音楽の危機 『第九』が歌えなくなった日 中公新書

岡田暁生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121026064
ISBN 10 : 4121026063
フォーマット
出版社
発行年月
2020年09月
日本
追加情報
:
235p;18

内容詳細

コロナ禍による演奏機会の激減で、かつてない窮地を迎える音楽の現場。私たちが愛した文化のゆくえは。その最前線と未来を見つめる。

【著者紹介】
岡田暁生 : 1960年(昭和35年)、京都市に生まれる。大阪大学大学院博士課程単位取得退学。大阪大学文学部助手、神戸大学発達科学部助教授を経て、京都大学人文科学研究所教授。文学博士。著書『オペラの運命』(中公新書・サントリー学芸賞受賞)、『ピアニストになりたい!』(春秋社・芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、『音楽の聴き方』(中公新書・吉田秀和賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    コロナ禍での多くの芸術家の受難に胸を痛めつつも、その中で私が違和感を覚えた風潮を、岡田先生は鋭く指摘している。「生の音楽をオンラインで代替できると簡単に考えてほしくない」「この二百年間、人間は、音楽を「聴く」という利便性と引き換えに、「自分で音楽する」という能力を著しく退化させた」「芸術は人間のための鑑賞物となった。芸術やスポーツの起源は奉納である」。全く同感である。「絆」とか「感動」とかいう「有用性」を強調し、それを市場主義の論理で意味付けしようとしてきたからこそ、「文化」は「不要不急」とされたんだ。

  • rico さん

    集い、語らい、歓声を上げる。不要不急、とりあえず生きていくのには必要ないとして禁じられたコロナ禍。音楽は同じ時・同じ空間をともにする中で生まれ花開いたが、すでに様々な媒体を介して広がり、さらには情報としてネット上を拡散している。オンラインでの第九の演奏は楽しめたが、劇場で音に包まれるあの感覚とはやはり別物。そして情動のコントロールに容易に利用され得る危うさ。この状況で変わらなければいつ変わる?そんな問いから始まり自在に展開される論は、幅広く深く刺激的。音楽に詳しければもっと楽しめたのに、とちょっと悔しい。

  • kei302 さん

    隣県での合唱団クラスター、ショックでした。合唱の聖地:福島県でのクラスターも。県主催の第九は中止になったけど、西隣の市では実施。県内はここだけかな。大丈夫なのか? とも思うし、慎重になりすぎだよねぇ・・と同意もしたくなる。それほどまでに、人を夢中にさせる《第九》とは? 音楽的に、歴史政治的に、そして、精神面と、多方向からアプローチした《第九》分析と、コロナ禍とその後の生で音楽を聴くこと、聴かせることについての著者の論。マスクなしで歌える日を待ちわびています。

  • パトラッシュ さん

    先日ミュージカルを観てきた。席をひとつずつ空け、最前列ではフェイスシールド着用などコロナ禍での演劇再開を手探りしていた。音楽もまた苦しみながら新常態でのあり方を模索するが、本書は生演奏を聴けなくなった事態に対応して今の常識を問い直そうとする。戦争や政治に翻弄された音楽家などの実例を通じて哲学的な議論を展開するが、危機における音楽の本質に迫ろうとするあまり演奏の機会を失って苦しむ関係者からは遠く離れている。欧米では患者急増で再度のロックダウンも進む現状で、まず音楽を届け受け取る新たな仕組みを考えるべきでは。

  • マリリン さん

    人と人とが空気を共有しなければ音楽は、の部分は少し違うかもしれない。自宅で一人音楽に耳を傾ける時間もあるから。現役当時私は何でもありの街のレストランか食堂のような存在。業界の人達は私も含め水商売だと思っていたが、クラシック業界でも...というのは意外だったものの、ジャンルは違えど収入は安定していないと思うと納得。クラシックとジャズの対比について、個人的にはどちらにも属さず中庸あたりか。曲の終わり方は、書かれている以外でも面白いのもがあった等当時を回想し懐かしかったり聴いてみたい楽曲名の登場が嬉しかった。

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人物・団体紹介

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岡田暁生

1960年、京都市生まれ。音楽学者。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学人文科学研究所教授。『オペラの運命』でサントリー学芸賞、『ピアニストになりたい!』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、『音楽の聴き方』で吉田秀和賞、『音楽の危機』で小林秀雄賞受賞

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