天の夜曲 流転の海 第4部 新潮文庫

宮本輝

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101307534
ISBN 10 : 4101307539
フォーマット
出版社
発行年月
2005年04月
日本
追加情報
:
16cm,591p

内容詳細

昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。そして新しい仕事も順調にみえたが…。苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。

【著者紹介】
宮本輝 : 1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、’77年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「蛍川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため二年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ミカママ さん

    輝やんのライフワークその四。とり憑かれたように読まされているが、面白いのだ、仕方ない。しかしなんだな、この熊吾という男、なにをするにも行き当たりばったりなんだな。ホントはあんまり頭良くないのかも、と思い始めてきた。ダンサーのあけみとの一件しかり、久保敏松の件しかり。いつにも増して、長崎のロシア人墓地、満州の凍土で、部下のための墓を掘る熊吾などなど、ビジュアル的にも読ませる作品であった。そしてあまり頭は良くないにしても、嫁を殴らなくなったことは高く評価しようと思う(笑)

  • KAZOO さん

    この作品も第4部に入りました。様々なところでの生活が描かれるわけですね。今度は富山での生活です。子供との生活が結構描かれています。昭和30年代ということで私もこの時代は覚えています。最後に作者と児玉清さんの対談が収められています。最後まで児玉さんは読むことができなかったのですね。

  • takaichiro さん

    輝さんのライフワーク「流転の海」第4弾。中華料理店をつぶし、また息子の伸仁に多くの自然に触れさせたいと熊吾一家は富山へ。伸仁の成長は著しく20分の落語を暗記、自分なりにアレンジまでして聞かせたりする。シリーズスタートは終戦直後の混乱の中、何とか生き延びようと汗と埃にまみれた大阪の情景ばかり頭に浮かんだ。あれから20年が経過。輝さんも55歳。血眼に生きる人間の闘争心より、小さな幸せを大事に、人の優しさが一番尊いものと諭すシーンが増える。人が年をとり熟す時間の流れを読み進めている感覚。まだまだ物語は続く。

  • chikara さん

    「自分の自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」「約束は守らにゃあいけん」「丁寧な言葉を正しく喋れにゃあいけん」「弱いものをいじめちゃあいけん」「なにがどうなろうと、たいしたことはあらせん」素晴らしい言葉達が勇気を与えてくれました!簡単な言葉に真理は宿るのか。 雪の宿で「天の夜曲」を聴いてみたい。

  • かみぶくろ さん

    もはや松坂熊吾とその家族は自分の親戚みたいな気分になってしまっているので、徐々に下り坂を迎えている彼らの運命に自分事のようにハラハラしてしまう。生命力の衰えを感じる主人公熊吾だが、物語はようやく半分という驚き。この先、どうなってしまうのか。家族にだけ聞こえた夜の音色が、天からの啓示のようでとても美しい。

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人物・団体紹介

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宮本輝

1947年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、77年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため三年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』(全九部。毎日芸術賞)『春の夢』『優駿

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