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曠野の欧亜急行(仮)満鉄の探偵 Php文芸文庫

山本巧次

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569901862
ISBN 10 : 4569901867
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
January/2022
Japan

Content Description

昭和十一年、満州。南満州鉄道株式会社資料課の詫間耕一は、総裁・松岡洋右の命を受け、密偵の辻村とともに社内で頻発する書類紛失事件を調査することに。しかし調査対象だった人物が殺され、容疑者を追って乗り込んだ哈爾浜行きの急行列車の中で、さらなる殺人事件が…。謎の中国人美女、関東軍、ロシアのスパイらの思惑や陰謀が渦巻く中、詫間は真相に辿り着けるのか!怒涛のエンタメミステリー。

【著者紹介】
山本巧次 : 1960年、和歌山県生まれ。中央大学法学部卒業。鉄道会社に長年、勤務する。2015年、第13回「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉となった『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』でデビュー。同作はシリーズ化され、人気を博す。18年、『阪堺電車177号の追憶』で第6回大阪ほんま本大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    満鉄が舞台のミステリはアリバイ崩しが中心だった鮎川哲也『ペトロフ事件』以来だが、こちらは西部劇風味のスパイ小説か。松岡総裁時代の満鉄で情報漏れを追跡する秘密調査員とは漫画の『特命係長』に似た設定だが、特務機関やソ連情報部も暗躍する欧亜急行内での駆け引きと殺人事件に加え、インディアンならぬ匪賊の襲撃まであるなどストーリーテリングの巧さで読ませる。面白さは満足できるが、登場人物が型にはまっているのが残念。何より大連生活の長い鮎川氏に比べ現地人や風景描写は調べて書いた感が拭えず、最後まで満州らしさに乏しかった。

  • へくとぱすかる

    鮎川哲也『ペトロフ事件』の時刻表(1942年改正)では、16時30分大連発の欧亜急行はすでになく、50分発の急行17列車はまだある。その後の情勢の変化だろうか。事件のトリックよりは、激動の時代の、個人や組織、国家間をめぐる複雑な利害関係の方が、むしろ解かれるべき謎にちがいない。巨大な流れにからまっていく有様は、近代史ドラマをまた別の視点から見ている思いがする。そして何よりも満鉄という鉄道の幻影こそが、物語を走らせていくエンジンだろう。物語の翌年が日中戦争勃発であることを思えば、人物たちのその後が気になる。

  • fuku3

    2022.2.28読了。昭和11年南満州鉄道の資料課で粗末な資料の紛失が何度か起こる!総裁の松岡洋右の命で詫間耕一は紛失資料の探索を始めたが犯人らしき男は殺され憲兵隊や特務機関の諸澄、女給の春燕、探偵の辻村など怪し奴らが現れ満鉄に乗り大連からハルピンまで行くことに…。どうしてもこの時代背景や現状に置かれた満州の事などの説明が多くなり、その分散漫になって長く感じた!鉄道ミステリにしては汽車に乗るまでに時間掛かりすぎ!ミステリ自体はそれそど面白くなかった!当時の満州の味わいや雰囲気は充分に伝わって来た!

  • きょん

    探偵ものというよりは、日中戦争前夜の満州を舞台にしたサスペンスものの性格の方が強いかな。満鉄社員であり、社長直属の秘密捜査員・詫間、辻村ペアより、特務機関諸澄少佐と謎の美女・春燕の印象の方が強め。国連脱退で有名な松岡洋右が満鉄総裁を務めていたとは知らなかった。

  • kaede

    満州、教科書にあったから名前だけは聞いたことがある。だが実情は何も知らない、時代背景も。分からないことは調べながら読みすすめたので読了まで時間がかかりました。数カ国が暗躍する、まさに混乱の国だったよう。幾重にも重なる思惑、頭が混乱するする(笑)地図や満鉄の挿絵などがあったら、もう少し読みやすかったかも。これを気に満州国に興味が湧きました。

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