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市川崑のタイポグラフィ 「犬神家の一族」の明朝体研究

Mitsuru Kotani

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784880652405
ISBN 10 : 4880652407
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2010
Japan

Content Description

現在の映像表現に多大な影響を与えた監督・市川崑。彼の独特な明朝体表現について、代表作「犬神家の一族」を中心とした作品を材料に、映画評論、デザイン評論の2つの視点から切り込む。市川明朝、初の研究書。

【著者紹介】
小谷充 : 1968年、岡山県生まれ。島根大学大学院教育学研究科准教授。筑波大学大学院芸術研究科修了後、デザイン制作会社に勤務し、企業広報誌や女性誌のレイアウトを経験。のちにDTP部門の立ち上げスタッフとして参画。以降、コンピュータ初心者向け雑誌のデザインを中心に出版物のフォーマット設計を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kei-zu

    巨大な明朝体、縦横無尽な配字。市川監督による金田一シリーズにおけるオープニングタイトルの印象は、世代的に強烈に刻まれている。 本書は、シリーズにおける字体の変遷(実は、あったのだ)を確認する。メリハリの利いた明朝書体を選択したかったが、異字体など技術的な制限もあったという。 「犬神家」に採用された明朝体は、戦後の新聞活字をイメージしたとの指摘には、なるほど。 なお、「エヴァ」のオープニングは、「犬神家」書体より太字。テレビの走査線での見え方が意識されたそうです。

  • ぐうぐう

    市川崑監督作品の明朝体表現は、たくさんの模倣を生んだことで知られている。その他監督による継承を列挙するのはたやすく、それはきっとファンの仕事だ。しかし本書は、どうのようにあの斬新な明朝体表現が生まれたかを検証していく労作であり、プロの仕事としての評論となっている。しかも、金田一シリーズに倣い、疑わしき書体を容疑者と称し、様々な物証をもとに推理し、なんとそこに共犯者の姿をも照らし出すという過程が、まさしく事件簿のようでスリリングだ。

  • さっちも

    岩井俊二が市川崑の映画を撮っているとき「歳の差なんて関係ない、僕はこの世で一番話の合う人に会ってしまった」と言っている。その話のオチは市川崑の映画をあまりに見すぎて影響を受けすぎて、市川は岩井のオリジナルなんだから、それもそのはずという感じだったと思う。本書は犬神家の一族などで使われるオープニングやエンディングの印象的な文字列だけを本にまとめたもの。序盤から中盤にかけてそこまでマニアックな知識は興味ないよっと思いながら読んだが、後半になるにつれ、執拗なデティールの積み上げが良い映画づくりへの執念につながっ

  • ふう

    市川崑の代名詞のような、タイトルロールにおける巨大極太明朝体とL型配置。これが生まれた過程、使われているフォントなどなどそのタイポグラフィに隠された謎に真正面から挑んだ素晴らしい一冊。様々な文化、歴史、流行、現在美術など幅広い分野から推理、考察しており、素人?としてはただただ感嘆し納得し感謝するのみ。これが紀要論文だったっていうのも驚き。大学って勉強すると言うよりも学問を突き詰める場所なんだよねと改めて思った。金田一シリーズをリバイバル上映する時ポップコーンと一緒にこれ売るべき。結構な人が買って帰りそう。

  • Schunag

    『犬神家の一族』のオープニングタイトルの明朝体を突き止める圧巻の第1章から、モンドリアンとダダまで遡って戻ってくるスリル。市川崑が金田一ものを残酷物の歌舞伎芝居と捉えていたのではないかという仮説に、『獄門島』のキャプションから残酷絵を経てたどりつくあたりもミステリを読むようであった。もとが論文であったとは思えぬくらいリーダビリティが高く、大層刺激的でした。

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