近代日本の医療と患者 学用患者の誕生

新村拓

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784588312137
ISBN 10 : 4588312138
フォーマット
出版社
発行年月
2016年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
新村拓 ,  
追加情報
:
20

内容詳細

医療の歴史が内包する大きなジレンマ。医学・医療の進歩、人類の福祉の名のもとに被験者とされた学用患者は、いつ、どのようにして生まれ。教育研究体制のなかに位置づけられたのか。近代日本の医学教育および病院医療システムの構築過程をたどり、医療環境の変化を追う。

目次 : 第1章 臨床医学と実験医学の統合(近代医学の成り立ちとその課題/ 学用患者を研究「材料」から研究協力者に転化させる装置/ 歴史にみる臨床重視の伝統と基礎医学研究の萌芽/ 免責される医療過誤)/ 第2章 近代医学教育体制の構築(解剖用屍体の確保/ 系統解剖および病体(病理)解剖の実地演習/ 全国的に高まった病体(病理)解剖の機運/ 屍体の所有権)/ 第3章 医学校と病院の再編(解剖用屍体の不足と経費減額に悩む医学校の統廃合/ 娼妓・貸座敷業者への賦金と病院の開設/ 私立病院増加の背景と世評/ 往診医に支えられた大正・昭和初期の在村医療/ 告知)/ 第4章 求められる施療 拒否される施療(貧民への施療を押しつけ合う官公立病院と開業医/ 行倒れ・乞食の救療と放逐にあたった巡査/ 公立病院を施療病院化することの是非/ 慈善事業から社会政策の時代へ/ 明治の医師の職業倫理)/ 第5章 学用患者の誕生(医学教育・研究「材料」として扱われた学用患者/ 学用患者システムを変えた公害・薬害患者)

【著者紹介】
新村拓 : 1946年静岡県生。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(早大)。京都府立医科大学教授、北里大学教授・副学長を経て、北里大学名誉教授。専攻、日本医療社会史。著書に、『古代医療官人制の研究』(1983年)、『日本医療社会史の研究』(85年)、『死と病と看護の社会史』(89年)、『老いと看取りの社会史』(91年)―以上の4書にてサントリー学芸賞を受賞(92年)。『日本仏教の医療史』(13年、矢数医史学賞を受賞。法政大学出版局)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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