小川勝 (スポーツライター)

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東京オリンピック 「問題」の核心は何か 集英社新書

小川勝 (スポーツライター)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087208467
ISBN 10 : 408720846X
フォーマット
出版社
発行年月
2016年08月
日本
追加情報
:
185p;18

内容詳細

東京から世界に発信すべき「理念」とは。2020年への提言!

新国立競技場問題と公式エンブレム問題に始まった、一連のダークサイドの露呈に対して、私たちには、どのような態度を取ることが可能なのか。(中略)
このような、暗い側面の露呈が続く道のりにあって、それでもなお、私たちに語るべき言葉はあるのだろうか。そのような言葉を、求めていくほかはない。
うんざりして、諦めて、東京五輪を、政治家や官僚や大企業が利権の内部調整に終始するだけの巨大イベントにしてはならない。(本文より)


さまざまな「問題」が露呈する、2020年東京オリンピック・パラリンピック。
その開催に際して政府が示す「基本方針」は、日本選手に金メダルのノルマを課し、
不透明な経済効果を強調し、日本の国力を世界に誇示することなかりに固執する。
それらは、もっとも尊重すべき「オリンピック憲章」の理念とは相容れないものである。
二度目の開催地となる東京から、世界に発信すべき「理念」とは何なのか。
本書は、オリンピックの意義を根底から問い直す。

【目次】
序章 一九六四年の光と、二〇二〇年の影
第一章 オリンピックは「開催国のために行なう大会」ではない
第二章 オリンピックは「国同士の争い」ではない
第三章 オリンピックに「経済効果」を求めてはならない
終章 オリンピックの理念は「勝敗」ではない


【主な内容】
・政府の基本方針が示すのは「開催国の欲望」ばかり
・新国立競技場が受け継ぐべき「歴史」とは
・経済の盛衰とスポーツ選手の活躍は無関係である
・五輪の開催目的は「オリンピズム」への奉仕である
・「五輪より保育園」という声にどう向き合うのか
・メダルは国家のものではない
・金メダル数は、五輪における成果の基準なのか?
・「強い日本」より「フェアな日本」を
・「五輪の経費」の内訳
・二〇二〇年の「運営費」は、一九六四年の比ではない
・オリンピック憲章における、平和主義と反差別
・オリンピックの理念を体現した、浅田真央の演技


【著者紹介】
小川勝 (スポーツライター) : 1959年生まれ。スポーツライター。青山学院大学理工学部卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。プロ野球、メジャーリーグ、オリンピック取材などを担当し、編集委員に。2002年に独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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オリンピックの根源的な意義から東京五輪に...

投稿日:2021/03/10 (水)

オリンピックの根源的な意義から東京五輪について問い直す一冊。出場選手たちはオリンピズムの理念(平和の希求、差別の根絶など)を学び、体現する機会とするべきである。また、国家vs国家の競争ではなく個人戦・チーム戦であるという観点。その関連としてメダル数の競争はオリンピズムの理念からの逸脱であるし、メダル数が多ければスポーツ大国とは限らない(ブラジルと中国イギリスの好対照例)など、目から鱗の問題提起が満載であった。東京五輪に限らず、オリンピックに対する単純で平板な見方(国同士がメダル数の競い合い)から一歩進んで再考を促してくれる良著だった。

ポアンカレ さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さや さん

    様々な問題に絶えない東京オリンピック。だが私たちが捉えている問題はメディアにより示されたものであり、問題の本質は別にあるのではないかと考えさせられる。オリンピックの本来の目的とは何かについて考えさせられる。

  • mochi さん

    昨今のオリンピックの開催可否騒動により、手に取った。そもそも私はオリンピック招致の時点で反対だった。憲章などには立派なことが書かれているが、結局はきれいごとにしか感じられない。この本はわりと批判的に書かれているが、もっと裏事情があると思うので、正直なところ、もっと暴いてほしかったという気持ち。

  • T.Y. さん

    オリンピックは開催国の利益やアピールのために行うものではないし、選手あるいは団体同士の争いであって国同士の争いではない。重視すべきは歴史・文化・環境である。その意味で2020年東京オリンピックの政府方針には問題が多いことを、政府方針とオリンピック憲章を比較検証、また'64年五輪との対比も行って指摘。そして、本来のオリンピズムの精神に適ったスポーツ選手・スポーツ界にできることの提言。五輪が頂点とは限らない、競技の発展のためには五輪に依存すべきではないという最後の話も含めて、概ね納得できる内容であった。

  • そーすけ さん

    オリンピック憲章に則ったオリンピックにしようという主旨だが、オリンピック自体が腐りきっていると知ってしまった今となっては、牧歌的に思えてしまう。

  • あんさん さん

    日本へのメリットという側面がなければ招致に賛同する動きにはならなかったのだろうが、確かに国内向けには経済復活とかインバウンドとかが強調され、世界との連帯や人類への貢献みたいな言葉は聞かなかった気がする。とはいえ、こんな言葉は白々しくて馬鹿にされるんだろうなあ。経済や国威発楊も大事だが、精神レベルは貧困に感じてちょっと情けなくなった。

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小川勝 (スポーツライター)

1942年8月8日。千葉県船橋市に生まれる。千葉県立千葉高等学校、静岡大学工学部卒業。山九株式会社勤務。現在、Ikaruga ICES SGG会員として法隆寺観光ボランティアを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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