鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

文藝春秋編集部

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163917009
ISBN 10 : 4163917004
フォーマット
出版社
発行年月
2023年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
480p;20

内容詳細

“全身脚本家”驚愕の真実。『羅生門』『七人の侍』『私は貝になりたい』『砂の器』『八甲田山』『幻の湖』…秘話満載!日本映画史に輝く傑作、怪作はどう生まれたか?決定版評伝。

目次 : 1 山の章/ 2 藪の章―『羅生門』/ 3 明の章―『生きる』『七人の侍』/ 4 離の章―『蜘蛛巣城』『夜の鼓』『女殺し油地獄』『風林火山』/ 5 裁の章―『真昼の暗黒』『私は貝になりたい』/ 6 冴の章―『切腹』『仇討』『侍』『日本のいちばん長い日』『上意討ち』『首』/ 7 血の章―『張込み』『ゼロの焦点』『人斬り』『黒い画集 あるサラリーマンの証言』『砂の器』/ “特別インタビュー”山田洋次の語る、師・橋本忍との日々/ 8 計の章―『人間革命』/ 9 雪の章―『八甲田山』/ 10 犬の章―『八つ墓村』『幻の湖』/ 11 鬼の章―『愛の陽炎』『旅路 村でいちばんの首吊りの木』『鉄砲とキリスト』『天武の夢』

【著者紹介】
春日太一 : 1977年、東京都生まれ。時代劇・映画史研究家。日本大学大学院博士後期課程修了(芸術学博士)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    戦争や武士道、権力抗争に組織など、橋本忍は日本社会の不条理と戦って敗れる群像を描く社会派の脚本を書かせては右に出る者はいなかった。しかし当人には政治批判の意識はなく、金と名誉と競輪が大好きで、プロダクション経営や著作権問題で高い見識を持つ矛盾の塊だった。それでも戦後最大の脚本家とされたのは、原作をろくに読まずとも「生血」を抽出し、隙のない構成で運命に翻弄される人びとのドラマを組み立てる強引な腕力があったからだ。父子の旅や吹雪に埋もれる兵士、大名家に反逆する浪人らの姿は映画ファンの記憶から消えることはない。

  • 修一朗 さん

    原作の一行をとことん膨らませて’砂の器’のあのラストを手掛けたり,短編をつないで’羅生門’を作り上げたりと橋本忍の伝説は驚くことばかりだ。自分なんて映画が先だった方なので,芥川龍之介の’藪の中’読んで[ん?これ,羅生門じゃん?]っていう意外感をよく憶えている。映画作品だけ見て芸術志向で社会派の脚本家なんだなと思っていたら,こんな世俗的で計算して創り上げたものだったとは。競輪の穴埋めに脚本書いてあの出来栄えだなんてしてやられた感だ。才能なんだな。それにしても面白かった。残してくれた春日太一さんに感謝だ。

  • kaoru さん

    日本一の脚本家と呼ばれ2018年に百歳で逝去した橋本忍。『七人の侍』『砂の器』『切腹』『八甲田山』等日本映画史に残る傑作の脚本を書いた巨匠を12年かけて取材した著。興行師を父に持ち、文楽を愛し、経理畑出身の数字を重んじる合理性がありつつ競輪にのめり込むギャンブル好きという側面も。「映画というのは内側にある強烈な流れが直線方向に進む傾向がある」宣伝にも緻密な作戦を立て、手がけた作品がことごとくヒットした黄金時代。しかし監督にも挑んだ前衛的な『幻の湖』が失敗に終わり,彼の感覚は次第に時代から乖離していく。

  • どんぐり さん

    『羅生門』『生きる』『七人の侍』の脚本を書いた橋本忍(1918-2018)の評伝。この3作品は脚本家の橋本がいて成立した作品。当時、全ての賞賛が映画監督の黒澤に向かい、誰も彼の存在に見向きもしなかった。その後、橋本は黒澤と決別し、『切腹』『日本のいちばん長い日』『砂の器』『八甲田山』『八つ墓村』などヒット作を連発する。寅さんシリーズの山田洋次が橋本忍を師と仰ぎ、「極めて構成的な脚本を書く人」と言って評価する。橋本語録にシナリオの重要な要素は、「伝えたいことの7分くらいにとどめて、次のシーンへ送る。→

  • fwhd8325 さん

    読もうか読まないでいようか、迷っていました。橋本忍は、脚本家としての存在が圧倒的でそれは揺るぎないものですが、この著書でも大きくページを割いている「幻の湖」という作品に良い印象を持てないでいるからです。最近では評価する声もあるようですが、監督をしなければならなかったのが引っかかっていました。しかし、それもここで解消しました。今度は、残りわずかなのになかなかページがすすみませんでした。最後をどう描くのか、それが怖かった。これでよかったのかもしれません。春日さんの筆は橋本忍の執念を描ききったように感じます。

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