歌というフィクション

大谷能生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784865031607
ISBN 10 : 486503160X
フォーマット
出版社
発行年月
2023年03月
日本
追加情報
:
691p;20

内容詳細

大谷音楽論の集大成、書き下ろし長編批評。まだ成立していない〈言語活動〉が、〈音楽の閾〉の中でその実現を待っている。近世・近代・戦後・現代を貫く《言葉と音楽の関係》に迫る真に独創的な日本語詩歌論。

目次:T 言語活動とうた|U 邦楽の方へ|V 「民衆」と音楽|W 土着化の過程|X 思い出せないことなど|Y リズムと身体と語りの変容|Z チューサン階級のトモ|[ J-POPまでの歌詞構造|\ うたのわかれ

大谷能生(おおたに・よしお)音楽家としてサックス/CDJ/PCなどを組み合わせた演奏で、多くのバンドやセッション、録音に参加。演劇・ダンス作品など舞台芸術にも深く関わる。主な著作:『憂鬱と官能を教えた学校』[菊地成孔との共著/河出書房新社/2004]、『貧しい音楽』[月曜社/2007]、『日本ジャズの誕生』[瀬川昌久との共著/青土社/2008]、『ジャズと自由は手をとって(地獄へ)行く』[本の雑誌社/2013]、『平岡正明論』[Pヴァイン/2018]、『平成日本の音楽の教科書』[新曜社/2019]、『ニッポンの音楽批評150年100冊』[立東舎/2021]など。

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読書メーターレビュー

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  • しゅん さん

    「「二度と起こらないことを繰り返す」というフィクションを共有することによって、はじめてぼくたちは、社会的存在として生きることが出来るようになるのである。」國枝誠記、吉本隆明、菅谷規矩雄の言語論を分析道具として、浪曲からラップまで、童謡から椎名林檎までの日本の「うた」を綴りまくっていくべらぼうな大著において、最後の宇多田ヒカルの章に登場する上記の言葉が大谷の立場を最もよく表している。仮想(フィクション)の反復という現象が、複製芸術と演奏の関係への尽きぬ興味と、鏡移しになっている本書の構造を支えているから。

  • しゅん さん

    少しずつ読みながら二周読み終えたのだが、とんでもない書物であると改めて思う。ポップミュージックと詩と芸能が共通に立つ位置としての「うた」の原理論と歴史論が、同時進行で書かれる。その中で、独創性を否定する内田裕也のロック思想や、アドルノにおける「集中的聴取」の内実や、橋本治の論をバネにした講談とサンラの「叙事詩」性などが語られる。その一つ一つの話が、一冊の本のネタになるような濃厚さ。しかも、全体が鏡移しの構造を持っている。あまりに雑多なのに、やたら統一感がある。まじで、どうやったらこんな本かけるんだ。

  • タイコウチ さん

    時枝誠記、吉本隆明、菅谷規矩雄の言語論・詩論を援用し、日本(日本語/日本社会)における歌(古代の祭式から始まり短歌・俳句、長唄・浪曲、民謡・童謡、歌謡曲・ロック・ラップまで)の成り立ちについて論じる。「反復を生み出すことによって世界を分割し、理解・共有することが出来るものにする装置」としての音楽を踏み台にして(=歌を通して)「われわれは、すでに失われたもの、まだ見出されていないもの、もともと存在していなかったものをふたたび有用化するための条件を整える」。一読しただけでは広範な議論と深い洞察を咀嚼しきれず。

  • yoyogi kazuo さん

    もう一冊の「Twitterにとって美とは何か」の理解に役立つかと思って読んでみたが、一読してその目的は未だ果たされず。音楽批評エッセイとして面白い箇所は多々あるものの、まとまった「論」としてはちょっととっちらかってる印象は否めず。菊地成孔が「令和軽薄体」と名付けた文体は好き。

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