左目に映る星 集英社文庫

奥田亜希子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087457872
ISBN 10 : 4087457877
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
追加情報
:
183p;16

内容詳細

唯一の理解者だった小学校の同級生・吉住君を想いながら、孤独を抱えて生きる26歳の早季子。他人に恋愛感情が持てず、刹那的な関係を繰り返していたある日、吉住君と自分と同じ癖を持つ宮内の存在を知り、会いたいと思うが、彼はアイドルのファン活動で忙しいという。彼と話すため、地方ライブに同行することにした早季子だったが…。奇妙で愛しい出会いの物語。第37回すばる文学賞受賞作。

【著者紹介】
奥田亜希子 : 1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒業。2013年、第37回すばる文学賞を『左目に映る星』(「アナザープラネット」を改題)で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • さてさて さん

    この作品で語られていく『孤独』というもののあり方、そして、その正体を突き詰めてもいくこの作品。そこには、『不同視』という自らの目の症状に強いこだわりの感情を抱きながら、それを意識した過去に囚われた一人の女性の姿が描かれていました。そんな彼女が出会った一人の男性との関わり合いの中で、小さくても大きな発見をする中に、ひとつの幸せに向かう女性の姿を垣間見るこの作品。とても繊細で乱暴に扱うと壊れてしまいそうな優しい感覚世界が展開する物語。そんな物語を絶妙に描く奥田亜希子さんの表現の上手さにも魅せられた作品でした。

  • おしゃべりメガネ さん

    文庫にて1年半ぶりの再読です。全体的に静かなトーンで淡々と進められる奥田さんの作風は、とてもクセになります。刹那的な出会いとその場かぎりの男性との限られた時間を過ごす26歳OL「早季子」は過去に出会った男性のコトが忘れられないまま、日々あてもなく過ごしています。ふとしたトキに自分と同じちょっと変わったクセを持つ「宮内」の存在を知り、彼と直接会いますが彼はアイドルオタクで、なかなかの変わりモノです。そんな彼と何度か会い続けているうちに「早季子」にはビミョーな変化がうまれてきます。二人の距離感が良かったです。

  • おかむー さん

    これは掘り出し物、大雑把にいえば拗らせ女子の自分探しではあるけれど、激しくはないもののじわじわと染みこむ作風で好感触。『よくできました』。幼い頃からの孤独感を理解してくれた吉住君に想いを残したまま26歳になった主人公・早季子はひとりの男との出会いをきっかけに少しづつ心がほぐれてゆく。「他人とは解り合えないもの」「あの頃のあのひとを想い続ける」考え方が身につまされすぎて刺さること刺さること。今はさすがにそのへんの懊悩は乗り越えたけれど、20代の俺なら真っ只中でしたよこっ恥ずかしい(;´∀`)

  • TAKA さん

    人ってみんな孤独ですからね。いかにも孤独ぶってるネガティブな女でも、突破口はあるんですよ。アイドルオタクの宮内が自分とは対極にいる人だからよけいに新鮮に映ったんだと思う。虚勢張らなくてよくなったじゃないかな。傷つくことを恐れてちゃなんも始まらない。自然のままでいいんじゃない。一昔前のすれ違いだらけの純愛みたいじゃね。

  • ユメ さん

    「人は一人ぼっちで、つまり、寂しいのは、当たり前のことなんかじゃないかって」吉住君の言葉を忘れられない早季子は、他人と刹那的な関係を繰り返す。だが、今の彼女に必要なのは、「人は孤独なものだ」という価値観を共有する代わりに歩み寄ることを端から諦めている人なのだろうか。価値観は一致しなくとも、思いをぶつけ合いたいと望める人なのではないだろうか。だから、宮内との出会いが早季子の世界に開けた風穴が清々しかった。人は孤独な存在なのだと理解することと、他者と繋がるのを諦めることは違うのだと、心に痛みを伴って刻まれる。

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奥田亜希子

1983年、愛知県生まれ。2013年『左目に映る星』ですばる文学賞を受賞しデビュー

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