言語が消滅する前に 「人間らしさ」をいかに取り戻すか? 幻冬舎新書

國分功一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784344986367
ISBN 10 : 4344986369
フォーマット
出版社
発行年月
2021年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
210p;18

内容詳細

人間が言語に規定された存在であることは、二〇世紀の哲学の前提だった。二一世紀に入って二〇年が過ぎたいま、コミュニケーションにおける言葉の価値は低下し、“言語を使う存在”という人間の定義も有効性を失いつつある。確かに人間は言語というくびきから解き放たれた。だが、それは「人間らしさ」の喪失ではなかろうか?―情動・ポピュリズム・エビデンス中心主義の台頭、右・左ではない新たな分断。コロナ禍で加速した世界の根本変化について、いま最も注目される二人の哲学者が、深く自由に精緻に語り合う。

目次 : 第1章 意志は存在するのか―『中動態の世界』から考える(「する」か「される」かではない行為/ 意志という概念の矛盾 ほか)/ 第2章 何のために勉強するのか―『勉強の哲学』から考える(メタ自己啓発としての『勉強の哲学』/ 教わることそのものの重要さ ほか)/ 第3章 「権威主義なき権威」の可能性(ムラ的コミュニケーションの規範化/ エビデンス主義の背景にある言葉の価値低下 ほか)/ 第4章 情動の時代のポピュリズム(人間はもはや言語によって規定されていない/ 直接的な情動喚起の時代 ほか)/ 第5章 エビデンス主義を超えて(「炎上」したアガンベンのコロナ発言/ 右・左とは違う新たな分割線 ほか)

【著者紹介】
国分功一郎 : 1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。専門は哲学・現代思想。著書『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、第二回紀伊國屋じんぶん大賞受賞、増補新版:太田出版)、『中動態の世界』(医学書院、第一六回小林秀雄賞受賞)など

千葉雅也 : 1978年、栃木県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。専門は哲学・表象文化論。著書に『動きすぎてはいけない』(河出書房新社、第四回紀伊國屋じんぶん大賞、第五回表象文化論学会賞受賞)『デッドライン』(新潮社、第四一回野間文芸新人賞受賞、第一六二回芥川賞候補)『オーバーヒート』(新潮社、「オーバーヒート」第一六五回芥川賞候補、「マジックミラー」第四五回川端康成文学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • けんとまん1007 さん

    かねてより哲学は、日々の営みの中にあると思っている。さらに、今の状況を考えると言語化することへの危機感がある。言葉が軽んじられ、意味の無い情動的なものだけが跋扈しているからだ。そんな思いを、整理し勇気を貰った。ここ数年の世情が明確に分析されているのが素晴らしい。文字・画像・動画・・いろいろあるが、最後は、やはり言葉だと思っている。「人倫」という2文字が心に残る。ここを忘れてしまった人の姿。また、エビデンスに頼る・・実は、そこに逃げているという指摘も納得。自分の頭を絞ろうと思う。

  • うえぽん さん

    2017〜2021年にかけて5度に亘る2人の第一線哲学者の対話を収録。シリーズものではないが、言語の力の衰退が通底認識。重要な問いとして受け止めた議論としては、崩壊しつつある「権威主義なき権威」をどう再生させるかと、エビデンス主義や法務的発想は民主主義的側面もあるが責任回避が過剰であり、重層的時間の中での正義を目指すべきというもの。「中動態の世界」と「勉強の哲学」という各々の著書の紹介も語学を含めた「勉強」欲を刺激する。ネオ民主主義論やデータ万能論に欠落している言葉や話し方の重要性に気付かされる対話集。

  • ころこ さん

    超絶にベタな組み合わせの対談ですが、集英社新書やNHK出版新書ではなく幻冬舎新書であることに、ふたりのそれこそ中動態的なバランス感覚が健在なのを確認します。2017年から断続的に行われた対談が5回分収録されており、前半の2回でふたりの最近の代表的な仕事である『中動態の世界』『勉強の哲学』が論じられています。哲学は議論が回りくどいので、ふたつの著作で迷子になってしまった読者は本書を見取り図として使用してみるのが良いかと思いました。國分は『中動態』に依存症の問題から入ったことを強調しています。コロナで生活リズ

  • 里愛乍 さん

    おふたりの対話が読んでいてとても楽しい。何よりお互いで相手の言葉を聞き取れて、しっかり的確な応対をされているのがいい。専門用語も交え時には補足しつつ、更なる展開で発展させ、突き詰める、もうこの読み手置いてきぼり感すら心地よい。千葉さんの言う〈詩は物質〉ってすごく腑に落ちた気がする。自分にとって言葉って単なるコミュニケーションツールじゃないから。こういう使い方をされるのがすごく好きなんですよね。そういう発見が読む度に見つけられそうで、再読は必至です。

  • よしどん さん

    自分にはちょっと難しいがなかなか興味深い本だった。対談の内容が知識の沼の中を彷徨っているようで、たまに浅瀬にきたときに、自分の環境や考えにピタッと来るようなフックがあり、そこからグイグイ深みに誘い込まれるが、いつの間にか窒息気味で朦朧としてしまう、そんな読書体験だった。もっと理解が深まったら、ここに返って自分のレベルを確認したいと思った。

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