戦後史のなかの「国家神道」 史学会シンポジウム叢書

山口輝臣

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784634523678
ISBN 10 : 4634523671
フォーマット
出版社
発行年月
2018年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
283p;21

内容詳細

目次 : 1部 「国家神道」まで(「国家神道」概念の近現代史/ 「国家神道」と南原繁)/ 2部 「国家神道」をつくる(村上重良「国家神道」論再考/ 戦後憲法学における「国家神道」像の形成)/ 3部 「国家神道」のこれから(「国家神道」論の現状をどう見るか―島薗進『国家神道と日本人』とそれ以後へ/ 「国家神道」をどうするか)

【著者紹介】
山口輝臣 : 1970年生。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • やまやま さん

    国家神道という言葉は、GHQの神道指令に派生したが、その指す概念規定を二派に分けてみると、神社神道の国家管理状態に限定して理解する狭義派と、広範な国家的宗教制度として理解しようとする広義派になり、狭義派の代表は葦津珍彦、広義派の代表は村上重良ということと雑駁には理解した。事実に基くのが歴史研究という前提に立つと、現在では総力戦期に感じられた神道の抑圧性・強制が明治維新以来のものという村上の説く歴史像は政治姿勢から出発しているという狭義派の批判も頷ける。社会への警告を実証学問で訴える難しさを感じる。

  • Ohe Hiroyuki さん

    本書は、史学会シンポジウムをベースに一冊にまとめられた論集である。▼編者の山口輝臣教授は、「国家神道」という用例は、戦前は見られなかったものであり、戦後の歩みの中で運動の一環で使われるようになった用語であると述べる。▼私が衝撃だったのは、「国家神道」という用語は、判例において「公定」されたという指摘である。▼基本的人権を宣言したのが、日本国憲法であるという認識はあったが、戦前の反省の上に、戦後があるというコンテキストを作り上げた一角に司法があったということである。運動としての裁判の重みを感じたところである

  • めっかち さん

     「国家神道」研究史を多士済々の学者が論じている。特に藤田大誠「『国家神道』概念の近現代史」と山口輝臣「『国家神道』をどうするか」が興味深い。やはり、葦津珍彦氏に始まり、阪本是丸博士、新田均博士と継承されてる実証主義こそ、歴史叙述としては最も正当なものだろう。今後も、かかる研究が進展することを願う。

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山口輝臣

1970年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院博士課程修了。専門は日本近代史

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