トロイアの真実 アナトリアの発掘現場からシュリーマンの実像を踏査する

大村幸弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784634640696
ISBN 10 : 4634640694
フォーマット
出版社
発行年月
2014年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
247p;19

内容詳細

エーゲ海に面したトルコのヒサルルック遺跡は、シュリーマンの発掘以後、1世紀以上にもわたりトロイアとして発掘されてきた。その根拠はみつかったといえるのだろうか。掘りつくされたヒサルルックが今なお多くの研究者を惹きつける理由は何か。日本の一考古学者が追う。

目次 : シュリーマンと私/ 第1章 トロイア再考/ 第2章 層序を理解しない発掘/ 第3章 シュリーマンの世界/ 第4章 虚構に隠された真実/ 第5章 ヒサルルックの周辺踏査/ 第6章 ヒサルルックの発掘/ 第7章 シュリーマン以後の発掘/ 第8章 アナトリアの後期青銅器時代の終焉/ 第9章 コルフマンが追い求めていたもの

【著者紹介】
大村幸弘 : 1946年生。早稲田大学第一文学部西洋史学科卒業。アンカラ大学言語歴史地理学部中近東考古学科博士課程修了、文学博士。1972年以来、トルコ各地の発掘調査に参加、現在、アナトリア考古学研究所所長

大村次郷 : 1941年生。多摩芸術学園写真科及び青山学院大学卒業。写真家・濱谷浩に師事。おもにオリエント、インド、中国、トルコなどを中心にフォト・ルポルタージュを手がける。NHKドキュメンタリー番組『シルクロード』『文明の道』その他のスチールを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Hiroki Nishizumi さん

    小アジア半島が実に多彩な歴史の重層する地域であることを再認識。シュリーマンへも疑念も理解出来る。興味深く読めた。

  • in medio tutissimus ibis. さん

    シュリーマンの当時としても現代から見てもけた外れの熱意は「シュリーマンなりのトロイア」ヒルルサック遺跡を発見させたが、とうとうそれを真実トロイアであるとは立証できなかった。決め手とされたながらその実トロイアの時代より千年もズレがある火事跡は、アナトリア全土で見いだされるヒッタイト滅亡時の災禍によるものと同様である。その轍を、遺跡を襲ったホメロスを夢見る多くの考古学者たちも踏んでいる。作者は、トロイアを立証するためには、その信念に不要と打ち捨てられた排土をこそ今一度ふるいにかけるべきではないかと述懐する。

  • uusak さん

    美しい写真が数多く掲載されており、最後で、写真家が作者の兄であると書いてあり納得した。また夫人も考古学者で現在トルコで活動しているとのこと。シュリーマンはトロイアを本当に見つけたということには疑問符がつくようだが、発掘にかけた情熱だけは間違いないようだ。

  • 陽香 さん

    20140330

  • yutaro13 さん

    トルコのヒサルルック遺跡は本当にトロイアなのか。シュリーマンの人生に触れつつ、アナトリアで長年発掘を行ってきた著者が真実に迫ろうとする、といっても重々しいルポではなく、遺跡や発掘品の写真も豊富で読みやすい仕上がり。近年シュリーマン批判が高まってるが、彼の発掘がトロイアに関する論争を巻き起こしたことは事実であり、それもまた彼の功績であろうとは著者の弁。本書後半、考古学的見地から、ヒッタイト滅亡が「海の民」によるものではないとあるが、これについて著者の仮説を書いてほしかった。「背景は不明」では落ち着かない。

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大村幸弘

岩手県生まれ。1972年以来、トルコ各地の発掘調査に参加、現在、アナトリア考古学研究所所長。著書・訳書に『鉄を生みだした帝国―ヒッタイト発掘』(講談社ノンフィクション賞受賞)、『アナトリア発掘記―カマン・カレホユック遺跡の二十年』、『ヒッタイト王国の発見』、『トロイアの真実―アナトリアの発掘現場から

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