韓国の米軍慰安婦はなぜ生まれたのか 「中立派」文化人類学者による告発と弁明

崔吉城

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784892959905
ISBN 10 : 4892959901
フォーマット
出版社
発行年月
2014年12月
日本
追加情報
:
205p;19

内容詳細

韓国に日本を責める資格があるのか?

「従軍慰安婦」を捏造し、「強制」がなくても
「人権」が問題と強弁する韓国がひた隠す性事情


朝鮮戦争で国連軍は平和軍であり、共産化、赤化から民主主義を守って
くれる天使のような軍と思われていた。しかし私の故郷である村で、
韓国民にとって味方であるはずの国連軍によって行われた婦女暴行は
凄惨を極めた……

国連軍と韓国軍に翻弄される小さな村
戦争時頻発した性暴力と、力無き民衆の悲劇
朝鮮戦争時に故郷が売春村に

「戦時中の性」と「平和時の性」の違いが抱える問題点
韓国政府とメディア、進歩的文化人の矛盾を突く

韓国メディアから「親日派」と猛バッシングを受けた
文化人類学者が赤裸々に綴る

日本軍慰安所の実態を民間朝鮮人の目から描いた歴史的資料
『日本軍慰安所管理人の日記』の読み解き方


【本書より抜粋】

本書のテーマは「韓国人」と「性=セックス」についてである。
私のセックスに関する考え方の原点は、一九五〇年に起きた朝鮮戦争での体験である。
当時私は十歳であった。

朝鮮戦争で国連軍は平和軍であり、共産化、赤化から民主主義を守ってくれる天使のような軍と思われていた。
しかし私の故郷の村で、韓国民にとって味方であるはずの国連軍によって行われた婦女暴行は凄惨を極めた。

最初、村人たちはみんな手を振って、背の高いスマートな兵士たちを歓迎した。
車などこれまで見たこともない村人にとって、大きな部隊が来て、ジープがたくさん来るだけでも大喜びだった。

さらに、ろくな食べ物も食べてないところへ、彼らはチョコレートやドロップ、ビスケットをバラまくもの
だからたまったものではない。彼らから配給された缶詰なども腹いっぱい食べ、村人たちの兵士に対する
好感度は日に日に高まった。しかし残念なことに、そういう期間は非常に短かった。

彼らは村人たちが危惧していた通り、間もなく女性たちを略奪しはじめた。
ある結婚したばかりの女性は、畑に肥やしをやっているところを兵士にジープで連れて行かれた。
彼女は一か月近く行方不明になっていて、ある日、同じ場所にジープから下ろされて村に帰ってきた。
米兵たちは軍用犬のシェパードを連れてきて探す。女たちは積んである藁の中に隠れたりするが、
たちまち犬に見つけられてしまう。

襲われるのは若い女性だけではなかった。お婆さんと一緒にサツマイモ畑で仕事中の十一歳の少年も
性暴行を受けた。そばでお婆さんが大声で泣いているのに、平気でそういうことをやっていた。

そのような危機の期間は長くて二か月くらいの期間にすぎなかった。なぜなら村に売春婦たちが入ることに
よって、性暴行がなくなったからである。儒教的な倫理観が強いその村では、それまで売春婦を置くこと
など許されなかったが、戦争という不可抗力と、性暴力の恐怖によって、住民たちは売春婦を認めざるを
得なかったのである。

これが、慰安婦問題を論じる上で、日韓両国そして国際社会が避けて通れない「米軍慰安婦」の成り立ちである。

しかし、それについて韓国国内で論じることは長きにわたってタブーとされた。
私は呉善花氏と対談した本の中で、国連軍によって私の故郷の村が恐ろしい性暴力を受け、それを防衛する
ために売春村になったことを語った。これに対し、韓国国内から肯定的な反応は全くなかったどころか、
韓国のテレビ局などから、容赦のないバッシングを受けることとなった。

いま日韓において不和の火種になっている問題として、いわゆる「従軍慰安婦」がある。
最悪の日韓関係の中で、反日や嫌韓などの書物が氾濫しており「従軍慰安婦」に関するものも多い。
戦争にはセックスが付きものであるという否定できない事情はあるわけだが、旧日本軍については、
朝日新聞の誤報により国際的に「性奴隷」として批判されている。

韓国政府は常にセックスや性倫理を政治に利用しており、今問題になっている慰安婦問題もそのような
類に過ぎない。

本書は、性と政治が深く関わっている韓国社会を理解するために、書き下ろしたものである。

[著者紹介]
崔 吉城(チェ キルソン)
東亜大学人間科学部教授、広島大学名誉教授、東アジア文化研究所所長
1940年6月17日 韓国京畿道楊州に生まれる
1963年8月 国立ソウル大学師範学部国語教育学科卒業
1985年3月 筑波大学文学博士
専攻は文化人類学
著書に『韓国のシャーマン』福留範昭・訳(国文社)、『韓国のシャーマニズム』(弘文堂)、
『韓国の祖先崇拝』重松真由美・訳(御茶の水書房)、『恨の人類学』真鍋祐子・訳(平河出版)、
『韓国民族への招待』(風響社)、『これでは困る韓国:ニューカマー韓国人との対話』呉善花・共著(三交社)、
『親日と反日の文化人類学』(明石書店)、『哭きの文化人類学:もう一つの韓国文化論』舘野皙・訳(勉誠出版)、
『樺太朝鮮人の悲劇:サハリン朝鮮人の現在』(第一書房)、『映像が語る植民地朝鮮』(民俗苑)、
『雀様が語る日本』(新典社)がある。

【著者紹介】
崔吉城 : 東亜大学人間科学部教授、広島大学名誉教授、東アジア文化研究所所長。1940年6月17日韓国京畿道楊州に生まれる。1963年8月国立ソウル大学師範学部国語教育学科卒業。1985年3月筑波大学文学博士。専攻は文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • 軍縮地球市民shinshin さん

    割に雑駁に論じられているが、面白いと思ったのは第1章と最終の第6章。著者の朝鮮戦争体験の回想である。1940年生まれとのことで、終戦時5歳、朝鮮戦争時は10歳だったわけだ。突如朝鮮人民軍が韓国に侵攻し著者たち家族は父親を残して南に逃げるが、しばらくして故郷の村に戻る。そうしたら朝鮮人民軍によって占領されていた。三ヶ月後に国連軍の反撃によって韓国統治に戻り、しばらくしたら中国軍義勇兵が侵攻して村を占領。共産党兵士が一番礼儀正しかったと著者は回想するが、彼らは武器をほとんど持っていなかったという。

  • kenitirokikuti さん

    著者は1940年京畿道の出身。ソウルではなく、農村の生まれ。児童期に朝鮮戦争を体験。北朝鮮軍、中共軍、韓国軍、米軍、と目まぐるしく村の支配者が変わる。当時、規律があったのは中共軍だったそうである。韓国軍は同胞なんじゃないかな、と思っていたのだけど、村はいちど北朝鮮軍に占拠されたし、村に共産党のシンパもいたし、ということで逆に苛烈な共産党スパイ狩りが行われたそうである。無惨である。朝鮮の農村では他の村から嫁を取るため、こういったときには逆にレイプが横行しやすいようである。

  • hideko さん

    戦争が何を生むのかが解る。国家が利用する物も。自分で考えられる人でありたい。

  • yomihajime さん

    著者の実体験から日本軍慰安婦、米軍慰安婦の存在と実態に迫り、リアリティを持つ内容。今日韓でで事実とどう向き合うかが問われているが韓国側の事実より正しいか正しくないかの論には日本は違和感を感じざるを得ない。こうした著書が恐らく韓国では出版されることはないだろうが、ぜひ韓国の方々にも読んで欲しい作品である。

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崔吉城

1940年韓国生まれ。韓国系日本人の社会人類学者。東亜大学教授、広島大学名誉教授。2018年、『慰安婦の真実』(ハート出版・2017)で国家基本問題研究所・日本研究賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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