足利事件 冤罪を証明した一冊のこの本 講談社文庫

小林篤

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062764582
ISBN 10 : 406276458X
フォーマット
出版社
発行年月
2009年09月
日本
追加情報
:
15cm,525p

商品説明

15年前から冤罪を訴え続けた著者!
どうして菅家さんは逮捕され、起訴され、刑務所に入らなければならなかったのか?克明な取材ですべてが明らかに

2009年6月、日本中が注目するなか、足利事件の菅家氏が17年ぶりに千葉刑務所から釈放された。著者は1994年から「現代」誌上で無実を訴え続け、この本によってすでにそれを証明していた。なぜ足利事件のような悲劇が起きたのか。綿密な取材で、その裏に潜むものを解き明かし、釈放のきっかけとなった著作。

足利冤罪事件の本質は、おそらくは自白の強要やDNA鑑定の危うさにあるのではない。問題はむしろ、それらの錯誤を産み出した、ぼくたちひとりひとりが抱える予断や偏見の視線にあるのだ。――<東浩紀 解説より>

〔「幼稚園バス運転手は幼女を殺したか」(草思社 2001年刊)の改題〕

内容詳細

09年6月、日本中が注目するなか、足利事件の菅家氏が17年ぶりに千葉刑務所から釈放された。著者は94年から「現代」誌上で無実を訴え続け、この本によってすでにそれを証明していた。なぜ足利事件のような悲劇が起きたのか。綿密な取材で、その裏に潜むものを解き明かし、釈放のきっかけとなった著作。

目次 : 控訴棄却/ 第1部 少なすぎる証拠(疑問/ 奇妙な供述/ 再現/ DNA鑑定/ 判決)/ 第2部 犯人でなければ困る(捜査/ 精神鑑定/ 逮捕/ 自白/ 闇)/ 叫び

【著者紹介】
小林篤 : 1954年生まれ。早稲田大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ころこ さん

    DNA鑑定と自白の信憑性が問題になった30年前の冤罪事件だが、清水潔の取材とは異なる観点と印象を持つ。被疑者となった菅家氏の自供が「羽毛のような軽さ」なのだ。警察に対して自ら詳細まで自供するが、裁判の証人尋問では検察と弁護士に対してはまたそれぞれ違うことを言う。本人の気持ちは「ついしゃべっちゃった」という感じらしい。彼はなぜそうなのかというと、境界知能にあるからだ。この30年で社会的弱者に対する政策と社会の視線は醸成された。しかし昔はそうではなかった。第7章からは彼の生い立ちが書かれている。世界の片隅でひ

  • 小鈴 さん

    小林篤は多数取材を手がけているが著作は2冊しかない。1冊がこの本、もう1冊が『see you again』。足利事件はDNA鑑定の再鑑定により冤罪が確定した事件だ。小林篤はこちらでも詳細な取材で警察ですら見つけられなかった犯行時間に公園にいた人や偽証を促された人を取材している。この本のヤマ場は、DNA鑑定の問題、なぜやってもいない犯罪を誘導や強要もされていないのに「やった」と言ったのか。この自白に裏付けはなく、犯人の決め手はDNA鑑定だけだった。この問題を指摘し、深掘りしたのが著者であった。

  • 肉尊 さん

    冤罪事件が何故起こったのか。その理由が多角的に推察されています。DNA鑑定の黎明期であったため鑑定は科学的根拠に基づいた絶対的なものとする風潮、住民の不安、警察の威信、予算問題など。裁判の中で、被告人は知能的に低いとみなされ、非常にプライベートな性的問題まで取りあげられます。被害者遺族の憎しみの対象とされ続けた本人は、被告人家族に対し自らの無実を訴え続けていきます。その叫びだけが真実であり、あとは全て虚像なのでした。人々の心の闇が作り出したこの冤罪という犯罪を二度と起こさないように我々ができることは?

  • Ikuto Nagura さん

    「捜査官の執念」「科学捜査の勝利」そんな修辞の正体は、何十年も前の“島田事件”や“狭山事件”から何も変わらない、知的障害者への差別による予断の糊塗に過ぎなかった。菅家さんの人生の破壊だけでなく、真犯人による再犯まで招いた責任は、警察も検察も裁判官も、そして我々も問われない。控訴審の傍聴席で老婆が高木裁判長に放つ「能力が低いのは、どっちだと思う」という辛辣な問いは、私自身にも突き刺さる。菅家さん逮捕による事件解決に歓喜した癖に、菅家さん冤罪に怒る矛盾の根源は、私たち自身の能力の低さと差別意識に由来するのだ。

  • キミ兄 さん

    連続する幼女殺人事件により地域からの犯人逮捕のプレッシャーが掛かったことが、捜査当局の判断を狂わせたのか。自分の意思で自白できない人がいることも認識が本当になかったのか。冤罪はえてしてそういうものだろうが、国の仕組みが正義を守れないのは本当に怖い。☆☆☆☆。

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人物・団体紹介

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小林篤

1954年、愛知県岡崎市生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。広告会社勤務ののち、1981年にルポライターとなる。主に事件や人物をテーマに週刊誌、月刊誌で記事を執筆。抜群の取材力を発揮し、数々の話題作を発表した。足利事件と併行して清人君事件を取材しつづけたため、本書はライター歴44年にして2冊目の著書と

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