基本情報
内容詳細
人間中心主義を超え、存在という出来事そのものの思索に向かった後期ハイデガー。その途上に現れながらも従来主題的に取り上げられてこなかった“中動態”の概念と、家/ポリス/宇宙の中心としての“竃”の形象に注目し、エルアイクニスの再帰的運動を解明する。テクストの内在的研究であると同時に、古代ギリシア以来の精神史的・神話学的伝統のなかに現代哲学を位置づけなおす気鋭の研究。
目次 : 序論/ 第1部 初期および形而上学期の思想における中動媒体性と時間の地平(『存在と時間』における現象とロゴスの中動媒体性/ 関心の中動媒体性/ 人間中心主義と地平の問題)/ 第2部 中期・後期思想における存在の中動媒体性と竃(人間の脱中心化と存在の中動媒体性/ 竃の精神史―ニーチェを手がかりとして/ ハイデガーにおける竃の概観/ 『アンティゴネー』における竃めぐる彷徨―あるいは人間の離心性について/ ヘルダーリンと竃/ ヘルダーリン解釈における根源と竃の場所/ イプノスの傍らで―ヘラクレイトスの竃の意味)/ 結論
【著者紹介】
小田切建太郎 : 1984年長野県辰野町生まれ。2013年ユーロフィロソフィー:エラスムス・ムンドゥス・マスター・コース「ヨーロッパ圏におけるドイツとフランスの哲学」(第5期)修了(トゥールーズ第二ル・ミライユ大学、ベルク大学ヴッパータール、プラハ・カレル大学)。2015‐2017年立命館大学・日本学術振興会特別研究員(DC)、2016年「日本現象学会研究奨励賞」(第5回)受賞、2017年立命館大学大学院文学研究科人文学専攻哲学専修修了・博士(文学)、2017‐2018年ウィーン大学客員研究員。現在、京都大学・日本学術振興会特別研究員(PD)、立命館大学衣笠総合研究機構間文化現象学研究センター客員研究員、立命館大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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作成者:さん
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