ミシェル城館の人 第1部 争乱の時代 集英社文庫

堀田善衛

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087477498
ISBN 10 : 4087477495
フォーマット
出版社
発行年月
2004年10月
日本
追加情報
:
16cm,466p

内容詳細

不朽の名著「エセー」の著者モンテーニュはどのようにして自らの精神を確立していったのか。彼が生きた16世紀は後にルネサンスと呼ばれたが、この時代はまた、イデオロギー抗争が渦を巻き、暴動、虐殺、陰謀がうごめく時代でもあった。モンテーニュは、樅の巨木の生い繁る城館で、自らの思想を深めていった。長編“モンテーニュ三部作”第一部。

【著者紹介】
堀田善衛 : 1918〜1998。富山県生。慶大仏文科卒。広い視野と独自の文明批評に貫かれた多くの作品を発表。その作家活動は世界的に高く評価された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NAO さん

    16世紀は、カトリーヌ・ド・メディシスによって王権が不安定に揺れ動き、長引く宗教戦争にフランスが疲弊した時代。裕福な商人だった祖父がモンテーニュの領地を買い取って貴族と成り上がったように、フランスの貴族世界も大きく変化していた。落ち着きのない騒乱の時代に、他者から切り離されラテン語の身で育てられた少年ミシェル。この本では、『エセー』には書かれていない裏事情まで詳しく記されており、ミシェルの生きた時代や彼の精神構造のバックボーンとなるものが本当によく分かり、『エセー』で書かれていることがいっそう深いものに。

  • 松本直哉 さん

    ラテン語とフランス語、ボルドーとパリ、カトリックとプロテスタント、貴族と庶民、勉学と色欲など、様々の二重性を生きるのを余儀なくされたこの男には、不変の真理への追求よりもむしろ、物事を離れた場所から相対的な様相のもとで観察するほうが性に合っていたのだろう。ボルドー近郊のモンセギュールでの改革派信徒の大量虐殺は、数世紀前の同じ場所でのカタリ派弾圧の歴史を想起させずにはおかない。表向きはカトリックを信奉しつつも、宗教ゆえの殺し合いを間近に見聞きした彼が、38歳の若さで濁世から隠居したのも理解できる。

  • 呼戯人 さん

    堀田善衛は大部のゴヤの評伝を書くために、スペインに長く住んだように、このミッシェル・ド・モンテーニュの人と時代を書くためにフランスに住んだのだろうか。長くフランス文学に親しんだ堀田の力量が遺憾なく発揮された大作。フランス・ルネサンスの騒然とした時代に成り上がり貴族の息子として生まれたミッシェルが、ラテン語教育を受けて、疎外感を抱きつつ育ってゆく様子が描かれる。ミッシェルの唯一の著作「エセー」は、後に、デカルトやスピノザに大きな影響を与えた。現代でも、エリック・ホッファーのように暗記するまで読む人がいる。

  • 風に吹かれて さん

    16世紀は争乱の時代だった。フランス、イギリス、ドイツ、スペインなど権力を得ようとする人々同士の複雑な婚姻関係から、必然的にひとつの国の問題はヨーロッパ全体の問題になっていった。そういった時代とフランスの貴族モンテーニュの生涯を、幅広い読書や思索を踏まえて描く。その時代状況、その時代に生きていた人々、時代の変化など、堀田氏の視線の向けどころが興味を惹く。時代状況を丹念に描いた第一部は、モンテーニュがボルドウ高等法院審議官を辞するときまで。

  • 朝乃湿原 さん

    『エセー』の復習のための読書。第一巻「争乱の時代」はミシェルの曾祖父からミシェル38歳の引退までが舞台。16世紀フランスの国内はまさに混沌複雑であり、アンリやらピエールやら同じ名前の人物が登場するので、把握するのに難儀した。しかし『エセー』からの引用文とその背景については、同書を予め読んでおいたので、深く理解できたように思える。それにしても宗教戦争といいながら、宗教と信仰は国権争いの二の次であったのには驚く。モンテーニュ領の周辺はプロテスタント派によって満たされており、カトリックのミシェルには大変脅威だっ

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人物・団体紹介

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堀田善衛

1918年、富山県高岡市に生まれる。慶応大学文学部フランス文学科を卒業。1952年、「広場の孤独」その他の作品により芥川賞を受賞。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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