世界文学をケアで読み解く

小川公代

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022519290
ISBN 10 : 4022519290
フォーマット
出版社
発行年月
2023年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
240p;19

内容詳細

現代人が失いつつある“ケアの倫理”は世界の文学にあふれている。『ケアの倫理とエンパワメント』で注目される英文学者が、弱者と暴力と共生、SF的想像力、新しい男性性、死者の魂を手がかりに、ケアの思想的な源をさぐり、世界の文学を読み直す画期的な5つの問いかけ。

目次 : 今こそ“ケアの倫理”について考える―序論にかえて/ 第1章 現代人が失いつつあるものとしての“ケア”―思想史/ 第2章 弱者の視点から見る―暴力と共生の物語/ 第3章 SF的想像力が生み出すサバイバルの物語/ 第4章 “有害な男らしさ”に抗する文学を読む/ 第5章 死者の魂に思いを馳せる―想像力のいつくしみ/ 口をつぐむこと、弱くあることについて―あとがきにかえて

【著者紹介】
小川公代 : 1972年和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D)。専門は、ロマン主義文学、および医学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • フム さん

    『ケアの倫理とエンパワメント』がとても良かったので、新刊の情報を知って迷わず予約購入した。雑誌連載に加筆したものということで、前に読んだ本と重なるところも多かった。キャロルギリガンが『もう一つの声で』で提唱したケアの倫理は近代西洋哲学の価値観、自立する「正義の倫理」の対抗原理として打ち立てられた。弱さは強みにもなると書いたギリガンのケアの倫理に救われる人は多いと私も思った。様々な文学作品をケアを切り口に読み解く筆者の仕事にはこれからも注目したい。

  • 呼戯人 さん

    ケアの視点から世界文学、特に英米文学と日本文学を読み解く試み。男性性、家父長制、資本主義などによって見えなくされている、若者、子どもたち、病者、老人、障がい者たちに対するケアのあり方をとりわけヴァージニア・ウルフやトニ・モリスンなどを通じて、ケアの倫理を説いて行く。日本文学では、石牟礼道子の「苦界浄土」を説明して行く部分が感動的であった。著者も若い頃、セクハラの被害にあったことを告白しており、そうした弱者の視点からケアの倫理を獲得してきたことが語られる。良書。

  • チェアー さん

    日常でも文学でも、ケアを当たり前の「愛」や「献身」としてスルーし、埋没させてきた。いったん浮かび上がらせ、再度埋め込むと、これまでのようにスルーすることはなくなる。 ケアは価値を持つものだ。人間の本質に関わる価値を持つものだ。だからそれ単独で取り上げることも難しい。だから埋め込まれる。埋め込まれたことを知っている人と知らない人とでは世界の見え方はまったく違う。ケアがそこにあることを認識しないといけない。

  • kankoto さん

    「ケアの倫理」を通して様々な文学作品が紹介されている。一番感じ行ったのは第五章の 死者の魂に思いを馳せる - 想像力のいつくしみ で、最近よく考える、文学というものが存在する意義、文学を読む事の意味 と言う思いに答えの一つを示された様な気がした。  様々な立場の人たちに想いを寄せる行為というのは文学に出来る尊い事の一つだと思う。読んだ事のある作品、観たことのある映画など全く気が付かなかった部分を改めて気づかせて貰ったと同時に紹介されている様々な作品をこの視点で読んでみたいとも思った。

  • amanon さん

    初読だけでは未消化感が強かったため再読。改めて強者(≒男性、マジョリティ)の論理に絡め取られがちで、女性、弱者、マイノリティを一方的に劣った者とみなしがちな風潮の根強さ、そして自分自身がその論理とは無関係ではいられないという事実の重たさを痛感。巻末でも示唆されているとおり、ケアの価値がますます等閑にされ、強者の論理が横行しつつある昨今において、著者のようなスタンスをいかに世に知らしめることができるか?非常に難題ではあるが、草の根的に実践していくしかないのか。横臥者の視点、〈多孔的な自己〉は再考の余地あり。

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小川公代

1972年、和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)。専門は、ロマン主義文学、および医学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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