山県有朋 明治国家と権力 中公新書

小林道彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027771
ISBN 10 : 4121027779
フォーマット
出版社
発行年月
2023年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;18

内容詳細

明治国家で圧倒的な政治権力を振るった山県有朋。陸軍卿・内相として徴兵制・地方自治制を導入し、体制安定に尽力。首相として民党と対峙し、時に提携し、日清戦争では第一軍司令官として、日露戦争では参謀総長として陸軍を指揮した。その間に、枢密院議長を務め、長州閥陸軍や山県系官僚閥を背景に、最有力の元老として長期にわたり日本政治を動かした。本書は、山県の生涯を通して、興隆する近代日本の光と影を描く。

目次 : 第1章 政治的自我の形成―長州藩での台頭/ 第2章 近代的国民軍の建設―一八六八〜七八年/ 第3章 明治国家揺籃の時代―一八七八〜八七年/ 第4章 総理大臣、枢密院議長/ 第5章 権力の老練な操り師―一八九五〜一九〇〇年/ 第6章 懸崖に臨む―日露戦争/ 第7章 明治の終焉―一九〇五年〜一二年/ 第8章 世界政策、デモクラシーとの対峙―一九一二〜一八年/ 第9章 君主制の動揺とその死/ 終章 二一世紀に召喚される山県

【著者紹介】
小林道彦 : 1956年埼玉県熊谷市生まれ。88年中央大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。2000年京都大学博士(法学)。国立国会図書館委嘱研究員(憲政資料室)、北九州市立大学法学部・基盤教育センター教授などを経て、21年より北九州市立大学名誉教授。著書に共編著『歴史の桎梏を越えて』(千倉書房、2010年)第27回大平正芳記念賞特別賞共同受賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • skunk_c さん

    明治時代重職を担い続けた軍人政治家の評伝。高校の歴史総合教科書にも登場する「主権線と利益線」など、膨張主義的なイメージがあるが、本書ではそうした見方を丹念な論証で退けている。また超然主義内閣でも有名で、確かにかなりの議会嫌いではあったようだが、晩年は原敬を高く評価するなど、必ずしもそうした意識一辺倒ではなかったようだ。ただし藩閥権力を重視していたのは確かで、それ故に子飼いだったはずの桂太郎などが後に離れていく。またかなり振幅の大きな人物だが、金にはきれいだったようだ。といっても椿山荘の主人だけどね。

  • MUNEKAZ さん

    やっぱり山県は裏でこそっと動く部分が多くて、その辺が黒幕感を醸しだして印象良くないよねというのが素直な感想。第二次政権時で見せたような絶妙な調整能力こそ、この人のキモというか際立った部分だと思うので、同じ調整型の鬼のような原敬を評価したのは納得。大隈や伊藤のように理想を求めるのではなく、「尊王」を軸に自らの信じる国家像を守るために、愚直に尽くした生涯をよく伝えている。こういってはナンだが、明治帝より先に亡くなっていれば、もっと上向きの評価を得られたのではないかとも思ったり。時代に追い越されてしまった悲劇。

  • 健 さん

    ロシアと対峙するための陸軍の増強には熱心だったが、その軍隊の発動については極めて抑制的であったし、アメリカをはじめとした周辺国との協調にも積極的であったことが読み取れる。社会運動や、政党活動には批判的で、常に官僚の側に君臨し、天皇中心の国家建設を目指していたようだ。そのため、後世になって山縣有朋が軍国主義の権化であるかのような虚像が作り上げられたみたいだけど、晩年は右翼団体にも命を狙われていたというのだから、山縣有朋の事、かなり誤解していたような気がしてきた。

  • ジュンジュン さん

    陸軍の育ての親、山県閥を構築、死ぬまで権力者などからマイナスのイメージが強かったので、日露戦争前後までに挙げた功績は意外だった。多分、有朋は生きすぎたんだと思う。きっと明治と共に退場していたら、伊藤博文みたいに”お札の顔”になれたのでは?晩節を汚すとまでは言わないが、晩年の権力に固執する姿(イメージ)が今も彼の功績を覆い隠している。

  • nishiyan さん

    政治史学者岡義武から「明治日本の象徴」と評された山形有朋の評伝。武士階級の中で最下層に生まれた有朋が尊王に目覚め、下関での外国との戦いで開国論へと転身していく様はまさに明治を体現している。奇兵隊と途中で縁が切れたことで地縁ではない官僚派閥を形成するに至ったのは運の強さもあったのだろう。ただ権力を維持する過程で、桂太郎や児玉源太郎の離反があっただが…。長い軍人政治家生活の中で、揺るがなかったのは尊王だったというのは興味深かった。

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