地中海世界 ギリシア・ローマの歴史 講談社学術文庫

弓削達

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065183441
ISBN 10 : 4065183448
フォーマット
出版社
発行年月
2020年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
弓削達 ,  
追加情報
:
216p;15

内容詳細

キリスト教的東西ヨーロッパ文明も、イスラム的西アジア文明も、地中海世界を母胎とし、その崩壊と転成の中から生まれた。紀元前二千年紀のミケーネ文明から、アテネとスパルタが覇権を争ったペロポネソス戦争を経て、異民族を巧みに支配したローマ帝国の興隆と没落まで、二〇〇〇年の歴史を一貫した大きな視座から追究する意欲作。

目次 : 第1章 地中海世界に何を問うか/ 第2章 東地中海世界と古典ギリシア/ 第3章 ギリシア=ポリスの成立/ 第4章 ポリスの発展と衰退/ 第5章 ローマの発展/ 第6章 ローマ帝国の支配構造/ 第7章 ローマ帝国の支配のイデオロギー/ 第8章 ローマ帝国の衰亡

【著者紹介】
弓削達 : 1924年、東京生まれ。東京商科大学(現・一橋大学)卒業。東京大学教養学部教授、フェリス女学院大学学長等を歴任。2006年没。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • HANA さん

    ギリシア以前ミケーネ文明から、ギリシアを経てローマ衰亡までを通史として描いた一冊。中心となっているテーマは、共通するような政治形態を採っているにも関わらず何故ギリシアは衰えローマは発展したのか。そのため頁数の割には扱う範囲が広いように思えたが、歴史と社会制度のみに焦点を当てている為に私のような初心者にも非常に読みやすくなっている。その流れとして漠然とポリスという単語を知っているくらいな身としては、各文明がどのように時代に合わせて変化していったか興味深く読めた。何より通史として楽しめるのも大きいなあ。

  • TS10 さん

    共同体の分解と統合の観点から書かれた、ローマ史碩学によるギリシア・ローマ史の通史。オリエントとは異なって灌漑を用いない農業は、平等の原理に基づくギリシア世界を形成したが、共同体成員の資格を排外的に制限したことは、流通経済の発達によりもたらされた格差拡大とそれに伴う共同体の分解を避けられないものとした。一方、ローマにおいては、征服した共同体の支配層と植民都市とをローマ市民権を媒介にローマ共同体に統合し、帝国を形成した。やがて、「内乱の一世紀」を経て、皇帝と官僚及び軍隊にのみ支配層は制限され、アントニヌス勅令

  • mahiro さん

    ギリシァ文明からローマ帝国の興亡までダイジェスト的に流した感じだが、ローマが巨大帝国になり維持のため制度に矛盾が生じ、外圧内憂により分裂崩壊して後、ヨーロッパやアラブ、スラブ文明世界の苗床になる過程がダイジェスト故にとてもわかりやすく読めると思う。

  • あんどう れおん さん

    「ギリシャとローマ」の併記ではなく「ギリシャ・ローマ」の連続した叙述を目指す意欲作。効率よく概観するためか、定義の不明な固有名詞も散見されます。一流の専門家による書物であることはよく分かりましたが、著者自らが「まえがき」で推奨した気楽な読み方ができるかどうかは疑問だと感じました。

  • かわかみ さん

    1973年に刊行され2020年に復刻された歴史書だが名著だと思った。ギリシャとローマを併せて地中海世界の歴史を俯瞰している。共同体の維持と変容に視座をおいて、ギリシャのポリスの崩壊とローマ帝国の発展の分岐点を解説している。また、古典古代世界の主要な生産関係が奴隷制だったというマルクスの思い込みが事実とは言えなかったことを指摘する。さらにローマでキリスト教が当初は禁止・弾圧され、後に帝国の国教とされた背景の論理についても解説している。高校生には難しいかも知れないが世界史の参考図書としても有益である。

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