白楽天 官と隠のはざまで 岩波新書

川合康三

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784004312284
ISBN 10 : 4004312280
フォーマット
出版社
発行年月
2010年01月
日本
追加情報
:
18cm,216p

内容詳細

庶民の苦しみをうたう諷喩詩、身近な言葉で日常の歓びをうたう閑適詩、そしてまた玄宗・楊貴妃の愛を高らかにうたいあげる唐の大詩人・白楽天。その多様な姿を、官人としての生涯を辿りながら鮮やかに読み解く。

【著者紹介】
川合康三 : 1948年浜松市生まれ。1976年京都大学大学院博士課程中退、博士(文学)。東北大学文学部を経て、京都大学大学院文学研究科教授。専攻は中国古典文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    『長恨歌』は読んでいたし、『白氏文集』が日本の、ことに『源氏物語』をはじめとした王朝文学に絶大な影響を与えたことも知ってはいた。それでは、翻って白楽天その人は、というと実はこれまでほとんど知らなかったということが本書を読んで初めて知らされたような次第。彼が科挙の合格に始まって、多少の浮き沈みはあったものの、ほぼ順風なといってよい官吏生活を送ったこと、『長恨歌』が生涯畢生の大作という訳ではなく、存外に若い時(35歳)の作品であったことも知った。また、『長恨歌』のネガ版ともいうべき「上陽白髪の人」なども秀逸。

  • KAZOO さん

    白楽天の生涯を描いています。李白や欧陽脩などほかの詩人や文章家とは異なって、官僚としても成功したまれな詩人ということで75歳という当時の長い寿命を全うしたということです。その生涯においての時々の詩なども同時に掲載してくれて今まで詩でしか知らなかった彼の生涯がよくわかりました。

  • Mijas さん

    白楽天の詩の中では、悲劇の女性を物語化した「長恨歌」「琵琶行」が好きで何度読んだか知れない。その魅力の源泉がどこにあるのか本書で知ることができた。また白楽天の人となりも好きになった。印象的だったのは、左遷された時に正反対の2首を書いていること。どちらも白楽天の本心なのだろう。「現実をしなやかに受け止めながら希望に向かう。」「身は官に置きながら心は山林の自由を求める。」白楽天は、現実には幸福ではなかったが、幸福を掬いとり「よろこびの感情」を詩にすることで精神のバランスを保っていた。人間らしい一面に共感した。

  • そり さん

    流れるままに身を任せていると無常に浸ってしまうことがある。ならば僕の場合、喜びは掬いとるのがいいのだろう。白楽天は人間を肯定する選択を重ねている。齢三十になれば、今がほど良きと言い。齢六十になれば、また、今がほど良きと言う。緩いようで、これを平然と言ってのけるたくましさよ。友情とて、同心の友、とたびたび友人のことをうたい。友情の自覚と持続を促しているようにも捉えられる。その創作のなかに、日だまりのような心地よい暖かさをつくれる人がいるように感じる。憧れる。いくらか彼の詩を覚え、胸に残しておきたい。

  • さとうしん さん

    白楽天の生涯をその詩作とともに辿るという趣向だが、詩で唐のことを漢に置き換えるのは、政治的な憚りというよりは文学的な技法という指摘であるとか、宋代の白楽天の評価の変化、従来乏しいとされてきた中国での叙事詩の系譜、元稹との絡みからの友情の文学の成立など、白楽天周辺の議論がなかなか面白い。

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