不道徳お母さん講座 私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか

堀越英美

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309027159
ISBN 10 : 4309027156
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;19

内容詳細

2018年、小学校で道徳が正式教科に!!ごんぎつねに感動させてどうする気?不肖母さんライターがモノ申す、日本の「道徳」解体新書。

目次 : 第1章 読書と「道徳」(道徳教育のための読書/ かつて小説は有害メディアだった―明治二〇年代までの小説観/ バイオレンス上等!日本児童文学の夜明け/ 少年雑誌で作られた男らしさ規範/ 婦徳から「愛され」道徳へ/ 文学で「堕落」した若者たち―自我の目覚めと修身/ 俗悪バッシングと推薦図書の誕生)/ 第2章 「道徳」としての母(自己犠牲する母はなぜ「泣ける」のか/ 母性幻想の誕生/ 母性による女性解放/ 母性と愛国)/ 第3章 感動する「道徳」(二分の一成人式とママへの感謝が育むもの/ 巨大組体操は誰のため?/ ありのままは本当にありのままか/ ごんぎつねは二度死ぬ―国語教科書が悲しい理由)

【著者紹介】
堀越英美 : 1973年生まれ。ライター。早稲田大学第一文学部卒業。著書に『萌える日本文学』(幻冬舎)、『女の子は本当にピンクが好きなのか』(ele−king books)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • たかこ さん

    深かった。勝手にお母さんが真面目に生きすぎなくてもいいよ、みたいな本かと思って読み始めたら…とても学術的な本でした!道徳教育の歴史、特に明治後期からの国家の思惑が教育に反映されていく様は読んでいて圧巻。そういう時代をへて、今の私たちがあるんだな、としみじみ。明治32年の高等女学校令からの「良妻賢母教育」に始まり、母性の神聖化、「伝統」「自己犠牲」の母性幻想。母性礼賛から国の青年兵士の滅私奉公、燃ゆる愛国心、国家主義への転化…。教育は国家が主導するものだけれども、教育の在り方が人を育てるんだよね。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    かつて読書の楽しみは読み聞かせによる家族での分かち合いだった。識字率の向上と出版点数の増加により、読書は音読から黙読へと変化した。しかし、これにより、伝統的規範に抗い、個人としてものを考える「自我に目覚めた人間」を多数生み出した。一方、彼らは「煩悶青年」とか「堕落女学生」となり、問題も発生。このため文学者が黙読時代に相応しい作品を創作、児童文学の基礎を築いた。テーマは、立身出世、良妻賢母、滅私奉公など。戦後は、この分野にも左右の対立が持ち込まれ、国語教科書を舞台に作品の削除や表現の差し替えが行われている。

  • おかむら さん

    我が子に無償の愛を注ぐ母のイメージ(道徳観)はどのように作られたのかを検証。明治時代から文献を調べる不道徳なのに真面目な内容だけど所々にはさまるツッコミが楽しい。そして最近多くの小学校でやってるらしい二分の一成人式、気持ちわりー。我が子のときに無くて助かった。なんでみんなそんな感動して泣きたいの? とあらゆる式で泣いたことがない私はかねがね不思議。

  • おさむ さん

    題名に偽りあり(特に副題)ですね。明治、大正期の児童文学の歴史を検証して、いかに「道徳」が作られたかを説くという比較的真面目な内容です。軽い気持ちで本を読むと、裏切られるかも。私達がよく知る桃太郎や浦島太郎といった昔話すらも、さまざまな改ざん(?)が重ねられているというエピソードはなかなか興味深い。ただ、二分の一成人式や巨大組体操の話など多くの話題をてんこ盛りし過ぎており、逆に散漫になってしまっているのがちと残念。斜め読みでした。

  • assam2005 さん

    一部、内容とタイトルに齟齬があるようにも思えましたが…。「子供に対する無償の愛を課せられた」母親像に引っ掛かりを感じる。何故父親には課せられないのか。植え付けられた意識なのだと自覚すると何となく寂しく感じます。そして、二分の一成人式や作文の学校側の意図についても、「誰のためか」を考えると一気に冷めて見える。親や年齢、肩書で尊敬することを覚えさせてしまうことは、本心と見せかけの二面をあわせ持ち、使い分けろと言ってるように思えた。知らぬ間に意識を植え付ける教育って怖い…。

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