忠告した方もいましたが、植松死刑囚は不機嫌な態度をとって自分の殻に閉じ籠り修正されることがなかったのは残念に思います。

  • mana さん

    裁判や面会でのやりとりが淡々と書かれている。丁寧に読んでみたが、植松の素顔、本音が分からない。単純に理解が及ばないという以上に、あまりにも浅く表面的な考えで、こんなことが起こってしまったのか?と…。虚しさのほうが大きい。植松は、本当に重度障害者を人間だと思っていない。ここまで強く主張され、差別発言を繰り返されるご遺族の心中を思うと本当に苦しい。植松の手記があれば、もう少し何かが掴めるかもしれないが…。 犯罪心理学や倫理学など、幅広い本から知識を得て、自分なりに考えていきたい。

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