ニクソンとキッシンジャー 現実主義外交とは何か 中公新書

大嶽秀夫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121022448
ISBN 10 : 4121022440
フォーマット
出版社
発行年月
2013年12月
日本
追加情報
:
212p;18

内容詳細

リチャード・ニクソンは一九六九年からの激動の五年半、アメリカ大統領として国際政治の表舞台に立っていた。現在、彼の名はウォーターゲート事件とともに記憶されているが、その任期中は、側近ヘンリー・キッシンジャーとともに、ソ連との関係修復、米中和解、ベトナム戦争終結という、冷戦期における外交上の大きな成果を挙げている。二人が構築した、現実主義に基づく外交戦略とは何だったのか、その真髄に迫る。

目次 : 第1章 ニクソン・キッシンジャー外交の基盤(「外交大統領」/ 準備期間と在任期間の長さ/ ニクソン・キッシンジャーの国際秩序観/ ニクソン・キッシンジャー外交の本質と評価/ パーソナリティ)/ 第2章 ニクソン大統領の対ソ戦略―戦略兵器制限条約(SALT)への道(核バランスの変化/ ニクソン政権によるデタント政策開始とソ連の事情/ ニクソンの戦略/ SALT締結への経過)/ 第3章 米中和解―ソ連と日本の脅威を梃子に(ニクソンの狙い/ 中国の国際認識/ 中国の内情/ 中ソ対立の激化/ 米中和解へ/ 中国にょるヴェトナム支援政策/ 対中接近の経緯/ その後の経過)/ 第4章 ヴェトナムからの撤退―中ソ対立の狭間で(一九六八年一月末〜テト攻勢/ 米軍の撤退とヴェトナム戦争の「ヴェトナム化」/ 和平交渉とエスカレーション1/ 和平交渉とエスカレーション2/ ソ連のヴェトナム援助/ 中国のヴェトナム支援と中越関係の展開)/ 第5章 「ネオリベラル・ポピュリズム」と「ナショナリズム」(ニクソンのポピュリズム/ ネオリベラリストとしてのニクソン/ ニクソンのナショナリズム)

【著者紹介】
大嶽秀夫 : 1943年岐阜県に生まれる。京都大学法学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。シカゴ大学、ハンブルク大学に留学。専修大学助教授、東北大学教授、京都大学教授等を経て、京都大学名誉教授、同士社女子大学客員教授(政治過程論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • coolflat さん

    ニクソンキッシンジャー外交(SALT、米中和解、ベトナム戦争)を解説している。70年代の米中ソの外交戦略が分かる。ポイントはソ連のスターリン批判に始まる中ソ対立だ。ニクソンキッシンジャー政策の基本は、米中ソの勢力均衡=地政学的思考にあり、全ては対ソ封じ込めにある。だがこの戦略の弱点は大国間の勢力均衡にしか頭にない事だ。米中接近はSALT締結を促した。しかしベトナム戦争でこの弱点が大きく響く。中ソを動かす事で、有利な解決を図ろうとしたが、実際は問題をこじらせる結果となった。地域紛争として解決すべき問題だった

  • ジュンジュン さん

    リチャードニクソンとヘンリーキッシンジャーが、二人三脚で成し遂げた外交(併せてニクシンジャー外交という)を、SALT締結、ニクソン訪中、ヴェトナムからの"名誉ある撤退"の三例、さらに二人のバックボーンを考察する。合理的、現実主義的に国益を追求しながら、根底には国家の名誉や誇りを重んじる矜持を持つ。反面、大国意識を持ち続け、冷戦の枠組みから逸脱できない。そんな進取性と限界を描き出す。

  • 中島直人 さん

    やはり実行力、決断力が大事。やってみなければ、何事も始まらない。無為無策により、結果的に無謀な戦争を始めてしまった日本の精神風土は、まさに愚の骨頂と云うべき。

  • はちこう さん

    なぜ蒋介石の国民党は米から見捨てられたのか。その背景を知りたくてこの本を手にする。当時の米は、中華民国よりもソ連や中国との関係、さらにはヴェトナム戦争の終結という問題の方が重要だったようだ。中ソが対立する中、米は中国に接近することが国益となり、中国にとってもソ連を牽制できるという中でニクソンの訪中が実現する。当時ニクソンに対し「台湾を売った」という批判もあった。残念ながら本書に蒋介石の名は一度しか登場しない。もう少し蒋介石とニクソンの関係についての記述が欲しかった。

  • おやまだ さん

    ニクソンとキッシンジャーはリアリストで大局的な戦略を持っていたとされるし、疲弊したアメリカがソ連・中国両国と和解したのは驚くべき成果だが、本当の長期的視野というのは当時から恐れられていた中国の台頭を抑え込むことであり、現代からの視座でそこに触れなかったのは片手落ちな気がする。独日の軍事的脅威論も杞憂に終わっているし、なにより第三世界への目配りが欠けていたのが致命的だった気がするが。

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大嶽秀夫

東北大学名誉教授、京都大学名誉教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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