断言 読むべき本ダメな本 新教養主義書評集成・経済社会編

山形浩生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784909483355
ISBN 10 : 4909483357
フォーマット
出版社
発行年月
2020年01月
日本
追加情報
:
445p;19

内容詳細

宣伝でも素朴な感想文でもない、本当に “読者の役にたつ書評” とはこれだ!

長年にわたり価値を失わない良書をしっかり紹介し、ベストセラーであろうとダメな本は徹底的に批判する──
辛口書評家が30年ちかくにわたり書き綴った膨大な書評より、経済、ビジネス、経営、政治、歴史、社会などの分野をここに集成!

速度過剰な情報社会で、〈論争〉が成立しがたくなっている中、
これぞパワフルなマジレスだなって感動する……。
最強書評人・山形浩生が、
数多の書籍、数百万の言葉を横断し、複雑世界の案内人となる!(荻上チキ)


目次

はじめに:書評について

第1章 経済
二一世紀の経済を考える十冊強/痛快ってのはこういう本を言うんだよ/経済学における過度の単純化を戒め、倫理学との接続をはかる講演集/一九三〇年代の論争をもとに、現代日本の不景気を見渡す/教育も希少な資源の配分問題なのだ!/近年のおかしな経済状況分析をしっかり批判/経済学も基礎が大事! 高校生の教科書で学ぼう/お金だけが大切じゃないことを、説教としてではなく理論的に解明しようとする経済学の新潮流/マネーロンダリングの手口と、それがぼくたちにとって持つ意義/正しい理論が政策に反映されない理由/政治的配慮一切なし! 快刀乱麻を断つ必読の経済書/アメリカの世界経済介入/不況は需要不足が問題といいつつ対策は供給側の技術革新に増税?/知識人の左翼的な妄想を捨て、経済成長の重要性を理解しよう!/行動経済学の発想をうまく紹介した、開祖の独自論文集/常に混合し合う文化のダイナミズムを経済学的に描く/不勉強な左派と図に乗った右派の両方をくさし、経済学の価値を認めるべきところでは認めろと主張するえらい本/資源自体ではなく資源の価値をどう残すか?/行動経済学や幸福研究などの成果紹介で、数多い類書から傑出はしていないが、よくまとまっている/概説書としてはまあまあ。でも量子ゲーム理論って何のためにあるの?/日本経済の現状を無視した許し難いデフレ本/異様な密度でアンチョコにさせていただきます/人民元をネタにした単なるゴシップ本/技術が人を操り自らを進歩させる、倒錯した議論の魅惑

第2章 ピケティ/格差
ピケティ『21世紀の資本』の翻訳進捗についての弁明/ピケティの前の本、読んだ!(本文だけだけど)読んだぜコノヤロー!/時事コラムで仏欧のローカルネタが中心。入門にはつらいんじゃない?/死んでもなおらないある病気の人に、ウルフが親切に教えてあげる教育的配慮に充ちた本/デジタル産業革命の先にある宿題 その1/デジタル産業革命の先にある宿題 その2/戦争、革命、疫病……数十万人単位で人が死なないと “経済格差” 解消しない問題

第3章 ケインズ
古い本とはいえケインズについてしっかりまとめた好著/著者が脳内ケインズをもとに実物を批判する異様な本/単著ではないうえ、まとまりもバランスも悪いわかりにくい本/マンガとしてはとてもよいできだが、解説の小野理論偏重はどうよ/全体の見通しがないし、ケインズが動学でないというのは批判すべきことか?/変なケインズ理解をもとに小野理論を持ち上げようとする歪んだ本/ケインズを階級対立の先駆者として見ようという昔の変な試み/伝記とケインズの理論や貢献、その後のケインズ経済学をバランスよく描いている/安易な人物像や哲学談義に流れ、経済学者としての評価から逃げた本/ケインズがいかにイヤミなやつかよくわかる/古い、英語知らない、原文勝手に改ざん/まだ続きます。ほんっと、だれか指摘してあげなかったの??

第4章 クルーグマン
世代の沙汰も金次第、ではないのかもしれない/罵倒と茶化しの効用/非効用──おまけに Beavis & Butthead 讃/クルーグマンが教えてくれる経済学の驚き/学問の力と遊び心/クルーグマンのコラムがつきつける現代マスコミの問題など

第5章 ファイナンス
投資でよりよい人生を!/日本の夜明けは遠いかも──投機に堕したゴミ投資家たち/完敗──『ゴミ投資家のための人生設計入門』はすごいです/いまの日本で豊かさを求めるには?/オンライン株式なんかよりも確実なハイリターン本です/企業価値の計測に関する標準的な教科書/数学者の大やけどで学ぶ、株式投資の標準セオリーの正しさ/何か下劣で馬鹿な著者の『思いつきの名にも値しない投資と称するどぶに金を捨てるすすめ』/オイシイ儲け話は教えてくれないけれど。──株価のフラクタル変動を家元自ら語ってくれます/人間の合理性の限界を見きわめるための本/読んでひがもう非モテたちよ!/世界金融危機の顛末記:正しい者が勝つとは限らない

第6章 経営
日本型システムからの自由と解放/おもしろいだけじゃだめなんだ/あまりに常識的な経営者のお題目集/新聞の取材力が十分に発揮されたメガバンク統合ドキュメンタリー/いまや常識となったドラッカーの原点/告発の書か、優れた経営手法の実録か?/驚異のプレゼンでもダメな中身は救えない/労作ながら有名すぎる異才の伝記として新機軸を見いだせず/あまりエピソードがなく、また怪物の怪物たる所以についての洞察が皆無で残念/企業アイデンティティ形成過程を分析した面白い本

第7章 ビジネス
ぼくの秘密を教えよう:コンサルタント業究極の暴露本/本誌の読者たる最高の知識人諸子必読──『パーキンソンの法則』と組織の病理/現場で足で稼げ! 知識は現場から生まれる/具体性に富んだニューヨーク市長の各種施策/みんなが知ってるつもりの財界のすべて/モジュール化による効率性向上/お気楽なリーダーシップなんかありません/無内容きわまる駄本/働くというのはどういうことなのか?/口で言ってることとは裏腹にお金に縛られた不自由な本/堅実なプレゼンテーション手法紹介/マーケティングの基礎の基礎/顧客の顔色をうかがっても売れない!/他

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kubottar さん

    辛口書評本。いい本と悪い本、両方紹介してるのが面白い。面白い本は面白いといい、つまらない本はつまらないという。リスクを背負った書評は好感が持てます。

  • 緋莢 さん

    図書館本。雑誌や新聞に掲載されたものや、アマゾンレビューとして投稿した書評が収録されています。「はじめに」で書かれていますが<書評で心がけているのは、知らないことについては多少なりとも調べる、ということだ。 自分の知らないことや、そもそも文脈すらわからないような本については、ぼくは同じ分野の他の本を なるべくたくさん読むようにしている。>とあり、この辺が「感想文」と「書評」を分けているのだろうなぁ、と(続く

  • 羊山羊 さん

    書評集2冊目。断言の名の通り。きっぱりとした決意表明で以て見せる書評集。やや罵倒が多いきらいがあって、読んでいて面食らう1冊だが自分の方向性をしっかりと明示して、クルーグマン、元エンジニア、功利主義の立場によって評してゆくので、スタンスが明快で分かりやすい。そういう意味でのブックガイドとしてはピカイチ。己にとってその本が合うか合わないかが一目でわかる。僕自身も読みたい本が10冊くらい増えてしまった。おすすめのブックガイド。

  • たかひろ さん

    日本でも有数の知識人と俺が勝手に思ってる山形浩生の書評集。基本的にすべて山形浩生のウェブサイトにおいて無料で公開されているものだが、こうやってまとめてくれるとありがたい。頭の良い人の書評はそれ自体が作品である。ただ、索引か目次を作って書名の一覧を付けて欲しかったとは思う。

  • deerglove さん

    相変わらずの山形節。とはいえ、新聞掲載の書評もあり、「まともな見方」!?ができるようになったせいか(「おわりに」)、以前ほどの罵詈雑言は影を潜めていますね(笑)。今や、あのピケティの翻訳者だものね。それでもエライ経済学者たちを容赦なくコケ下すくだりはハラハラドキドキ、でも納得の内容でした。それにしても本田健の『スイス人銀行家の教え』を痛烈に批判し、ヴェブレン『有閑階級の理論』をぶつけておいて、夕暮れの空の、異様な赤さに見ほれてね。って、どれだけ親切なんだか、オメデタイんだか(苦笑)。

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