日本犬の誕生 純血と選別の日本近代史

志村真幸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784585221722
ISBN 10 : 4585221727
フォーマット
出版社
発行年月
2017年03月
日本
追加情報
:
230p;20

内容詳細

「絶滅危機にある日本犬を守らねばならない」日本固有の犬種の保護・飼育を目指して発足した平岩米吉らの日本犬保存会。彼らは、真正なる「日本犬」の姿を追い求め、淵源を探り、7つの犬種を天然記念物に指定することで、純血種の保存をはかっていった。しかし、そこには排除と選択の論理のなかで創り出された「日本犬」の姿があった。近代化、国民国家形成、動物保護、戦争…博物学者・南方熊楠と平岩との対話を起点に、時代に翻弄され、淵源と純血を求められ続けた犬たちをめぐる言説をたどり、日本近代史の裏側を照らし出す。

目次 : 序章/ 第1章 ニホンオオカミは「いつ」絶滅したのか?―平岩米吉と南方熊楠/ 第2章 ジャッカルと日本犬―犬の祖先をめぐる問題/ 第3章 「日本犬」の姿を求めて―近世以前の日本犬/ 第4章 明治期日本の犬たち―洋犬の導入と日本犬の衰退/ 第5章 日本犬保存会と天然記念物―甲斐犬の指定を中心に/ 第6章 昭和初期日本犬の検討―猟犬、使役犬、番犬、愛玩犬/ 第7章 狆と高安犬―日本犬から外された犬/ 第8章 日本犬と戦争―立憲政友会と軍用犬

【著者紹介】
志村真幸 : 1977年、神奈川県生まれ。2000年、慶応義塾大学文学部卒。2007年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は南方熊楠研究。とくに歴史学の立場から、南方熊楠を近代世界のなかに位置づけ、また動物との関わりを明らかにすることを目指している。南方熊楠研究会運営委員、京都外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • イボンヌ さん

    いわゆる日本犬は明治期以降に創られた事が分かりました。ペットとして犬を買ったり飼ったりするのは最近の事だったのですね。そして、日本犬の誕生にナショナリズムも絡んでいたとは!

  • kenitirokikuti さん

    ラノベ論の純血志向について考えていたところ、類似先行するものをこの本に見た。〈日本犬の純血種は排除の論理にて作出された。すなわち、犬種レベルでは狆や土佐犬、そして個体レベルでは雑種を取り除いていった残りが、「本物の日本犬」…「原種」のもつ原始性や精神性こそが日本的とされてゆく〉▲明治三十三年、皇太子と九条節子の結婚を記念して大館犬(秋田)が献上された。大正に日本犬保存会が設立(立憲政友会に近しい)。昭和6年、秋田犬が日本犬初の天然記念物指定。翌年、ハチ公。しかし、日本犬は軍用犬には向かず

  • ホンドテン さん

    図書館で、戌年だから。南方熊楠研究者による(個人的に、あの)平岩らを中心とした日本犬保存会の和犬の天然記念物指定運動などを支えた「日本犬」の範疇をめぐる言説の批判的研究。よって和犬が何なのか「わかる」本でもなく、絶滅するような狼がいたかどうかさえ疑問符がつき隔靴掻痒の感。熊楠はジャッカル起源説、平岩も狼起源に疑問だが、この狼起源説はまだ健在に思える。起源も不明瞭な和犬の純血保存に無理があるのは当然で精神性ばかり強調した基準が政治的力関係の上でまかり通る・・・。銀座を狼と闊歩するとは、爽快な挿話。

  • takao さん

    日本犬の純血を保つ動きは昭和から

  • ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね さん

    「日本犬」を決めるにあたっては、随分と恣意的な力が働いようだが、歴史が浅い分、品種にさほど手が入らなかったという面もあるんではなかろうか。軍用犬に向かなかったという点は、ちょっとばかり微笑ましくもある。

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志村真幸

1977生まれ。慶應義塾大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。南方熊楠顕彰会常任理事。専門は比較文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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