蝕まれた虹 シリーズ日本語の醍醐味

小林美代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784904596081
ISBN 10 : 4904596080
フォーマット
出版社
発行年月
2014年02月
日本
追加情報
:
312p;20

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読書メーターレビュー

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  • 三柴ゆよし さん

    作者は中上健次の同人誌仲間で、『十九歳の地図』に出てくる「かさぶただらけのマリアさま」のモデルになった人だという。メニエール氏病と精神の不調を抱えて書き続け、「髪の花」で群像新人文学賞を受賞するが、1973年に服毒自殺。腐乱した遺体は、死後半年経って発見された。中上健次の慟哭に満ちた追悼文が残っている。「シリーズ 日本語の醍醐味」のなかではおそらく最も知名度の低い作家だと思うが、ではなにゆえ彼女が、藤枝静男や金子光晴といった日本語表現の極北に位置する作家と同列に並べられているのか、一読すればすぐわかる。

  • いやしの本棚 さん

    わたしはシルヴィア・プラスもアンナ・カヴァンも二階堂奥歯も共感しながら読んだが、小林美代子は彼女らとは違う。もっとどうしようもない。どうしようもなさのレベルが違う。彼女らの作品には、カリスマのような魅力がある。小林美代子にはない、何もない。「健全な頭も、若さも、自由も、肉親も、経済力も」。「蝕まれた虹」「髪の花」に描かれた孤独と絶望は、全きものであって、何の粉飾もない。悲しく、惨めで、みっともない。憧れる要素などひとかけらもない。これが心を病むことの真実だろうと思う。

  • 多聞 さん

    表題作と「幻境」がよかった。「髪の花」は入院していた頃を思い出して読むのが苦しかった。収録作の質が高く、もう少し生きて執筆を続けることができたら、よりよい評価を残すことができたと思うので、虚しさを覚えた。

  • さえきかずひこ さん

    『蝕まれた虹』、『幻境』は良い。

  • nightowl さん

    解説によれば、中上健次「十九歳の地図」に登場する<かさぶただらけのマリア>のモデルとのこと。同じ題材でも客観性のある皆川博子、突き抜けて透徹しているアンナ・カヴァンに比べると精神状態が生々しく割れた硝子の上を歩んでいるような危なっかしさが終始ある。"母上様へ"と精神病院の様子を手紙で綴る「髪の花」、文学賞受賞作家が次々やって来る相談者に苦悩する表題作、空襲後の惨状を書いた「灰儘」など生き難さと虚無の間を行ったり来たりするもがきに目を伏せて生きるな、と言われているような気がした。

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