医療政策を問いなおす 国民皆保険の将来 ちくま新書

島崎謙治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480068637
ISBN 10 : 4480068635
フォーマット
出版社
発行年月
2015年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
272p;18

内容詳細

地域医療構想の策定や在宅医療・地域包括ケアの推進など医療制度改革が矢継ぎ早に進められている。そして2018年には、次期医療計画や医療費適正化計画の策定、改正国民健康保険法の施行、診療報酬と介護報酬の同時改定など、一連の改革が結節する。そうしたなかで、国民皆保険を堅持するために、今、我々は何をなすべきなのか。医療政策の理論と実務に通暁した著者は、国民皆保険の構造の考察や人口構造の変容の分析を行い、わが国の医療政策のあるべき方向性と道筋を明快に展望する。医療問題に関心をもつ人すべてにとって必読の1冊。

目次 : 序章 問題の所在/ 第1章 日本の国民皆保険の構造と意義/ 第2章 歴史から得られる教訓と示唆/ 第3章 近未来の人口構造の変容/ 第4章 人口構造の変容が医療制度に及ぼす影響/ 第5章 医療政策の理念・課題・手法/ 第6章 医療提供体制をめぐる課題と展望/ 第7章 医療保険制度をめぐる政策選択/ 終章 結論と課題

【著者紹介】
島崎謙治 : 1954年生まれ。政策研究大学院大学教授。東京大学教養学部卒業後、厚生省(当時)入省。千葉大学法経学部助教授、厚生労働省保険局保険課長、国立社会保障・人口問題研究所副所長、東京大学大学院法学政治学研究科附属比較法政国際センター客員教授等を経て、2007年から現職。2013年から医療政策コースディレクター。博士(商学)。社会保障審議会専門委員。独立行政法人長野県立病院機構理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • カピバラKS さん

    《再読》●日本の医療政策を医療提供制度と医療財政制度の両面から概説する。●特に学びを得た箇所は以下のとおり。外国人労働力の何が問題か[P101]、日本人が将来に不安を抱くのはなぜか[P106]、終末期医療のあり方に医療経済論をどう位置づけるか[P118]、社会保障や医療は経済成長の足枷か[P124]、地域包括ケアと在宅医療の違いは何か[P160]、持続可能性とは[P208]、国保都道府県単位化の真の狙いとは[P229]。●悪者の存在や詐術的な楽観論を語らない良書である。

  • カピバラKS さん

    ●主に医療経済を論ずる。医療は経済成長の足枷なのか、それとも成長牽引産業なのか。終末期医療をどうするのか。医療介護の人材不足を外国人労働者で補うことはできるのかなど、様々な問題を左右に偏らない見方で論考する。●好著であり、医療政策の選択は人気投票のように簡単ではなく、国民のギリギリの選択によるものと痛感させられる。●とはいえ、民間医療機関の強い政治力や、公立病院は民間医療機関の嫌がる儲からない患者を診ているといった現場の実情を直視せず、綺麗事に過ぎるところが惜しい。

  • ステビア さん

    経歴見てみたら元保険課長。どうりで厚労省寄りの主張な訳だ。リバタリアンからすると「国民皆保険を堅持する必要がある」という前提が疑わしい。

  • awe さん

    元厚生系厚労官僚(元保険局保健課長)による政策提言の書。想像していた以上に濃い内容で非常に勉強になった。山のように論点が提示されており、むしろ新書というサイズはかなり窮屈な印象さえ受ける。◆これは『教養としての社会保障』でも触れられていたが、1960年代〜1970年代にかけて日本の国民皆保険が整備されていったのは、豊富な労働力供給や経済成長、医療人材の確保が容易であったことなど、好条件が揃っていたからである。逆に言えば、現在はこうした好条件は存在せず、制度としての国民皆保険は危機に瀕している。

  • hurosinki さん

    医療制度の抱える課題、求められる政策を論じる。最近の国試に出てる地域医療構想、地域包括ケアが気になる人は6章冒頭を斜め読みするとよい。最近の政策(医師の働き方改革など)について知りたい方は著者の『日本の医療―制度と政策(増補改訂版)』を読むとよい。医療提供体制(デリバリー)に関わる政策は『医療供給政策の政策過程』に詳しい(大学図書館にある)。少子高齢化の影響に関する著者の危機意識が過剰と感じる人は、権丈氏の『ちょっと気になる社会保障』第1章を読んでバランスを取ると良いかもしれない(これも大学図書館にある)

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