メキシコ革命 世界史リブレット

国本伊代

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784634349605
ISBN 10 : 4634349604
フォーマット
出版社
発行年月
2008年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
21cm,90p

内容詳細

20世紀前半に、独裁体制を打倒し、政治・経済・社会構造の改革を成し遂げたメキシコ革命。大量の国民の血を流し、現代メキシコの基礎を築き上げた、革命の原因と闘争過程をわかりやすく紹介。

【著者紹介】
国本伊代 : 1938年生まれ。東京外国語大学スペイン語科卒業。東京大学大学院社会科学研究科、テキサス大学大学院史学研究科修了・Ph.D.(歴史学博士)。専攻、歴史学・ラテンアメリカ近現代史。現在、中央大学商学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    ルルフォの小説を読み、その原風景となる1920年代のメキシコの歴史に興味が湧いたのでこちらを。当時、かの国では革命の混乱が続いていた。スペインからの独立後も列強から干渉される中、独裁政権が立つ。近代化は進むが貧富の差を助長し、民主制と農地改革を訴えて革命が起きる。政権は倒したが護憲派と農民派が対立し、指導者が幾度も交代。「ペドロ・パラモ」でも皮肉めいて描かれていた。やがて革命は実る。中でも西欧主義ではないメスティソ(混血)文化の施策が目を引く。抑圧と闘う姿や革命の影などを描いた壁画運動をもっと知りたい。

  • 相米信者 さん

    メキシコ史を読んで、メキシコ革命が気になり読んだ一冊。メキシコ革命は20世紀前半に、100万人を超す死者を出し、近代国民国家建設を成し遂げたラテンアメリカ初の革命であった。革命の影響は文化だけではなく、革命に参加した女性の地位向上、白人至上主義を否定し、多数の先住民と混血人種からなるメキシコ国民の独自性とアイデンティティを確立させた。ダイナミズム溢れる出来事を高校の世界史でも教わらないのは罪である。外国資本を排撃し、国営化を徹底させた流れは、社会主義というよりは、昨今のグローバリズム批判に似ている。

  • ジャケット君 さん

    世界史の教科書でもまったく触れずに受験してしまったことと、ニューメキシコ州にてメキシコを調べたいという安直な動機で読んだ。メキシコ近代史では、ディアス政権は歴史と切って離せない主要な時代だったという。軍人出身のディアスは独裁強権政治であり自由経済を敷衍した積極的に政策を行いまず基盤を作り上げたいい政治家だと思う。外国資本を受け入れ鉱山業、軽工業の発展に寄与したのだ。しかし農業の方面では土地の分配が見直され労働に従事したペオンの労働環境は劣悪なものだったのはだろうなって感じ。

  • 伊藤チコ@革命的cinema同盟 さん

    マカロニウェスタンの一ジャンルメキシコ革命もの。ディアス独裁政権の打倒から始まる革命勢力内の権力・指針闘争。本作に出てくる革命家は皆パトリオットなので嫌な気がしない。話し合いを通じて国家づくりが出来ず、暗殺に暗殺で有望な人材が死んでいったのは悲しくなる。殺し合いに疲れてようやくラサロ・カルデナスの制度的革命党で落ち着く。その間100万がなくなり、約30年にわたる革命が終わった。結構メキシコ革命って社会主義革命か市民革命かわからなかったんだけど、それらを包括した民族革命であったのが本作でようやくわかった。

  • 有智 麻耶 さん

    フエンテス『アルテミオ・クルスの死』を読み進めるうちに、作品の背景を知りたくなり読んだ。独裁者を前に団結し、それを打倒したかと思えば利害の不一致で分裂するといった動きを繰り返すなかで、メキシコは民主化や世俗化を達成していったようである。メキシコ・ナショナリズムであるインディヘニスモや、混血人種の優越性を主張するための概念である「普遍的人種」(ラサ・コスミカ)など、日本の近代化と比較したら面白いかもしれない。

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