幽霊画と冥界 あやかしの世界

安村敏信

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582922646
ISBN 10 : 4582922643
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
追加情報
:
160p;29

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    文を書いた安藤敏信氏は只者でなし。「逢魔が時に現れた美しい幽女」か。説明が理路整然。最初の幽霊例が【北野天神縁起】に描かれた道真公の怨霊…鎮まりたまへ。幽霊画は男が少ないそうだが、表紙のこの男、数年前に全生庵で見て以来、一番。夜道を歩く時に持っていれば魔除になるなと思っていたら、p128「昔は蔵に幽霊画を置いて魔除にしたり泥棒避けにしていた」との話に頷く。小さんの寄付した伊藤晴雨コレクションはどれもいいが、特に「真景累ケ淵」見蕩れる。書店で見た翌日図書館で見つけて縁を感じ結局購入。この男、ほんといい

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    最初に「別冊太陽で真逆、幽霊画がテーマに取り上げられたのは初めてだ」というのに驚く。そして序文が妖怪・幽霊画関係でお馴染みの安村敏信氏が解説しているのが安心。今まで見たものも多かったが、見ていなかったものも知れたのが良かった。しかし、伊藤晴雨の幽霊画で「猫の怪談」がいっとう、怖い。これ、ホラー映画に出てもおかしくないタイプの表現だよね・・・。「後妻打ち」をテーマにした掛け軸が雨乞いに使われたのは、蔵に火災予防のために春画を入れるみたい。最後に東日本大震災のために行けなくなってしまった金性寺の復活を祈願する

  • HANA さん

    応挙や暁斎、伊藤晴雨から地方に伝わるものまで、まるまる一冊幽霊画を堪能できる。幽冥幽きものから恨みを全身で表現した凄みのあるものまで、収録作品も多様である。本書で初めて見て凄みを感じたのは青森に伝わる「後妻打ち」生々しさが半端じゃないというか…。他にも以前展覧会で実物の迫力に触れた伊藤晴雨の肉筆画や芳年の「うぶめ」、この分野だと外せない全生庵コレクション等、どの頁を捲っても満足。幽霊画が収められている寺院や東北における幽霊画の意味を探った記事も興味深く、今後幽霊画に触れる上で外せない一冊になりそうである。

  • 鯖 さん

    鈴木清一の「雪女図」はまろまゆの形な雪が顔の目鼻になってて、正直評価に困るぞこれ。応挙の幽霊画に肋骨にネズミが棲んでるやつがあって、エッ幽霊って実体あるの???ってなった。吉宗が娘の眼病治癒のため奉納した地獄極楽草紙は阿弥陀様たちが地獄に来迎して、往生ビームを放ちまくり、地獄に落ちた人を片っ端から往生させて、鬼が右往左往ビビってて面白かった。一番好きなのは芳年の「うぶめ」背中しかあらわじゃなくて、赤子も足しか見えないんだけど、無念さ、赤子を抱えての必死さ、諦念、いろんな感情を背中で語ってた。すごかった。

  • こぽぞう☆ さん

    図書館本。雑誌(別冊太陽も雑誌のくくり)は次の巻が出ないと、借り出せない。夏恒例のお化けの本はやっと借りれた。幽霊画は軸装された肉筆画が多い。単独で描かれるようになったのは円山応挙以降。昭和初期に秀作があったり。おどろおどろしい幽霊より美しい幽霊に惹かれる。地獄画(冥界画)は「鬼灯の冷徹」読んだ方が面白いかも。

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人物・団体紹介

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安村敏信

1978年、東北大学大学院修士課程日本美術史修了。1979年より板橋区立美術館勤務。2005年、館長。この間、狩野派の研究と作品の発掘に携わり、ユニークな展覧会を数多く企画。退職後は萬美術屋として各地の美術館や研究者の相談にのるなど活動中。2017年7月より北斎館館長就任

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