小澤征爾、兄弟と語る 音楽、人間、ほんとうのこと

小澤俊夫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000615259
ISBN 10 : 4000615254
フォーマット
出版社
発行年月
2022年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
286p;20

内容詳細

六十年以上にわたり世界を舞台に活躍してきた、クラシック音楽界の巨匠、小澤征爾。中国に生まれ、引き揚げ後の貧しい暮らしと音楽武者修行を経て、多くの人に支えられ切り拓いた、その人生。昔ばなし研究者の兄・俊夫と、エッセイストでタレントの弟・幹雄との、やわらかで率直な語りあいにより、これまでの歩みをふりかえる。

【目次】
はじめに ◎小澤俊夫

語りあい 第一回
征爾、ピアノと出会う 最初の記憶に残る狛犬 開作おやじの中国 母子で待機した大連 北京の思い出 引き揚げて立川に 教育のほんとうのところ 子どもの目に映った戦争 八月十五日 リヤカーで運んだピアノ 金田村での生活 小田原、シグナス合唱団 成城学園中学校へ 克己兄貴のこと

語りあい 第二回
学園中学校の先生方 豊増昇先生のバッハ 桐朋女子高校音楽科に入る 齋藤秀雄先生とおふくろの死 歯科医師だったおやじ アルゲリッチとの共演を控えて

語りあい 第三回
成城ケガによって進んだ指揮の道 留学への思いがけない援助 淡路山丸での旅立ち 欧州で世話になった人たち スクーターで走ったパリの街 ブザンソン国際コンクールと井上靖さんの言葉 カラヤンとバーンスタイン 武満徹作品を世界へ

語りあい 第四回
「ノヴェンバー・ステップス」の演奏 サンフランシスコとボストンの二重生活 二十九年いたボストンからウィーンへ 忘れがたい奏者、ロストロポーヴィチ 才能豊かな友、山本直純 成城に家を買う ウィーン・オペラ座の仕事 音楽の「深さ」とは

語りあい 第五回
「城の音」のハーモニー 言葉では言い表せないもの チェロの低音の大切さ ハーモニーの作曲家、メシアン

語りあい 第六回
小澤国際室内楽アカデミー奥志賀の成果 トロントの音楽監督時代 コンサート・キャラバン 昔ばなしと音楽 一生いるつもりだったサンフランシスコ お茶の時間と勉強と

語りあい 第七回
結婚記念日は母の命日 ベルリン・フィルとボストン交響楽団の違い 電車を使って出かけるときに 内田光子とのコンチェルト

語りあい 第八回
水戸室内管弦楽団の「第九」 アルゲリッチとの仲 「第九」はちょっとまともじゃない 「アッシジの聖フランチェスコ」 俊夫九十歳の区切り

語りあい 第九回
基本の大切さ 合唱曲「群青」 兄の苦しみ 激動の時代に育って

付録1 ロバート・ケネディ氏を訪おとなう ―ベトナム問題について ◎小澤開作
付録2『さくら花 小澤さくら句集』抄
あとがきにかえて1 四男に生まれて ◎小澤幹雄
あとがきにかえて2 次男のぼく自身のこと ◎小澤俊夫

小澤征爾および本書関連略年譜

[扉写真]本文二九頁に登場する思い出のピアノ。

【著者紹介】
小沢俊夫 : 1930年、中国長春生まれ。口承文芸学者。小澤昔ばなし研究所所長。筑波大学名誉教授。東北薬科大学講師・助教授を経て、日本女子大学教授、マールブルク大学客員教授(ドイツ)、筑波大学副学長、白百合女子大学教授を歴任。国際口承文芸学会副会長および日本口承文芸学会会長も務めた。グリム童話の研究から出発し、マックス・リュティの口承文芸理論を日本に紹介。その後、昔話全般の研究を進めている

小澤征爾 (1935-2024) : 1935年、中国奉天(現在の瀋陽)生まれ。桐朋学園で齋藤秀雄に指揮を学び、フランスに渡航、ブザンソン国際指揮者コンクールで1位を獲得。ニューヨーク・フィルハーモニックの副指揮者となる。トロント交響楽団、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督などを経て、ボストン交響楽団の音楽監督を29年にわたり務め、2002年にはウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任。セイジ・オザワ松本フェスティバル総監督、小澤征爾音楽塾塾長、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀理事長、水戸室内管弦楽団総監督等を務める

小沢幹雄 : 1937年、中国大連生まれ。早稲田大学仏文科中退後、俳優、放送タレント、エッセイストとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    何て仲の良い三兄弟なんだろう。読んでるこちらが幸せな気持ちになってくる。両親や亡くなった長兄への思慕から音楽界の話まで、話題は尽きない。同じ昔話が何度も繰返されるのは、老人の会話特有のパターンだが、それも含めて、三人の楽しい雰囲気が伝わってきて心がホッコリする。田中路子氏やウィルフォード氏との出会いに恵まれたとは言え、小澤先生のこの明るいお人柄が、人に好かれ、成功に繋がったと実感する。男性遍歴豊かなアルゲリッチ氏について、彼女とこんなに親しいのに「全く俺だけ男扱いされなかった」とふざける小澤先生も可愛い。

  • まふ さん

    小澤征爾の3兄弟の鼎談。長兄克己が早逝し残った3兄弟が次兄俊夫の発案で小澤征爾の世界的大指揮者としての活躍ぶりを裏側から語り合った貴重な記録。次兄俊夫は昔ばなしの大家であり、末っ子の幹雄は俳優、エッセイストとして活躍しており、父開作、母さくら、長兄の克己を含めた小澤家の前向きかつチームワーク抜群の家庭の雰囲気が手に取るように分かった。話題の中で、音楽の表現の「深み」は「説明しにくいが重要な要素であること」という征爾の発言が心に響いた。大事な要素であると思う。

  • コチ吉 さん

    小澤征爾はつくづく人に愛される人なんだなと思う。ブザンソン行きなど、今では考えられない僥倖だ。そしてウィーン国立歌劇場というトップの座を射止める。ただそのキャリアの割に我が国での人気が今一つなのは不思議だ。人は愛せてもその音楽はどうも、ということだろうか。私も自ら彼のディスクを取り上げて聴こうと思ったことはない。

  • つんこ さん

    ご兄弟で数回にわたり、対談したもようがまとめられています。子供の頃から皆が年を重ねるすべての段階で、家族仲良く互いに関心をもち、応援しあってきたのがわかる清々しい本でした。困難に際しても、小澤征爾さんにはその度に手を差しのべる人がでてきたり、叱咤激励する人がでてきたりして、独自の道を切り拓いて来られた様子がわかりました。 幹雄さんて、あの「3時に会いましょう」の花王の宣伝の人なんや。

  • Happy Like a Honeybee さん

    小澤一族の歴史がこの一冊に。 戦後間もなく横浜から立川までリヤカーで引き上げたエピソードが印象的。 文化資本は親から子へ受け継がれるのであろうか?

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