八九六四 「天安門事件」は再び起きるか

安田峰俊

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041067352
ISBN 10 : 4041067359
フォーマット
出版社
発行年月
2018年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;20

内容詳細

一九八九年六月四日。変革の夢は戦車の前に砕け散った。台湾の民主化、東西ドイツの統一、ソ連崩壊の一つの要因ともされた天安門事件。毎年、六月四日前後の中国では治安警備が従来以上に強化される。スマホ決済の送金ですら「六四」「八九六四」元の金額指定が不可能になるほどだ。あの時、中国全土で数百万人の若者が民主化の声を上げていた。世界史に刻まれた運動に携わっていた者、傍観していた者、そして生まれてもいなかった現代の若者は、いま「八九六四」をどう見るのか?各国を巡り、地べたの労働者に社会の成功者、民主化運動の亡命者に当時のリーダーなど、六〇人以上を取材した大型ルポ。語り継ぐことを許されない歴史を忘れ去られる。これは、天安門の最後の記録といえるだろう。

目次 : 序章 君は八九六四を知っているか?/ 第1章 ふたつの北京/ 第2章 僕らの反抗と挫折/ 第3章 持たざる者たち/ 第4章 生真面目な抵抗者/ 第5章 「天安門の都」の変質/ 第6章 馬上、少年過ぐ/ 終章 未来への夢が終わった先に

【著者紹介】
安田峰俊 : 1982年滋賀県生まれ。ルポライター。立命館大学人文科学研究所客員研究員。立命館大学文学部(東洋史学専攻)卒業後、広島大学大学院文学研究科修士課程修了。一般企業勤務を経た後、著述業に。アジア、特に中華圏の社会・政治・文化事情について執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    第50回(2019年)大宅壮一ノンフィクション賞。 天安門事件を扱った作品である。 中国の今を つくった事件を どう見ているのか …巻頭の1989年の若者たちの写真が 心に痛い。 天安門事件は もう過去の話なのか?豊かに なった中国人は何を思うのか? あの時代の中国人が見た夢は 四半世紀が 過ぎ、叶ったのだろうか… かつてのリーダーたちが 辿った その後の人生も 印象的な作品だった。

  • hatayan さん

    1989年に中国で起きた天安門事件に関わった人たちにインタビューしたノンフィクション。事件は子どもが親に文句を言った行動。学生は釈迦の手のひらで動いていた孫悟空に過ぎなかった。25年以上の歳月を経て青年から壮年になった当事者の多くは、共産党が独裁する現状を受け容れ、事件が中国を変えることはなかったと振り返ります。一方、リーダー格の人物は民主化の運動を諦めず、間接的に中国共産党にしっぺ返しを食らわせた者もいました。 事件に関わった人たちの複雑な心情とその後の長い人生を生々しく感じ取ることのできる一冊です。

  • Willie the Wildcat さん

    「民主化」の美化と幻想。必ずしも、イデオロギー闘争ではないのがミソ。鎮圧2日前に、冷蔵庫のコンテナを準備した政府。”覚悟”の度合いは明白。故に、(一括りが失礼だが)同じ中華圏で発生した台湾、香港のデモとは一線を画すべきという気がする。国土の広さと経済成長の伸びしろにも、これらの地域とは差異。武力鎮圧が齎した功罪。腐敗・格差解消といった国民目線への回帰が「功」である一方、監視・言論統制が「罪」。但し、相対的幸福感は個々人、社会の主観。著者の決め付けるかのような一部論調には少なからず違和感。

  • まーくん さん

    天安門事件からすでに29年。当時テレビでその推移を見守っていたが、悲惨な結末が悲しかった。著者は事件に関わったかつての若者、”暴乱”のリーダーから地方で事件を伝え聞いた者まで、 様々な人々にインタビュー。顛末や真相に迫るというより、その後の彼らの人生を追い、その全体像や歴史的な意味を問う。学生リーダーで運動の挫折を責められ、失敗の責任を問われ続ける王丹の、自分の行動の理由や責任について向き合い続けることを「没有放棄(やめない)」という言葉が重い。一党独裁を守り経済発展に導いた中国共産党。歴史の評価は如何?

  • HANA さん

    1989年6月4日、一つの可能性が戦車の下に散ってからもう29年。本当に面白かった。あの天安門事件に参加した人々のその後をインタビューを通じて明らかにしているのだが、それが抜群に面白い。体制に迎合して社会的に成功した人、国外に脱出した人、運動に遅れてきた人、様々な立場の人を取材しているが、彼らの声を通じてこれまで単に歴史上の事件だった天安門事件が人々が参加した血の通ったものとして認識できたような気がする。政治的事件ではなく人々の営みとしての天安門、政治的に論ずる本ばかりの中で、本書は独特の光を放っている。

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