偽史としての民俗学 柳田國男と異端の思想

大塚英志

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784048839761
ISBN 10 : 4048839764
フォーマット
出版社
発行年月
2007年05月
日本
追加情報
:
19cm,268p

内容詳細

民俗学は何を切り捨て、何を忘れ、民俗学となったのか。「偽史」「国家」「オカルト」「ファシズム」「妖怪」「国家」柳田國男と異端者たちとの交錯は何を生んだか。“千葉徳爾からの宿題”四部作の最後となる1冊。

【著者紹介】
大塚英志 : 1958年生まれ。筑波大学人文学類卒業。日本民俗学専攻。まんが原作者、評論家、編集者、神戸芸術工科大学先端芸術学部教授。『戦後まんがの表現空間』で第十六回サントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 佐倉 さん

    『怪談前後』に続いて。炭焼日記に書かれる柳田國男は日ユ同祖論や竹内文書に契丹古伝といった古史古伝を信奉する増田正雄、心霊主義者である岡田建文などといったオカルティストと親しくする姿が記録されている。国際連盟時代に遡れば後に『失われたムー大陸』の戦前の邦訳に際して大きな影響を与えた藤沢親雄と関係を結び、田山花袋の小説には安東水軍系の古文書に傾倒する姿が描かれる。偽史とナショナリズムがシナジーを持って熱狂した時代、実は柳田民俗学も偽史と近い位相にあったのではないか?という問いを論じていく一冊。

  • いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】 さん

    **注)民俗学**古神道、妖怪ネタの小説読解の為に読了。民俗学設立の際『オカルト、妖怪、国家』から柳田國男は何を見たのか?と言う内容。ネタバレ回避ですと彼は大正の大嘗祭で大礼使事務官として奉仕する一方、民俗学者として知見を深め、儀式の聖樹の下で御杖を手に託宣する巫女こそが最初の神聖王と帰結した話は大和王権以前の和ファンタジー元ネタ代表格です。卑弥呼(170年頃)〜大和朝廷(3世紀頃)の天皇が日本の統治者ではない空白地帯の和ファンタジーは数こそ少ないですが存在します。読解の資料としてご関心のある方にお勧め。

  • Z さん

    科学的な分析もなければ特に特定の歴史を掘り下げる訳でもなく、前書きもない、本として体裁が悪かったが、部分部分面白かった。田山花袋に柳田ものと呼ばれる柳田国男を登場させたような作品群があり、柳田、藤村、花袋が一緒に新体詩作っていた頃、柳田をロマンチックな美少年風に書いていたなんておどろいた。右翼の人脈に偽史に関心ある人が多かったことと大東亜共栄圏を目的に日本人ののきげんを変容させるような動きがあったようなことを書いていたがたいして掘り下げられず。全体的にはどうでもいい本。

  • mock-shiki さん

    これで4部作読了。民俗学が‘成立’していく中で、抱えたモノそぎ落としたモノ。また、あり得た(る)かもしれないモノ、等々。このシリーズに対する民俗学界隈での反応ってどうだったのだろう。

  • pyonko さん

    面白いのだけれど知識が付いていかず、 中途半端に終わった。 いずれ再読したい。 GHQ占領下において民俗学を活用しようとしたという 考え方は興味深い。

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大塚英志

国際日本文化研究センター名誉教授。研究者としての専門領域は戦時下大衆文化研究。まんが原作者としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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