伊達騒動と原田甲斐 読みなおす日本史

小林清治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784642065955
ISBN 10 : 4642065954
フォーマット
出版社
発行年月
2015年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
193p;19

内容詳細

江戸の三大お家騒動「伊達騒動」。事件を脚色した歌舞伎「伽羅先代萩」では悪役の仙台藩重臣原田甲斐だが、山本周五郎の小説『樅ノ木は残った』では忠臣とされた。真相はどうだったか。史料を丹念に読み解き史実に迫る。

目次 : “先代萩”と“樅ノ木”/ “伊達騒動実録”と“先代萩の真相”/ 発端―綱宗逼塞/ 綱宗をめぐる人びと/ 亀千代相続と兵部・右京の後見/ 原田甲斐の登場/ 党争の激化/ 谷地紛争おきる/ 伊達安芸、幕府に訴える/ 刃傷/ 結末―六十万石安泰/ 「伊達騒動」の真相―実像と虚像/ 「伊達騒動」と仙台藩体制

【著者紹介】
小林清治 : 1924年北海道に生まれる。1948年東北大学法文学部(国史専攻)卒業。福島大学教授、東北学院大学教授を歴任。2007年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ようはん さん

    タイトルに反して原田甲斐は伊達騒動の中だと刃傷事件以外は影が薄くどちらかといえば少し小悪党寄りの人という印象。他の藩と比較しても仙台藩は一門や譜代家臣の力が強い傾向で初代の政宗や二代目の忠宗の力で抑えられていた物が三代目の若い綱宗の時代で諸事情があったとはいえ家臣らによる強制隠居という事態に至り、幼年の四代目綱村にて家臣団の専横と対立が爆発したのが伊達騒動の背景か。

  • 鉄鍋 さん

    原田甲斐なる人物が如何なる極悪人なのか、はたまた御家を守った実は正義の味方なのか仙台人としてはその真相を糺すことが義務だと認識した。 しかし、その実態は原田甲斐なんて主人公でもなんでもなくて旧態依然とした仙台藩における群像の覇権争いだった。伊達安芸(改革派)と伊達兵部(保守派)を中心とした御家騒動はむしろ個人的欲の突っ張りあいでありむしろ徳川幕府にいいように金をせびられた果てに差し迫られた連中がそれぞれの想いで御家(プライベート)」を隆盛させようと頑張っていたのかもしれない。

  • Fumihiko Kimura さん

    70年に出た本の復刻。「伊達」さんだらけの登場人物で、誠に複雑な本事件を当時までに出ていた史料から、丁寧に描き出す。歌舞伎や小説で形成された虚構を剥がして出てきた、原田甲斐の一種平凡な人間像に納得。

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