ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉 都市と映画の物語 1980-2023

大森さわこ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784865592917
ISBN 10 : 4865592911
フォーマット
発行年月
2024年05月
日本
追加情報
:
604p;19

内容詳細

シネマスクエアとうきゅう、岩波ホール、シネ・ヴィヴァン六本木、シネマライズ、ユーロスペース、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座……
小さな劇場たちの“夢”の軌跡をたどった旅の記録。

1980年代初頭、
「ミニシアター」が日本の映画界に大きく花開いた。

バブル崩壊、シネコン襲来、リーマンショック、コロナ禍と、
逆風に翻弄されながらも、
新宿・六本木・渋谷・銀座・神保町・恵比寿などの街とともに
生きつづけてきたミニシアター。

同時代を並走してきた映画評論家が、
劇場や配給会社など当時の関係者たちの証言を集め、
彼らの情熱と映画への愛、数々の名画の記憶とともに、
都市と映画の「物語」をたどる著者渾身の書!

川本三郎さん(評論家)推薦!
「ミニシアターを「私の学校」として育った
 大森さわこさんの思いのこもった本書を読むと、
 あの時代に女性が輝いていたことに気づく」

●本書に登場するおもな映画館
シネマスクエアとうきゅう、岩波ホール、シネ・ヴィヴァン六本木、シネマライズ、ユーロスペース、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、シネセゾン渋谷、銀座テアトルシネマ、イメージフォーラム、恵比寿ガーデンシネマ……

●本書に登場するおもな映画
『ジェラシー』『ミツバチのささやき』『ゆきゆきて、神軍』『ストップ・メイキング・センス』『ベルリン・天使の詩』『八月の鯨』『モーリス』『ニュー・シネマ・パラダイス』『バグダッド・カフェ』『さらば、わが愛/覇王別姫』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『ポンヌフの恋人』『トレインスポッティング』『バッファロー’66』『アメリ』……


[目次]

まえがき──ミニシアターの旅のはじまり

第1章 未知数の1980年代──新しい夢のはじまり

 1981年|東京ミニシアター元年
 (1)新宿・シネマスクエアとうきゅう──企業のミニシアター第1号
 (2)六本木・俳優座シネマテン──初のレイトショー専門館
 (3)渋谷・パルコ・スペース・パート3──多目的ホールと映画上映

 六本木からのNEW WAVE
 ◎カルチャービル、WAVEとシネ・ヴィヴァン六本木の誕生

 渋谷の新しい可能性
 (1)ユーロスペースと『ゆきゆきて、神軍』の成功
 (2)渋谷の夜を変えた音楽映画『ストップ・メイキング・センス』

 1987年|銀座の巻き返しが始まる
 (1)シャンテシネと『ベルリン・天使の詩』の大ヒット
 (2)シネスイッチ銀座と『ニューシネマ・パラダイス』の記録的ロングラン

第2章 ブーム到来の1990年代──ミニシアターの暑い夏

 渋谷系の流行|宇田川町の暑い夏
 (1)シネマライズ──『トレインスポッティング』現象
 (2)シネセゾン渋谷──『グランブルー』リュック・ベッソン人気
 (3)シネクイント──『バッファロー’66』ヴィンセント・ギャロ・ブーム

 渋谷の文化施設|Bunkamura登場
 ◎東急系の大人の劇場、ル・シネマ

 住宅街のミニシアター
 ◎恵比寿ガーデンシネマの始まり

 神保町の元祖ミニシアター
 ◎絶好調の岩波ホール

第3章 変化する2000年代──夢のあと、新しい船出

 ミニシアターからシネコン時代へ
 ◎テオ・アンゲロプロスの遺作『エレニの帰郷』とフランス映画社の終焉

 ミニシアター最後の日
 (1)2013年5月31日 消える映画の聖地──銀座テアトルシネマ
 (2)2014年6月10日 街の名物劇場の終わり──吉祥寺バウスシアター
 (3)2016年1月7日 渋谷の青春、最後の夜──シネマライズ

 21世紀のミニシアターをめざす
 ◎四谷三丁目から渋谷へ──シアター・イメージフォーラム始動

 コロナ禍に起きたこと
 (1)2020年 緊急事態宣言と初の休館──4館を追って
 ──Bunkamuraル・シネマ、シアター・イメージフォーラム、
   シネスイッチ銀座、ユーロスペース
 (2)2021年 ライヴ映画の思わぬ成功
 ──新生シネクイントと『アメリカン・ユートピア』のロングラン
 (3)2022年 岩波ホール閉館──54年の歴史を終えて

あとがき──再訪(リヴィジテッド)の旅をおえて

作品名索引
人名索引


《著者情報》
大森 さわこ(オオモリ サワコ)
映画評論家、ジャーナリスト。1980年代より評論・取材・翻訳を手がける。
著書に『ロスト・シネマ 失われた「私」を求めて』(河出書房新社)、『キメ手はロック 映画101選』(音楽之友社)、『映画・眠れぬ夜のために』(フィルムアート社)。訳書に『ウディ・オン・アレン』『ウディ』(ともにキネマ旬報社)、『カルトムービー・クラシックス』(リブロポート社)ほか。雑誌『ミュージック・マガジン』、ウェブマガジン「CINEMORE」などにも寄稿。「SCREEN ONLINE」で「大森さわこの“英国・映画人File”」を連載。
キングストン大学(ロンドン)のケン・ラッセル学会のメンバーとして、研究書ReFocus: The Films of Ken Russell(Matthew Melia編、エディンバラ大学出版局)にも寄稿。

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  • 旅するランナー さん

    東京のミニシアター。80年代アートコンシャスな勃興期、90年代熱狂期から、映像コンテンツに対する意識変化とコロナ禍を経て今に至る潮流をリポートする。人とコンセプトとタイミングが結びつくと何かが始まる。日比谷シャンテシネと「ベルリン·天使の詩」、シネスイッチ銀座と「ニュー·シネマ·パラダイス」、渋谷シネクイント「メメント」の向かいのシネマライズで「アメリ」など、当時の熱量が伝わってくる。僕にとっては、閉館した岩波ホールでジョージアのテンギス·アブラゼ監督「祈り三部作」を観られたのが良い思い出になっています。

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