あやめ横丁の人々 講談社文庫

宇江佐真理

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062753333
ISBN 10 : 4062753332
フォーマット
出版社
発行年月
2006年03月
日本
追加情報
:
15cm,469p

内容詳細

婿入りの祝言の席上、妻に思い人のあることを知った大身旗本の三男坊、紀藤慎之介。逆上して間夫を斬り捨て、妻女を自害に至らしめた彼は、婚家のつけ狙うところとなり本所「あやめ横丁」に匿われる。だが堀に囲まれたこの町ときたら、場所も住人もみな何やら訳ありで…。練達の筆がさえる長編時代小説。

【著者紹介】
宇江佐真理 : 1949年函館生まれ。函館大谷女子短大卒。1995年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞。2000年、『深川恋物語』(集英社文庫)で吉川英治文学新人賞受賞。2001年、『余寒の雪』(文春文庫)で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • じいじ さん

    これまでの感触と違うぞ!と読了して思ったら〈あとがき〉で、その種明かしをしています。これは「新聞連載」で、「時代小説としてではなく、ファンタジーとして捉えて…」と、著者は新しい試みに挑戦したようです。主人公の旗本三男坊・慎之介が結婚式のあと「あやめ横丁」に匿われます。その理由・イキサツは読んでのお愉しみ…。つぎつぎにその「あやめ横丁」に事件が勃発。悲しさにホロリとさせられ、可笑しくて大いに笑わせてもらいました。慎之介とチャキチャキ娘の伊呂波(いろは)のカラミが大好きです。新しい宇江佐真理に出逢いました。

  • ふじさん さん

    慎之介が新婦を奪い去った男を切り殺し、逃げ込んだ先があやめ横町。悲惨な境遇や事件に巻き込まれた人々が集まる横町、そこに暮らす人々の人間模様をを軸に物語は展開し、慎之介の紀藤家の跡取りとなることで話は終わる。慎之介が身を寄せた宇治屋の権蔵、おたつ、伊呂波の結びつきは特に強く、火事で亡くなった時の哀しみは如何ほどものだったか。ありえない設定ではあるが、人情噺としては読み応えのある作品だった。

  • ぶんこ さん

    映画「卒業」のシーンが何度も浮かんで困りました。 結婚式の最中に花嫁を連れて行かれる・・映画では切なく美しかったのですが、取り残された側の事は考えていませんでした。 取り残された慎之介のとった行動。 考えさせられました。 ただ慎之介さんが、プライドが高いだけの冷たい人間でなかった事。 相手を思いやれる人だったのが救いでした。 仇討ちには仇討ちの連鎖が起き、幸せになれる人がいるのかと思っていたので、慎之介が子供達に我慢できる靭い人になるようにと教え込むのが印象的でした。

  • も さん

    横丁の人情溢れるほのぼの話かと思いきや、全然違った。命を狙われ、ワケあり者ばかりのあやめ横丁で暮らすことになった慎之介。町の人々の“ワケ”を知るごとに深く悩み、ずんと成長する姿が印象的でした。慎之介が横丁を去るとき、横丁の住人たちとこんなにも心を通わせていたのかと涙が滲みました。他人と関わって生きること、命のこと、人のためになにかをすること、色々なことを考えてしまうお話でした。まさにファンタジーですけど、私はけっこうすき。

  • shizuka さん

    あやめ横町の「あやめ」、花の名前と思いきや。訳ありな人々が暮らすこの横町にお武家の慎之介も匿われることになった。横町は横町、町人が普通に生活している。でもここにいるのには必ず意味がある。慎之介と一緒に一つ一つ、町人たちの過去を知っていく。知れば知る程愛おしくなる。みんな悪い人じゃないんだもの。伊呂波とのことは少し残念。あんな約束までして。伊呂波も辛かったろうけど、でも最期のこともあるし結果は良かったのかな。幸福なんて人それぞれ。慎之介の町人言葉、とても素敵。慎之介と町人の繋がりを強くするシンボルみたいで。

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人物・団体紹介

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宇江佐真理

1949年北海道生まれ。作家。95年に「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、01年に『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。15年逝去

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