「なんで英語やるの?」の戦後史 “国民教育”としての英語、その伝統と成立過程

寺沢拓敬

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784327410889
ISBN 10 : 4327410888
フォーマット
出版社
発行年月
2014年02月
日本
追加情報
:
285p;21

内容詳細

私たちが受けてきた「英語」は必修教科ではなかった!必要に応じて履修すればよい選択科目だったにもかかわらず、英語は事実上の必修教科として扱われてきた。一体なぜそういう現象が起きたのかを検証しながら、国民教育としての英語教育の成立過程を分析する。「なんで英語やるの?」を問い続けてきた日本の戦後史を教育社会学的手法によって浮き彫りにして、あらためて国民教育としての英語教育の存在理由を問い直す。社会学的アプローチによる、まったく新しい実証的英語教育論の登場!

目次 : “国民教育”としての英語教育/ 第1部 “国民教育”としての英語教育が生まれるとき(「事実上の必修科目」の系譜/ 「英語=“国民教育”」をめぐる論争史)/ 第2部 「英語=“国民教育”」はなぜ生まれたか(高校入試・進学率上昇の影響/ 英語の必要性は増大したか/ 関係者の必修化運動/ 人口動態の影響/ 2つのジレンマ―大衆性と戦後教育思想/ 「社会の要求」の読み替えと「教養」言説/ 正しい英語学習vs.社会の要求)/ 自明性の起源と新たな英語教育目的論の創出に向けて

【著者紹介】
寺沢拓敬 : 1982年長野県に生まれる。2004年東京都立大学人文学部卒業。2013年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、国立音楽大学非常勤講師、博士(学術)。専門は言語社会学、応用言語学、外国語教育史。日本版総合的社会調査優秀論文賞(2008年)、東京大学社会科学研究所SSJDA優秀論文賞(2013年)、日本教育社会学会国際活動奨励(2013年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 壱萬弐仟縁 さん

    新進気鋭の英語研究者による、英語を英語を学ばせる理由を検討している (6頁脚注*2)。違和感があるのは、義務教育なら強制力、権力的な匂いがすることだ。農漁村、僻地の英語教育は解決されるべき問題として横たわっていた(17頁)。わたしは10年前に開発教育として世界史の授業を実践したことがある。あのとき、英語は使っていない。通信制高校の英語でもMDGsをやったことはある。本書は史的にデータを駆使しながら、我が国英語教育の変遷を辿っている。 

  • ステビア さん

    忙しい人は終章だけでよい。「高校入試制度の変更、人口動態・教員リソースの変化、そして、戦後初期の「英語=選択科目」を正当化していた概念が教育言説や社会・政治構造の変化により減退していくことによって、英語の事実上の必修化は、成立した。つまり、《国民教育》としての外国語科は、何らかの単一の要因ではなく、様々な社会的·人口的·制度的·政治的要因の複合的な結果によって生み出されたものである。」

  • Riopapa さん

    小学校英語に反対する人も中学校英語が必修であることには反対していない。自明だと思っていた英語の必修化が、様々な要因でできた偶然の産物であるということは、ある意味で驚き。日本的といえば日本的。

  • Nobu A さん

    英語の必須教科選定は2002年!?露ほども疑わず文法訳読法で苦手な英語を勉強した世代。若干38歳、新進気鋭の教育社会学者が今まで誰も行わなかった「謎解き」を試みる。文科省、全英連、日教組の駆け引き、著名人らの言説生成等、膨大な資料を注意深く検証し、明晰な考察で切り込み、誰も開けようとしなかった「謎」の蓋をこじ開ける。博論を基に書き直し。研究の賜物とは正に本著のこと。唯一のボヤキが論文調の250頁は認知負荷が強すぎたこと。後半流し読みだが面白かった。真実は小説より奇なり。最近気になる学者の1人に今後も期待。

  • kozawa さん

    本書の中心は中学の英語必修がどういう経緯で成立していったか。その中で交わされた英語教育論にも触れている。もちろん、日本の英語教育はどうあるべきかにも関心は払われていて、その点でも参考になる。また、英語以外の教科についての中高大学教育について語る上で、戦後の日本のそれがどういう経緯をたどったかを改めてみる意味でも十分に発見はあるのでは。何々って科目は何の役に立つの?そんな疑問を抱いたときにも、本書は直接「答え」を教えてくれるわけではないが、再考するための十分なヒントをも与えてくれるのでは。名著。必読。

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