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親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 創元推理文庫

山川方夫

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488481018
ISBN 10 : 4488481019
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

34年という短い生涯に於いて「三田文学」の編集に携わったほか、自作5編が芥川賞の候補作となるなど、純文学に大きな足跡を残した山川方夫は、一方で「ヒッチコック・マガジン」連載の“親しい友人たち”が探偵小説読者から高く評価される、謎を扱ったショートストーリーの達人でもあった。夏と海、戦後と虚無を描き続けた“早世の天才”の才気を示す、文庫オリジナル傑作選。

【著者紹介】
山川方夫 : 1930年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院中退後、「三田文学」編集に携わる。「演技の果て」「海の告発」など5作が芥川賞、『クリスマスの贈物』が直木賞の候補となる。65年、交通事故にて逝去。享年34(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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昔、教科書で読んだ「夏の葬列」をもう一度...

投稿日:2021/04/10 (土)

昔、教科書で読んだ「夏の葬列」をもう一度読み返したくて購入しました。やっぱり素晴らしい短編だと思います。今でも中学校の教科書に採用されているそうですね。その他の作品としては、「お守り」が印象的です。読み始めてこれも教科書で読んだ記憶がありました。団地アパートに住む男がよく似た男と自分を区別するためにあるお守りを所持するという話です。確か海外でも翻訳されたというのを聞いたことがあります。

タカノブ さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 扉のこちら側

    2018年386冊め。この身の置き所がない程暑い夏に「夏の葬列」を読み返したくなった。普段は集英社文庫版の「夏の葬列」を手に取るのだが、ふと思い立って長い間読みたい本登録していたこちらを求めた。全編通して、どこか寂しく、寄り添って心励ましてくれる物語というより、緊張感を持って突き放される印象である。特に『親しい友人たち』の章は面白い。最終話『他が人の夏』でまとめられているのもよし。そして著者が山川秀峰画伯の息子だと初めて知った。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    短編集の「親しい友人たち」に収録された作品が気を抜いて読んでいるとどうしてそういうことが書かれるのかと分からなくなる急に驚かす系ホラーのような書かれ方をしているので唸るばかり。こんなに緊張感を強いられる本は初めてだわ・・・。その中で異色だった「夏の葬列」の赦しがもうこない絶望と来たら。「トコという男」のトコと主人公の時々、箴言的な駄弁りに笑っていたら最後は足元が分からなくなるような読後感が怖すぎる。個人的に印象的だったのは「三つの声」。人の堕落からの狂気に陥る様をねちっこく、描いているので非常に悪夢的。

  • アナーキー靴下

    お気に入りの方紹介の「ジャンの新盆」を読み、その「聖☆おにいさん」風な面白さ、かつ心を揺さぶられるラストに、こんな凄い作家がいたとは、と驚いた。本書は切れ味鋭いショートショートから文学論エッセイ風連作まで33篇収録。ジャンルは説明しがたく、推理要らずのミステリー、人外の存在が登場しないホラー、空想科学要素のないSF。巧みなストーリーに配された「情緒化」こそが肝であり、唯一無二なエンタメ文学。エンタメと文学の融合は村田沙耶香氏の「コンビニ人間」に近いものを感じるが、それを短篇で表現する、まさに早世の天才。

  • sin

    その時代を切り取って読むものに問いかけるようなこのあまりにも真剣身のある作風に今ではない一昔前の作家の生きざますら感じ取れるが、その反面連作“トコという男”からは理屈っぽくくどくどしい青臭さが鼻につく感じは否めない。短い生涯と云えどこうして名を遺した山川に、死を目前にした義母の為に持ち帰った文学青年であったと聞く他界した義父の若き日のポートレートを想いだして何故だかその姿が重なって見えた気がした義母の通夜の明け方…

  • HANA

    ミステリというより、奇妙な味といった作品が詰まった短編集。異色作家短篇集の名作を読んでいる様。「夏の葬列」「お守り」意外はほぼ初読だったのだが、どれもこれも現実の奇妙な裂け目に陥る様で面白く読める。名品中の名品である先の二編は当然ながら、他にも興味を惹かれるのは一番ミステリらしい「三つの声」や現代の我らを先取りしているような「箱の中のあなた」。「トコという男」シリーズは当時の文学論、社会論的なものもあり、面白いもののやや形而上学的。昨今こういう風味の小説を読むのはあまりないので、読書中実に楽しかった。

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