菜穂子/楡の家 新潮文庫 改版

堀辰雄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101004051
ISBN 10 : 4101004056
フォーマット
出版社
発行年月
1982年06月
日本
追加情報
:
16cm,188p

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読書メーターレビュー

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  • 新地学@児童書病発動中 さん

    再読。一度目に読んだ時と全く違う印象を持ったので驚いた。軽井沢、結核の療養所、楡の木と言ったロマンチックな道具立ては揃っているのでその雰囲気に酔ったのかもしれない。しかしこの小説はロマンチックなものではなく、生の苦さを描くものだと気付いた。登場人物はみんな孤独で他人とのつながりが希薄になっている。堀辰雄が言う「ロマン」というのはロマンチックな物語ではなく、本格的な小説という意味のロマンなのだろう。トルストイやバルザックの書いた大長編(=ロマン)にくらべたら短い小説だし、登場人物の掘り下げも浅い。続く 

  • Miyoshi Hirotaka さん

    不幸な結婚をしたヒロインが、幼馴染との再会をきっかけに自分自身の偽りに気付き、自分らしさを求めて葛藤する様子が美しく厳しい信州の自然を舞台に描かれる。結核が国民病だった頃、死は身近だった。容赦なく忍び寄る死の影に一瞬だけ浮かび上がる生の輝き。それは、光に近づくほど濃くなる影に似ている。人生の残り時間を知れば、生きた証しとして求めたくなるものだが、本当は誰もが求めるべきもの。本当の自分はそこにあるからだ。少ない機会と選択肢の中での決断が潔い。死の深淵に引き込まれつつも最後に暖かさと希望を感じさせてくれる。

  • 優希 さん

    美しく叙情的ながらもどこかしら悲壮感が漂うのは、「命」と「死」が描かれているからでしょう。心が抉られるような痛みを感じます。

  • Gotoran さん

    いつの間にか母親との間に深い溝ができ、解消することなくそのまま好きでもない男と結婚していく主人公の菜穂子。菜穂子と母の確執、作家森への感情を素直に受容しない母。菜穂子の夫圭介。菜穂子を想う幼馴染の青年都築明。などなど。美しく厳しい信州の自然を背景にして、登場人物、夫々の想い、心の中での葛藤や心情などが精緻に描かれている。 生への葛藤を描いた堀辰雄の晩年の作品を読んでみた。

  • いたろう さん

    (再読)「菜穂子」は、既に小説家としての地位を確固たるものにしていた堀辰雄が、自身「初めての小説らしい小説」と称した作品。確かに、それまでの堀作品は、自らの経験が基になっていたり、登場人物にモデルと思しき人物がいたりしたが、この主人公、菜穂子は、その前談「楡の家」で、芥川龍之介が恋した片山夫人の娘、總子という、れっきとしたモデルがあったものの、「菜穂子」ではモデルから離れ、本格的なフィクションの登場人物として、堀辰雄の世界を形作っている。ここには、堀辰雄が意識して行った「創作」が結実している。

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