「新しい時代」の文学論 夏目漱石、大江健三郎、そして3.11後へ NHKブックス

奥憲介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784140912805
ISBN 10 : 4140912804
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
追加情報
:
248p;19

内容詳細

「明治」「戦後」につづく第三の“裂け目”後を、文学はいかに引き受けるのか―気鋭の批評家が、「一個の生」をキーワードに私たちの生きる態度を問う、渾身の一冊!

目次 : はじめに―「新しい時代」から「新しい時代」へ/ 第1章 百年の淋しさ―漱石『こころ』からの呼びかけ(「淋しい人」からの手紙/ 「わたし」というたったひとつの個であるために/ 「淋しさ」が生む「恐ろしい力」/ 「先生」はなぜ死ななければならなかったのか/ 「新しい時代」のために)/ 第2章 遅れてきた者の遍歴―大江健三郎の戦後(戦後という「新しい時代」の発見/ 六〇年安保と主体回復への葛藤/ 戦後の総括の試み/ 損なわれた生の救済と再生)/ 第3章 「新しい時代」の文学に向けて―3・11の「その後」をどう生きるか(3・11が生んだ「その後」/ 更新していく生と手渡される生)/ おわりに―たったひとつの個の一回限りの生

【著者紹介】
奥憲介 : 1969年生まれ。文芸批評家。慶應義塾大学文学部卒業。東日本大震災、福島第一原発事故をきっかけに文学評論に取り組み始める。「開高健論―非当事者性というフロンティアを生きる」で2018年すばるクリティーク賞佳作。戦後文学、現代社会をテーマに文芸誌等に執筆をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • かふ さん

    明治の近代化を担った漱石、戦後民主主義に生きる希望を見出した大江健三郎、そして3.11の大地震以来の日本のパラダイムシフト(転換期)。そのなかで作家たちは何を考え表現してきたを大江健三郎の文学を中心に見ていく。大江健三郎が尊敬する井伏鱒二『黒い雨』は絶望の中にも自然の生業という行為を見出す。また戦後、大江健三郎が感銘したのはアメリカ文学の「ハックル・ベリーフィンの冒険」だった。そこに希望の文学という絶望する世界にも光を見出してゆくのが大江文学と読むのだった。初期短編が紹介されているので入門書としていいかも

  • 原玉幸子 さん

    「社会の転換点で文学が変わって来た」とは頷ける解説。「近代的自我の目覚め」と「戦争」が大きな転換点であり、その代表作家が夏目であり大江であることは、自分で思っていたことだったので正直嬉しかったのですが、「戦争の次の転換点は3・11だった」との著者の視点は意識はなかったです。大江以降の変容は、ここ!との転換点ではなく、個人や社会のだらだらとした変化の中で、例えば、ポストモダンとの切り口に紛れてしまった、と感じていました。それがどういったものかを探求したいとの思いは、アプローチの練り直しが必要となりました。

  • たろーたん さん

    印象深かった評論は、夏目漱石『こころ』と多和田葉子『献灯使』である。『こころ』は、友達Kを出し抜いてお嬢さんと結婚する先生の話。先生は、こうした自分の振る舞いは他者を顧みない「利己心の発現」であることを知る。このように、「人は内面の自由を希求しながら、自分であるとはどういうことなのか、そのために、何が獲得され、何が犠牲になるのか知らなければならないのか」というのが、漱石のテーマの「近代的自我の苦悶」である。(続)

  • rikoxyma さん

    「どうすれば時代の困難に抗し、損なわれた個と社会を再生する新しい生を生きうることができるのだろうか」

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奥憲介

1969年生まれ。文芸批評家。慶應義塾大学文学部卒業。東日本大震災、福島第一原発事故をきっかけに文学評論に取り組み始める。「開高健論―非当事者性というフロンティアを生きる」で2018年すばるクリティーク賞佳作。戦後文学、現代社会をテーマに文芸誌等に執筆をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に

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