貧乏大名“やりくり”物語 たった五千石!名門・喜連川藩の奮闘 講談社プラスアルファ文庫

山下昌也

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062816878
ISBN 10 : 4062816873
フォーマット
出版社
発行年月
2016年08月
日本
追加情報
:
192p;15

内容詳細

足利将軍家末裔にして、名目上は徳川将軍の臣下ではなく客分。でも、家柄は高くても、石高は泣いても笑っても、たった五千石…。大大名ですら経営苦にあえいでいた江戸時代、喜連川藩の財政はいつも火の車だった。それでも、領地を愛し、領民を慈しみ(増税はするけれど)、誇り高き代々の当主「御所さま」は、おの手この手で金を稼ぎ、藩を見事明治まで長らえさせた。その汗と涙の“やりくり”奮闘記!

目次 : 第1章 百万石から一万石まで、大名家のやりくり算段(大大名の貧乏暮らし/ 奮闘する小大名)/ 第2章 五千石でも十万石「格」大名、喜連川氏の正体(百万石と張り合う五千石/ 喜連川藩を成立させた「美貌の城主夫人」/ だから、「御所さま」)/ 第3章 御所さまのやりくり算段(宿場が基幹産業/ 御所さまのやりくり/ 加増の機会が来た!/ 御所さまの共産主義/ 領民の暮らしと宿場を守る御所さま/ 全ては領民のために/ 頼みは養子の持参金/ 嵐の中で)

【著者紹介】
山下昌也 : 高知県生まれ。中央大学商学部卒業。歴史ライター。史料を渉猟し、歴史に埋もれた人物や逸話に光を当てる読み物を多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • HANA さん

    下野国五千石にもかかわらず、御所様と呼ばれ幕府からも崇敬の念を受けていた喜連川藩。その成り立ちから終焉までを描いた一冊。読み始めていきなり小藩大藩の財政難やら、特産の開発やその失敗でいきなり悲しくなる。金が無いのは首が無いのと同じやね。で肝心の喜連川藩だが本陣株の売買とか酒の専売だとか、それ相応の事はしているようなもののどうも表紙に見えるような「やりくり」とかとは程遠いように思える。藩の成立とか維新直前のドタバタとかが面白いせいかなあ。ともあれ知らなかった関東の小藩。各地に歴史ありと思い知らされました。

  • ちさと さん

    たった五千石の貧乏藩でありながら、我が百万石の加賀藩が足元にも及ばない別格中の別格として遇されていた喜連川藩。鎌倉公方系統の足利氏を縁とする。格式はあるがお金はない歴代藩主=御所様が、いかにして領民を食わせていったかが詳しく書かれている。江戸期に大きな一揆や餓死者が出なかった事はすごい。「我が足利家は天皇の臣下であり、いまだかつて徳川に媚びたことはない」かっこいい事言うじゃないですか。この育ちの良さが門閥を重視して時代錯誤な政策を行うこともあったが、結局はその品性が、喜連川藩を守り抜いた力だったんだろう。

  • 文章で飯を食う さん

    一万石から大名なのに、わずか五千石で御所様と呼ばれる、破格の大名。足利将軍家の血を引くため、名門好きの秀吉、家康から一目置かれる。江戸時代に唯一、徳川家の子分では無く、客分。そのため、参勤交代などの諸役は免除。家格は十万石相当だから面白い。諸役は免除と言っても持ち物は十万石並みの物だから、出費は多い。基幹産業は宿場からの上がりと言うのも面白い。十代熙氏は情に厚い殿様で、領内を回って領民の年寄りや貧窮者、孝行者等に金や服や穀物などを与えた。熙氏の行列が館に帰る頃には、御所様を拝もうという民で溢れたという。

  • なにょう さん

    喜連川は少年院のあるところ。関東平野の端っこ、良き日本の片田舎である。なんとこんな小さな場所に5,000石ながら大名として優遇されていた喜連川藩があった。古河公方の子孫、足利将軍の血を伝える名族だったというではありませんか!★案の定、藩政はたやすからず、幕末に煕氏という名君が出たものの。家来の家格を明確に差別化して藩政強化を試みたり、藩校を作ったものの授業内容はいささか古めしかったり。涙ぐましい藩の経営努力が窺われる。★星の数ほど藩があって、それぞれ色んな経営努力があったんだろうな。

  • スプリント さん

    1万石が大名の最低ラインと思っていましたが、名門はそれ以下でも大名格でいられたんですね。知る人ぞ知る地名、喜連川の藩主の生き残り奮闘記です。

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山下昌也

高知県生まれ。中央大学商学部卒業。文献・資料を渉猟し、歴史に埋もれた人物・逸話を蒐集、歴史読み物から小説まで多くの著作を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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