柩の中の猫 集英社文庫

小池真理子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087477566
ISBN 10 : 4087477568
フォーマット
出版社
発行年月
2004年11月
日本
追加情報
:
16cm,203p

内容詳細

1955年、20歳の雅代は、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘の桃子の家庭教師を条件に住み込むことになる。モダンな明るさに満ちたその家に母親の存在はなく、孤独な少女の心には飼い猫のララだけが入れるのだった。緊張をはらみつつも表面は平穏な日々。均衡を破ったのは悟郎の恋人の登場だった―。30年の時を経て語られる悲劇的な事件の真相。心理の綾を精緻に紡ぐサスペンス長編。

【著者紹介】
小池真理子 : 1952年10月28日東京生れ。成蹊大学文学部卒。出版社勤務を経て、作家活動に入る。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年「恋」で直木賞、98年「欲望」で島清恋愛文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    「あとがき」によれば本書は小池真理子さんがミステリー作家からの脱却を図ろうとして書いた第2作目にあたるらしい。この後『恋』で大きく花が開き直木賞も受賞することになり、その過渡的な位置にある作品である。たしかに物語の中核となる回想部分は、その小説作法が未だにミステリー的な要素を多々残している。語りそのものは上手いのだが、初めから予定調和に向かって行ってしまうのである。本書が小説へと脱皮するのは、最後の後日譚の部分においてである。それでも依然として「私は自分の中に悪魔を飼っていた」などという夾雑物は残るが。

  • まこみん さん

    電車の中で夢中で読めてしまう程読みやすかったが、ひしひしと胸が痛み切なく苦しい。小池さんは端的に女性の心の奥底に蠢く葛藤を描く。20才の雅代は絵の勉強の為、8才の桃子のいる川久保家に家庭教師として住み込む。桃子の母は2年前に亡く、家族は父の悟郎と真っ白な猫のララ。桃子は片時もララを放さなく他人には心を開かない。雅代も遠ざけられていたが、ララに対しての気持ちを桃子と分かち合えた日から、打ち解けられる様に。ある日悟郎が千夏という綺麗な女性を連れて来て…不穏な予感の中にも心は雅代にも桃子にも寄り添っていた。

  • ゆのん さん

    美大で絵を教える父親と真っ白な猫のララと暮らす桃子。絵を教えてもらうため桃子の住み込みの家庭教師となる雅代。徐々に心が繋がり3人と1匹の生活がとても美しく描写されている。黄金色の小麦畠を楽しそうに走り回る桃子とララの姿が鮮明に浮かんでくり。そんな生活に千夏という父親の恋人がやってくる。ヒヤヒヤする心理描写が素晴らしく一気に読んでしまった。

  • カブ さん

    物語は30年前、家庭教師として住み込んだ雅子の当時の事件の真相を語る形式で進められる。昭和30年代の一部の人達が享受した華やかでモダンな生活。一見豊かに見えるその生活にも、母がいない桃子にとってはさみしいものだった。そんな少女の唯一の心の拠り所がネコのララ。真っ白いネコと、凍てつくような冬の景色が印象的。美しい風景なのに、そこで起きる事件が悲しい。

  • ぶんこ さん

    画家を目指す20歳の雅代が家庭教師として住み込んだ川久保家。8歳の桃子と白猫ララの世界に仲間入り出来た雅代だが、幸せな世界にバービー人形のような美しい千夏が加わった事で狂い出す。千夏への嫌悪感を一緒に味わっていたからか、桃子や雅代に感情移入したようです。雅代が逃げ出した気持ちは分かるが、その後の桃子を思うと辛い。逃げずにずっと一緒にいて欲しかった。

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