破戒 岩波文庫

島崎藤村

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003102329
ISBN 10 : 4003102320
フォーマット
出版社
発行年月
2002年10月
日本
追加情報
:
15cm,440p

内容詳細

新しい思想を持ち、人間主義の教育によって不合理な社会を変えて行こうとする被差別部落出身の小学校教師瀬川丑松は、ついに父の戒めを破って自らの出自を告白する。丑松の烈しい苦悩を通して、藤村は四民平等は名目だけの明治文明に鋭く迫る。

(「BOOK」データベースより)

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日本の近代文学黎明期の代表作の一つ。 舞...

投稿日:2019/01/13 (日)

日本の近代文学黎明期の代表作の一つ。 舞台は明治後期。被差別部落出身の教員瀬川丑松は、身分を隠すように父からの戒めを守り続けていた。しかし、解放運動家の猪子蓮太郎の生きざまに心が揺さぶられ、自らの出自を告白する…。 文章は、現代人が読んでも抵抗がない。被差別部落の扱い方の評価は微妙だが、一つの文学作品として見た時に、一定の完成度を備えていることは間違いない。同じ年に発表された小栗風葉の『青春』の方が同時代には売れていたが、漱石などは『破戒』を高くかっている。『青春』が忘れられた作品であることを考えると、同時代に受け入れられることが、その作品の文学生命を保障するものではないことがよく分かる。本作は、今もある種のみずみずしさを保っている。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 川越読書旅団 さん

    自身の出自を隠す事で、教育者として世間からの少なからぬ評価を受ける現実。その胸に去来する罪悪感、薄氷を踏む思い、社会に対する憎悪、そして焦燥、自然主義文学を象徴する見事なまでの情景描写を通じ、藤村自身の文学人としての思いを赤裸々に伝える近代文学作品の金字塔。

  • カブトムシ さん

    書きおろしで、明治39年3月自費出版。未解放部落出身の青年教師瀬川丑松は、生まれを「隠せ」という父の戒めを守って生きてきた。しかし、先輩の思想家猪子蓮太郎の孤独な戦いを知り、老朽教師の風間敬之進の娘お志保の薄幸な身の上にも心を痛める。社会の不合理と不正を糾弾し、テロに倒れた蓮太郎の死を見て、告白を決意をする。生徒の前で秘密を打ち明けた丑松は、テキサスに新天地を求めて旅立つ。出発の日、生徒たちに交じって見送るお志保は、いつか丑松の妻となるべきひとだった。市川雷蔵主演の映画があった。猪子を三國連太郎が演じた。

  • カブトムシ さん

    私は文学史を勉強してます。恥ずかしながら島崎藤村の「破戒」は、活字で読んでません。本は所有しています。映画の「破戒」は、2度ほど見た記憶があります。市川雷蔵主演の映画でした。「千曲川のスケッチ」や「夜明け前」もダイジェストの朗読テープを聴いています。映画だけ見た作品も多いです。谷崎潤一郎の「卍」や「鍵」などです。活字と映画の両方を見て、思い出深いのは、「細雪」です。太宰治の原作の映画は、活字も読み映画も見ています。人気がないと、映画にはなりません。太宰の作品は、今でも活字で読まれ続けているのは、凄いです。

  • シュラフ さん

    「丑松も今が一番危え時だ〜なかなか他人の中へ突出されて、内面を見透かされねえように遂行げるのは容易じゃねえ〜下手に学問なぞをして、つまらねえ思想を起こさなければいいが・・・」(丑松の父の言葉)穢多・非人問題を扱った社会小説であるが、丑松と仲間らの青春小説の読み方もできるし、(出番はないのだが)丑松と父親の親子小説といった読み方もできると思う。『隠せ』という言葉は、ただ息子の幸せを願っての戒め。穢多であるが故の他人に言えぬ苦労をした父親が、社会に出たばかりの息子のことを心配する心情がよく伝わってくる。

  • 若布酒まちゃひこ/びんた さん

    自然主義文学というか、いかんせんこの類の小説はむかしから苦手で、歳をとれば読めるようになるだろうとおもっていたけれど、まだぼくにとって興味深く読めるものではなかった。

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人物・団体紹介

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島崎藤村

1872〜1943。詩人、小説家。詩集『若菜集』を発表後、小説家へ転身。教職を辞し、執筆した長編『破戒』は夏目漱石らの激賞を受け、自然主義文学の旗手として注目された。日本ペンクラブ初代会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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