文章読本さん江 ちくま文庫

斎藤美奈子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480424037
ISBN 10 : 4480424032
フォーマット
出版社
発行年月
2007年12月
日本
追加情報
:
15cm,366p

内容詳細

名だたる名文家が次々と名乗りを挙げ、叱ったり諭したり自慢したり(?)して文章をご指南くださる「文章読本」。そんなありがたい指南書が100年に亘り延々書き続けられたのはなぜか。大御所たちの思惑、「文章読本界」の抗争、そして国語・作文教育の変遷にまで切り込み、「文章読本」をめぐる悲喜劇を見事に描き出す。文庫化にあたりネット時代の文章読本について新規書き下ろし。小林秀雄賞受賞作。

目次 : 1 サムライの帝国(書く人の論理―文章読本というジャンル/ 静かな抗争―定番の文章読本を読む)/ 2 文章作法の陰謀(正論の迷宮―文章読本の内容/ 階層を生む装置―文章読本の形式/ 修行の現場―文章読本の読者)/ 3 作文教育の暴走(形式主義の時代―明治の作文教育/ 個性化への道―戦前の綴り方教育/ 豊かさの中で―戦後の作文教育)/ 4 下々の逆襲(スタイルの変容―文章読本の沿革/ 様々なる衣装―文章読本の行方)

【著者紹介】
斎藤美奈子 : 1956年新潟生まれ。児童書等の編集者を経て94年『妊娠小説』でデビュー。以後、雑誌新聞等で文芸評論家として活躍。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Gotoran さん

    鋭い切り口で痛快に評論することで定評のある文芸評論家の著者が、谷崎潤一郎に始まった幾多の著者の『文章読本』の流れをカテゴライズして、日本の作文教育、明治からの国語教育の変遷・歴史を辿って評論を加えていく。他著作でも見られる、いつものミナコ節が炸裂している。鋭い視点からの論評が心地よい。第一回小林秀雄賞受賞作と云う本作品を興味深く読むことが出来た。また巻末の引用文献・参考文献をもとに、幾つかの『文章読本』を読んでみたい。

  • おさむ さん

    明治時代以来、巷にあふれる文章読本を完膚なきまでにぶちのめす凄い本(笑)。内容や形式分析のほか、作文教育の変遷など徹底的に日本人の文章論を検証します。結論は「全ては自慢話」といったところでしょうか。ネット社会の最近はあまりこの手の読本、見かけなくなりましたね。小林秀雄賞受賞作。

  • chiseiok さん

    積読整理中に発掘、そのまま読みはじめる。…これが面白い!文章読本というジャンルがこんなにもディープだったとは。導入部はまるで昔のTV『カノッサの屈辱』(あれ知らないかなw)。やがて明治の頃の綴り方教育まで遡って現代に至るまでの、思いのほか緻密な分析解説。でも程よい毒とユーモアを含んだ褒め貶しで飽きさせない。上手いですなあ。筒井康隆御大が『創作の極意と掟 』の中で本作についてちらっと触れていて、こんな本があるから創作読本はやりづらい、斎藤美奈子に何言われるかわかんねーからなぁ…とぼやいていたのを思い出した。

  • shoko さん

    一言で言うと文章読本というジャンルをこきおろしている批評。構成として、@「文章読本」というジャンル解説、A日本の作文教育の歴史、B日本の学校の作文文化に対するアンチテーゼとしての文章読本、で成り立つ。著者のものすごい読書量に圧倒され、文章読本を歴史的経緯に紐づけて解剖する批評手腕があっぱれだった。/個人的収穫は今に至る作文教育の歴史に触れられたこと。日本の作文の系譜が「過度に形式的・規範的な書き言葉の文章」or「情緒的で随筆/私小説的な文章」の二つであることは、極めて日本らしいと思ってしまった。

  • k sato さん

    明治から2001年までに発刊された幾多の文章ハウツー本、いわゆる「文章読本」に対する辛辣な考察。文章の大衆化や文章体の変遷、文章読本の特色を自由闊達に語る。竹を割ったように鋭く垂直に切り込む批評スタイルは気持ちがいい。小難しい文章読本に振り回されている文章初心者の苦労を代弁している。例えば、文章読本の登竜門である谷崎純一郎の文章読本は、「人騒がせな本」とバッサリ。「いばるな文章読本、くたばれ文章読本」と一刀両断。読書感想文の発明、パソコンの出現に対しても、斬捨御免。文章って、時代を反映する。生き物みたい。

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人物・団体紹介

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斎藤美奈子

1956年、新潟県生まれ。文芸評論家。1994年、文芸評論『妊娠小説』でデビュー。2002年、『文章読本さん江』で第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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