奥羽越列藩同盟 東日本政府樹立の夢 中公新書

星亮一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121012357
ISBN 10 : 4121012356
フォーマット
出版社
発行年月
1995年03月
日本
追加情報
:
18cm,261p

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読書メーターレビュー

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  • skunk_c さん

    戊辰戦争の大きな局面について、史料を駆使し、様々な人物像に焦点を当てながら記述する。もとより一枚岩ではあり得なかった同盟であり、同一藩内でも意見の相違・対立もある中、さらには薩長の権謀術策もあり、複雑な様相をたどっている。したがって本書もすっきりとその歴史を書ききることはできていないが、史実自体が複雑なので仕方がない。むしろこの著者の文は格調が高い上読みやすく、どんどん読み進めることができた。当然東北諸藩を「賊軍」で片付けるような単純な視点を排しており、戊辰戦争を知るために避けて通れない良書と思う。

  • Cinejazz さん

    鳥羽伏見の戦い(1868年)に敗れた会津藩救済を目的に、仙台、米沢、会津、庄内、秋田、長岡諸藩の<奥羽越列藩同盟>がコ川幕藩体制の意地を賭け、長州閥政権に対抗する「東日本政府」の樹立を目指して戦った戊辰戦争の裏舞台に迫った著者渾身の労作。 敗者の歴史に刻まれた深い悲しみに思いを馳せながら、権力抗争に殉じた多くの御霊に哀惜の念を禁じ得ない。

  • NoControl さん

    列藩同盟が必ずしも時流に乗り遅れた頑迷な集団ではなく、世界を見聞し今後の日本の事を考えていた人材を少なからず抱えており、新式の武具も取り揃えていたことがわかる。また、同盟締結を可能とした外交力も備えていた。ただし薩長と比べたときに、同盟側の軍事的な指導力の不足(特に盟主の会津)は擁護のしようがなく、負けは既定路線に近いものだったのも事実。あと、若干引用資料に二次資料(市町村史とか)が多いのが気になるが。

  • 印度 洋一郎 さん

    戊辰戦争を敗者の側から見て、その当事者だった奥羽越列藩同盟の動きに注目した、維新裏面史。ただ、仙台藩、会津藩、米沢藩、庄内藩、長岡藩など雄藩の戦争指導者である参謀格の人々の群像に関する記述が多く、この同盟の全体像や戦争の経緯がイマイチ分かり難い。概ね時系列で記述されているのに、戦況よりも参謀達の動向へ記述の重心を置いているせいか、色んな人物が入れ換わり立ち替わり登場しているのも、読み難さに輪をかけている。これは著者の書きたいことに対して紙数が足らないのか、この同盟の複雑怪奇な実情を反映しているのか。

  • はちこう さん

    いわゆる「候(そうろう)文」が原文のまま記載されていて、これが慣れない自分には結構読み辛くて(解説も最小限、または解説が無い場合もあり)読み進めるのに手こずった。しかし、戊辰戦争といえば、長岡戦争や会津戦争が注目されがちだが、本書は東北の諸藩の中心人物に広くスポットを当てており、とても勉強になった。東北の積年の無念を晴らした原敬や、最後まで交戦し続けた会津藩士、佐川官兵衛のこと、長岡藩の小林虎三郎、三島億二郎のことなどをもっと知りたいと思った。これらの人物について、別の書籍を探してみよう。

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星亮一

1935年、仙台市生まれ。東北大学文学部国史学科卒。福島民報社記者、福島中央テレビ報道制作局長を経て、歴史作家。著書『奥羽越列藩同盟』(中公新書)第19回福島民報出版文化賞、会津藩の研究でNHK東北ふるさと賞を受賞、『国境の島・対馬のいま』(現代書館)で平成27年日本国際情報学会功労賞受賞。この間、

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