世界の富裕層は旅に何を求めているか 「体験」が拓くラグジュアリー観光 光文社新書

山口由美

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784334102944
ISBN 10 : 4334102948
フォーマット
出版社
発行年月
2024年04月
日本
追加情報
:
200p;18

内容詳細

ラグジュアリーツーリズム自体は、成長の見込める観光業として世界的に注目が高まっている。(中略)富裕層旅行の定義については、明確な線引きはないのだが、JNTO(日本政府観光局)では1人あたり1回に消費する旅行金額が100万円以上としている。市場規模としては、富裕層旅行者の多い国として、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアの数字から試算している。これらの国々で海外旅行をしている人は年間に3億4100万人。そのうち100万円以上を消費する富裕層旅行者は約1%の340万人。全体の消費額は35・8兆円で、うち富裕層旅行者の消費額は4・7兆円。全体の約1%でしかない富裕層旅行者が、全体の13・1%を消費していることになる。この数字は、ラグジュアリーツーリズムが、オーバーツーリズムを回避しつつ観光産業を拡大していく切り札であることを物語っている。(「プロローグ」より)

目次 : プロローグ 「体験」を求めて旅をする富裕層/ 第1章 裸足のラグジュアリーの誕生/ 第2章 世界一のホテルになったサファリロッジの衝撃/ 第3章 「冒険」を好まない日本人/ 第4章 意識高い系ラグジュアリーの台頭/ 第5章 ラグジュアリーツーリズムは環境にやさしい/ 第6章 ローカリズムと地方創生/ エピローグ 自分だけの世界で「本物」を「体験」する

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アリーマ さん

    基本的にはアマンリゾートとアフリカで著者が体験したラグジュアリーリゾートの話が書かれている。ごくごく狭い範囲のことであって、それなりに参考になる部分はあるものの、分析的な部分は特にない感想文。タイトルくらい大上段からくるんなら、もう少しデータやリサーチに関わる話があっても良さそうだなと思った。基本的には女性誌に載ってる旅行記事的。★★⭐︎

  • ossan12345 さん

    日本のインバウンドが大都市偏重、一泊二日の温泉宿&超満腹豪華懐石料理に偏っていて、それ以外の多様性を受け付けないという柔軟性のなさがよく分かった。ラグジュアリーツーリズム、エコツーリズム、ローカリズムもそうだし、今やハラル・ベジ・ビーガンなど食の多様性もそう。これまで日本国内で持て囃された固定的なぜいたく・ご馳走旅行だけに囚われていては未来がない。経済衰退・人材流出のただ中にあって、観光立国すら覚束ないならば日本の未来は暗い。そんななかで、EntoやBed and Craftの取組は朗報だ。

  • カエル子 さん

    Audibleにて。まあまあお金をかける旅をしているつもりだったけど、「一度の旅に100万円以上はかけますけどなにか?」な人たちがラグジュアリートラベラーで、世界に350万人くらいいるってさ。あたり前だけど別世界笑。彼らはふつうの旅には飽ききったので、コンフォートゾーンを出るようになってると。多少の危険やチャレンジを伴う旅じゃないと満足しないということ。温泉と豪華な朝ごはんを提供するだけじゃ選んでもらえない。日本の「おもてなし」は思いっきりコンフォートを提供するから相容れない感じがしちゃったなー。

  • とり さん

    経済政策として外国人旅行者の増加を目標にすると、オーバーツーリズムなどの問題が発生する。そこで、ブータンなどは、少数の超富裕層に大金を落としてもらうラグジュアリーツーリズムを目指し、一定の成果を出した。エコの観点から見ても、大勢の観光客が押し寄せて少しずつお金を落とすよりも良いらしい。日本はこのような超富裕層向けの対応がまだまだ。1泊2日などの短期宿泊客のサービスが中心なので、夕食が最大のイベントになってしまう。提供する料理のバリエーションの問題もある。スーパーヨットの旅行者の上陸手続きが面倒などの課題。

  • 倉屋敷?? さん

    その場所でしか味わえない特別な体験が重要だそうです。 日本は温泉や食事がメインになっていると確かに思う。 正直自分も旅先で温泉も食事も重要視してないので旅館等に泊まることはほぼない。一般的な旅行誌も温泉とグルメの情報ばかりで辟易する。 日本人は癒しを求めて冒険にはそこまで興味がないんでしょうか。日々の疲れもありますしね。

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人物・団体紹介

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山口由美

1962年神奈川県箱根町生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。海外旅行とホテルの業界誌紙のフリーランス記者を経て作家活動に入る。旅とホテルを主なテーマにノンフィクション、紀行、エッセイ、評論など幅広い分野で執筆している。2012年、『ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日』で小学館ノンフ

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