第二次世界大戦秘史 周辺国から解く 独ソ英仏の知られざる暗闘

山崎雅弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022951618
ISBN 10 : 4022951613
フォーマット
出版社
発行年月
2022年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
448p;18

内容詳細

連合国vs.枢軸国間でオセロゲームのように占領と奪取が繰り返された欧州大戦。その舞台となった20の「周辺国」に着目し、各国が直面した政治的・軍事的状況を通して、「独ソ英仏」の軍事戦略、諜報を含めた政治工作、そして戦闘の詳細を明らかにし、第二次大戦史をより多面的・複眼的に検証する。

目次 : 英仏独ソ伊米 六つの大国の第二次世界大戦への道―「二〇年間の休戦」を経て勃発した新たな世界大戦/ ポーランド―母国消失後も国外で戦い続けた戦士たち/ フィンランド―世界を驚嘆させた小国の抵抗/ ノルウェー・デンマーク―北欧で展開された陸海空三軍の立体戦/ オランダ・ベルギー―ドイツ軍に蹂躙された西方の二国/ 東欧枢軸国(ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア)―失地回復に目がくらみヒトラーに組した悲劇/ バルト三国(リトアニア、ラトヴィア、エストニア)―軍事大国・独ソの狭間で繰り返された苦難/ ユーゴスラヴィア―東西の文化圏がぶつかり合う戦乱の地/ ギリシャ―ヨーロッパ最南部で行われた戦い/ チェコスロヴァキア―世界大戦の嵐に翻弄された中欧の軍事強国/ 中近東諸国(イラン、イラク、シリア、レバノン)―中近東一帯にも波及した政治と軍事の戦い/ ヨーロッパでの「熱戦」の終結と「冷戦」の時代―戦後のヨーロッパに訪れた平和と不穏な雲

【著者紹介】
山崎雅弘 : 1967年、大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。政治や樋族、文化、宗教など、様々な角度から過去の戦争や紛争を分析・執筆。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • skunk_c さん

    秘史というよりは、歴史教科書などで殆ど取り上げられない、周辺国での戦争や様々な政治混乱を、地域ごとにまとめて記述したもの。ある程度のスパンをとった歴史として語られているため、それぞれの地域の戦間期・戦争期の簡潔な歴史としても読める。例えばシベリア出兵の口実とされたチェコ軍団の由来なども触れられており、勉強になった。大戦中の状況は様々な大著にはバラバラに示されているが、こうして地域ごとに整理されているのはありがたい。物事を考える前提としての知識の整理に有用と思う。小国の悲哀はウクライナを思わずにいられない。

  • はるを@お試しアイコン実施中 さん

    🌟🌟🌟☆☆。着眼点が面白い。第二次世界大戦中、所謂大国ではないヨーロッパの周辺諸国は一体どうしていたのか。それを10章に分けて各国から見た大国の脅威の大きさを知る。著者は戦記物を書いているからか短編小説を読んでいるような気になる。例えば杉原千畝の話が舞台のリトアニア。須賀しのぶ著『また、桜の国で』の舞台、ポーランド。ソフィン戦争を扱った映画『アンノウン・ソルジャー』の舞台、フィンランド等々、これらの作品に触れる前にこの本を押さえておくと物語の大枠の輪郭を捉える事が出来る。奥行き、広がり、深みも増す。

  • nagoyan さん

    優。第二世界大戦というと、英仏独伊ソ米の大国の動向に偏りがちだが、著者は「周辺国」を主役とした第二世界大戦史を描く。本書で取り上げられるのはポーランド(1章)、フィンランド(2章)、ノルウェー・デンマーク(3章)、オランダ・ベルギー(4章)、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア(5章)、バルト3国(6章)、ユーゴスラヴィア(7章)、ギリシャ(8章)、チェコスロヴァキア(9章)、中近東(10章)の諸国で、終章で戦後まで描く。フィンランドは、マンネルヘイムの活躍により辛うじて国を保つ。その他は暗い気持ちになる。

  • Porco さん

    独伊や英仏ソ以外の、これらの大国に挟まれた欧州の中小国と、中近東の国々•地域が経験した第二次世界大戦を描いています。一言で言えば翻弄され続けたわけですが、どうすればよかったのか、なかなか難しいです。

  • ジュンジュン さん

    タイムリーな一冊(ウクライナ情勢を考えると)。「大国」に翻弄される「周辺国」のWWU史。視点が変わると、こんなにも知らない事が多いのか。歴史の奥深さを知る。中立の北欧(ノルウェー・デンマーク)が巻き込まれた原因は、たった一つの港。東欧の複雑に絡み合う思惑と憎悪、等々。著者の読みやすい文章と地図で、新知見を得た。強者には強者の論理があるように、弱者にも”負けられない戦い”がある。大国だろうが小国だろうが祖国に捧げた血に濃淡はないはず。そんなことを気づかされる一書。

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