興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地 講談社学術文庫

土肥恒之

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062923866
ISBN 10 : 4062923866
フォーマット
出版社
発行年月
2016年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
400p;15

内容詳細

ヨーロッパとアジアの間で、皇帝たちは揺れ続けた。大改革を強行したピョートル大帝と女帝エカテリーナ二世、革命の中で銃殺されたニコライ二世一家。民衆の期待に応えて「よきツァーリ」たらんと奮闘したロマノフ家の群像と、その継承国家・ソ連邦の七四年間を含む、広大無辺を誇る多民族国家の通史。暗殺と謀略、テロと革命に彩られた権力のドラマ。

目次 : 第1章 中世のロシア/ 第2章 ロマノフ王朝の誕生/ 第3章 ピョートル大帝の「革命」/ 第4章 女帝の世紀/ 第5章 ツァーリたちの試練/ 第6章 近代化のジレンマ/ 第7章 拡大する「植民地帝国」/ 第8章 戦争、革命、そして帝政の最期/ 第9章 王朝なき帝国

【著者紹介】
土肥恒之 : 1947年北海道生まれ。小樽商科大学卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。一橋大学大学院社会学研究科教授を経て、一橋大学名誉教授。社会学博士。専門はロシア社会史、史学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    ロマノフ王朝の帝政を軸に中世・近代ロシアの歴史を語った本。題名に大地とあるように、やはりロシアは広大な領地のことが思い描かれる。キエフやモスクワを起点に南方、東方へ拡大していく歴史のながれ。ピョートル1世による西欧主義化、エカテリーナ2世による啓蒙主義を経て近代的な大国化するも、社会基盤の安定よりも主義先行の専制維持が優先され、常に社会的に不安定な要素をはらんでいたように感じられた。タタールのくびきによる長年の防衛意識の影響も無視できない。地政学が国の歴史に与える影響は大きいのだと改めて感じた。

  • 優希 さん

    ロシア・ロマノフ王朝と銘打っていますが、ざっくり言えば帝政ロシアの歴史といった感じでした。ロマノフ家によるロマノフ王朝の建立からソビエト連邦への継承とその崩壊までが述べられています。ロシア史に焦点を絞っているので、非常にわかりやすく且つ専門的にロシア帝国の歴史を押さえられると思いました。ロマノフ家の群像、ソビエト連邦の通史、暗殺と謀略に革命に彩られたロシア帝国の流れを見ていくと、複雑な歴史を背景に抱えた国なのだなと実感させられます。権力が渦巻いたが故に崩壊していった国なのですね。

  • ころこ さん

    キリスト教の受容が政治的な問題となっている一方で、その後にフランス革命の影響を受けたデカブリストの蜂起、そして共産主義に振れる極端で不器用な感じは、広大な国土の農民を管理するためには確かに必要だったのかと思わせます。中国と共通しているのは国土の広さで、上手くいったのはキューバのような小国です。なぜモノを考える人は共産主義に共感し、それを実現しようとしてしまうのか。現在、我々がただ傍観者としているしかないブレグジットが必然的にみえないように、ロシア革命も必然的にはみえないのですが。

  • 加納恭史 さん

    スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ著「戦争は女の顔をしていない」は読んだが、独ソ戦で活躍した少女の狙撃兵はその後幸福になったのだろうか?疑問が残った。次に詩人プーシキンの「大尉の娘」や伝記も読む。次に「ソ連史」なども読むが、ロシア全体の歴史はどうなんだろうと思う。そこでこの本を読んでいるのだが、やっとダイナミックな物語がある。その第一はピョートル大帝の「革命」なのだろう。良し悪し抜きに面白い。次は啓蒙君主エカテリーナ二世。女帝君主と寵臣ポチョムキンとの愛欲もある。更に最近のゴルバチョフまでの混乱まである。

  • em さん

    ロマノフ朝を中心に、ざっくりと中世〜現代まで。むかしアンリ・トロワイヤの伝記ものにはまっていたことがあり、その時は他国はこの頃…という視点がなかったのですが、今回は特にオスマン帝国(の、西欧に対する意識や態度)に思いを馳せつつ読んでいました。〈貴族も民衆も「強いツァーリ」に期待するところがあった〉という一文は印象的。強すぎる指導者を嫌う国もあったり、こうした傾向にはたいてい揺り戻しがあるところ、ロシアでは今も…というのは、一筋縄ではいかない要素が絡み合っているのだなと。

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