キリン 角川文庫

山田悠介 (小説家)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041008768
ISBN 10 : 404100876X
フォーマット
出版社
発行年月
2013年06月
日本
追加情報
:
480p;15

内容詳細

天才精子バンクで生まれた兄弟―天才数学者の遺伝子を受け継ぐ兄は容姿に優れなかったため、弟の麒麟は「パーフェクトベイビー」を望む母親の期待を一身に背負っていた。しかし、背中に怪しいシミが浮かんだ時から成長が停止。“失敗作”の烙印を押された彼は母と兄から見捨てられてしまう。孤島に幽閉されても家族の絆を信じ続ける麒麟に、運命が残酷に立ちはだかる!最も切ない山田悠介作品が、待望の文庫化!!

【著者紹介】
山田悠介 (小説家) : 1981年生まれ。2001年自費出版で刊行した『リアル鬼ごっこ』がベストセラーとなり、注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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大体、登場人物全てに感情移入しながら、自...

投稿日:2021/04/15 (木)

大体、登場人物全てに感情移入しながら、自分だったらと考えながら(これが本を読む楽しみですよね)ですが、よく考えると感情移入ばかりし過ぎだなと思ったりもたまにしますので、山田悠介さんの作品は、ほとんどの作品がいい意味で軽い(深く書かれてない)、深読み感情移入すると疑問のデパートになる。麒麟にも秀才にも、母親にも鳥居にも感情移入(深く考えない)で読めば、大体で読めばとても作品のアイデア内容は面白いものだと評価できます。本作に限らず山田悠介さんの作品の多くは、そういった意味でライトノベルですからね。

mga さん | 愛知県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • イアン さん

    ★★★★★★☆☆☆☆優生思想を皮肉った山田悠介のSF長編。優秀な遺伝子のみを扱うジーニアスバンクを通じて生まれた兄・秀才と弟・麒麟。驚異的な知能を有する兄とは裏腹に5歳にして成長が止まった麒麟は失敗作≠フ烙印を押され…。我が子を自分のステータスとしか捉えられない親達に苛立ちつつも、これに近いことが現に行われているという事実に戦慄する。突然現れたシミと止まった成長の因果関係はもっと説明があってもよかった。多くの人はこの作品をBad Endと捉えるかもしれないが、崩壊した家族に最後に萌した救い≠感じた。

  • 扉のこちら側 さん

    2016年456冊め。冒頭の人工授精や陣痛の現実味がない描写に失笑しながら読み始めたが、物語のプロットはおもしろい。現実でも虐待はきょうだい間で「される者/されない者」の差が出た時により増悪化する傾向があるものだ。麒麟やほかの子ども達を「学校」に引き取る際に、計画の失敗を認めて全ての子ども達へ対処すればよかったのにと思ってしまう。秀才以外の天才の活躍ぶりがほとんど描かれなかったので、後半で反発を受けるまでの間に世間でどのような受け取り方をされていたのかもう少し知りたかった。なんにせよ優生思想は恐ろしい。

  • りゅう☆ さん

    優秀な精子を売るジーニアスバンク。その遺伝子を引き継いだ我が子を生むために精子を買う女性たち。なんだかな〜、厚子が外見だけでなく心も醜過ぎて腹が立つ。優秀だと溺愛し、失敗作と分かると見捨てる。ホントに子供を自分の都合のいい物としか見てないよね。大きな愛情に包まれて三つ子の魂百までかもしれないけど、麒麟の純粋無垢な家族愛もそんなに持続できるものなのか?まぁ、そこは小説と割り切り、嘘っぽいけどこの物語の救いだったのかも。ラストにつれ厚子の存在の薄さだけでなく、内容も薄いのか、あまり切なさは伝わってこなかった。

  • 納間田 圭 さん

    冴えない女が世間を見返すべく天才数学者の〇〇をオークションで競り落とす。もちろんそれは違法。しかしそこは小説…女は計画通り天才を生むことに成功した。一人目で味を占めた女は…兄を超える天才が欲しいと再びオークションに出向く。そして…今度は見事ノーベル賞受賞者の〇〇を手に入れてしまう。その二人目として生まれた弟の名が麒麟。ある意味…昨今の近隣諸国にヤリ込められすぎの虚弱日本への警告本。安閑と弱体化していく日本国民に突きつけられた…作者の痛烈な皮肉。こんなことが本当に…日本を助ける究極の挽回策になるのだろうか?

  • 汐 さん

    優秀であることはそれほどまでに重要なことなのだろうか。天才精子バンクから、優秀な精子として競り落とされ、生まれた麒麟。だが、兄の秀才の様な、母親の望む頭の良い子になれなかった。そのため、母親に見限られ、5歳の時に天才育成施設に入れられた麒麟。それまでは、母親は麒麟を溺愛していた。だが、勉強ができないだけで、手のひらを返した様に邪険にあしらう。どんなに罵詈雑言を浴びせられても、素直な麒麟に悲しくなりました。優秀なところしか見ない愚かさを感じ、それでも優秀でいたいと思う部分もありました。

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