相対化する知性 人工知能が世界の見方をどう変えるのか

小林慶一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784535559073
ISBN 10 : 4535559074
フォーマット
出版社
発行年月
2020年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
336p;19

内容詳細

私たちはどう生きるか。人工知能の進展により、ゆらぎはじめた人間の知性。新しい時代の教養。

目次 : 第1部 人工知能―ディープラーニングの新展開(人工知能のこれまで/ ディープラーニングとは何か/ ディープラーニングによる今後の技術進化/ 消費インテリジェンス/ 人間を超える人工知能)/ 第2部 人工知能と世界の見方―強い同型論(人工知能が「世界の見方」を変える/ 認知構造はどう変わろうとしているのか/ 強い同型論/ 強い同型論で知能を説明する/ 我々の「世界の見方」はどこからきてどこに向かうのか)/ 第3部 人工知能と社会―可謬性の哲学(人工知能と人間社会/ 自由主義の政治哲学が直面する課題/ 人工知能とイノベーションの正義論/ 世代間資産としての正義システム/ 自由の根拠としての可謬性)

【著者紹介】
西山圭太 : 1963年、東京都生まれ。1985年、東京大学法学部卒業後、通商産業省入省。1992年、オックスフォード大学哲学・政治学・経済学コース修了。中央大学大学院公共政策研究科客員教授、株式会社産業革新機構執行役員、経済産業省大臣官房審議官、東京電力ホールディングス株式会社取締役などを経て、経済産業研究所コンサルティングフェロー、経済産業省商務情報政策局長

松尾豊 : 1975年、香川県生まれ。1997年、東京大学工学部電子情報工学科卒業。2002年、東京大学大学院工学系研究科電子情報工学博士課程修了。博士(工学)。スタンフォード大学CSLI客員研究員、シンガポール国立大学(NUS)客員准教授などを経て、東京大学大学院工学系研究科教授

小林慶一郎 : 1966年、兵庫県生まれ。1991年、東京大学大学院計数工学科修士課程修了(工学修士)後、通商産業省入省。1998年8月シカゴ大学よりPh.D.(経済学)取得。経済産業研究所上席研究員、慶應義塾大学経済学部教授などを経て、公益財団法人東京財団政策研究所研究主幹。慶應義塾大学経済学部客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹などを兼務。著書:『日本経済の罠』(共著、日経・経済図書文化賞受賞、2001年)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Kentaro さん

    ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』[ハラリ、2016]には、「虚構を集団で信じる力」が人間社会を発展させたとあるが、二つのRNNという見方をすると、本来は知覚運動系RNNの従であったはずの記号系RNNが、知覚運動系RNNの軛を逃れ、知覚運動系RNNから半ば無関係に動くことができる変化が起きたといえるのかもしれない。かなり特殊な生態的地位(ニッチ)である。 さらに、記号系RNNだけが独立して働くようになったことで、目の前にない物事を想起する力が発達し、それが抽象度の高い思考を可能にしている。

  • kaze さん

    ディープラーニングとは何ぞやということが初めてわかった。この数年でAIが急激に進歩したと言われているのはそういうことだったのか。人工知能の進化とその研究によって、世界をどう捉えるかという哲学的な見方にも変化が起きる。著者たちは「強い同型論」というものを提唱している。『生物と無生物のあいだ』で読んだこととリンクしていて、おお!と感動してしまった。可謬性の哲学が人口に膾炙するように布教してくれる人が必要だと思った。

  • 海星梨 さん

    KU。難しいというのと、伝える気がない自己満は違う。一部はまぁ理解できるけど、二部三部、とくに二部は駄文。いろんな理論を引いてるけど、その理解がズレてるので何を言いたいかIミリもわからん。わたしは心理学専攻だったから、システム1とシステム2の下りがおかしい(両システムの対立は、システム1が差別にもつながるバイアスを含むため、システム2で判断を覆す必要がある)と気付いて、「ん? もしかしてほぼほぼ正しい理解せずにダラダラ書いてるだけか?」となった。結構ひどい。

  • Kyo-to-read さん

    第一部はAI技術について、数式やコードを書かずに説明した本の中ではこれ以上ないくらい詳細な解説だと思う。第二部以降は、思考実験的な色彩が強まるが、新しい知性の誕生に伴う人間の認知構造変化、認知構造の解析と応用可能性は興味深い。その他にもディープラーニングの「深い」構造と多数要素が意思決定に影響させる現実世界をリンクさせて考える点など思考実験を通じたブレイクスルーの可能性を感じさせる。個人的ハイライトは知覚運動と記号系の相互作用と解釈した意味理解のメカニズムと、4章にある嗜好理解のモデル化。

  • ぼの さん

    すーごい面白かった!!自分が感じてきたことはあながち間違ってなかったんだなと。「可謬性」という言葉を初めて知ったけど、「99.9%は仮説」ってやつだよね。けっこう当然だと思ってたけど、これからの時代もっと注目されていく考え方なのかも。

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